──*──*──*── 宿屋
──*──*──*── 宿泊室
冒険者ギルドのドアを開けると宿泊室の中に出た。
冒険者ギルドで受け取った報酬袋をセロがテーブルの上に出してくれる。
報酬袋の数が8袋もある。
珍種でも薬草だから以外と安いのかも知れないな。
此でも多い方だと思うけど……。
オレも卵が入ってる持ち手付きの篭をテーブルの上に置いた。
マオ
「 今回は袋の数が少ないんだな 」
セロフィート
「 4袋は前の残り分です。
白金貨が1袋,金貨が3袋です 」
マオ
「 じゃあ、残りの4袋が薬草の分なんだ?
配分はどんなの? 」
セロフィート
「 金貨が1袋,銀貨が3袋です 」
マオ
「 銀貨が多いんだな 」
セロフィート
「 珍種と言うだけで、未だ薬草としての価値が未確定ですし。
傷の付いてない綺麗な大蛇の眼球が1番高値を付けて貰えました 」
マオ
「 へぇ?
じゃあ、白金貨の入ってた8袋と此処にある4袋の12袋は、大蛇の眼球分って事か?
16個の眼球に白金貨が12袋かぁ…。
此って凄いのかな? 」
セロフィート
「 凄い事です。
多額ですけど、報酬額は誤魔化されてませんし、信用しても良いでしょう 」
マオ
「 …………彼のさ…、報酬額を誤魔化す冒険者ギルドなんてあるのか? 」
セロフィート
「 普通にあります。
今回は潰さなくて済みそうです 」
マオ
「 はぁ?
今回は??
今迄も冒険者ギルドを潰した事がある様な言い方だな? 」
セロフィート
「 “ 潰す ” と言っても不正をした者を追放する前に晒し者にした後で、厳しく罰して、相応の報いを受けさせるだけです。
2度と不正が出来ない様に〈 器人形 〉を責任者に就かせてます 」
マオ
「 へ、へぇ… 」
セロフィート
「 冒険者ギルド自体は残ってます 」
マオ
「 報酬額を出し渋った冒険者ギルドは、裏で《 セロッタ商会 》が牛耳ってる訳だな? 」
セロフィート
「 嫌ですね。
牛耳ってません。
監視をしてるだけです 」
マオ
「 監視…ねぇ? 」
関与してるんだから、牛耳ってる様なもんだと思うんだけどな……。
セロフィート
「 報酬はセロカに入れときます。
マオ、食堂へ行きましょう 」
マオ
「 そうだな 」
セロと一緒に食堂へ行く事にした。
ゲート魔法を発動させないで宿泊室のドアを開けると、宿屋の廊ろう下かに出でる様ようになっている。
オレはドアを開あけて、セロと一いっ緒しょに宿しゅく泊はく室しつを出でた。