──*──*──*── 冒険者ギルド
──*──*──*── 受付カウンター
飲食店のドアを開けたら、外の《 飲食街 》には出なくて、何故か冒険者ギルドの中に出た。
まかさ、飲食店のドアと冒険者ギルドのドアをゲート魔法で繋げるなんて、セロも大胆な事をしてくれたもんだ。
だけど、移動する手間が省ける分、時間の短縮にはなってるよな。
冒険者ギルドの中に出たセロは、受け付けカウンターに向かって真っ直ぐ歩いて行く。
セロは受け付けカウンター越しに座っている受付嬢のお姉さんと話し始めたみたいだ。
セロは腰に付けてるポーチバッグの中から回収袋を出して、カウンターの上に置いている。
大蛇の眼球の入った回収袋,マンジュシャゲの入った回収袋,コサグリッペ苔の入った回収袋,岩茸の入った回収袋,ナメゼンの入った回収袋──、5つの回収袋を出されて受付嬢のお姉さんが驚いてるみたいだ。
そうだよなぁ……。
中身を見たら、もっと驚くんだろうな……。
セロが回収袋の中身の説明をしている。
受付嬢のお姉さんの顔が引き吊ってる様に見えるのは、オレの気の所為じゃない。
生々しい眼球とか蛞蝓の卵がビッシリと付いてるナメゼンが入ってる訳だし、顔が引き吊るのは仕方無いよな……。
オレはセロの隣に立って、セロと受付嬢のお姉さんのやり取りを見ている事しか出来ない。
提示された書類にセロが記入し終わると、受付嬢のお姉さんが報酬袋をカウンターの上に出し始めた。
セロは報酬袋を1袋ずつ受け取っている。
報酬袋の数が10袋以上あるから驚いた。
マオ
「 また凄い数だな… 」
セロフィート
「 マオが頑張ってくれた結果です 」
マオ
「 こんなに貰えるんだ? 」
受付嬢
「 白金貨が8袋,金貨が4袋,銀貨が1袋になります。
1度にこんな多額の報酬額をお渡しする冒険者は〈 S・G 〉さんだけですよ。
“ ギルド荒らし ” と呼ばれるだけはありますね 」
マオ
「 ギルド荒らし??
そんな風に言われてるのか? 」
セロフィート
「 受け取る予定の報酬額を何時も上回るからでしょう 」
セロは報酬袋をポーチバッグの中に次々と入れて行く。
受付嬢
「 残りは、用意出来次第お渡しさせて頂きます 」
セロフィート
「 お願いします。
──マオ、次の依頼場所へ行きましょう 」
マオ
「 うん。
次は珍種の薬草の採取だったよな? 」
未だ笑顔が引き吊っている受付嬢のお姉さんに向かって、オレは元気に手を振った。
セロより先に冒険者ギルドのドアを開けて、セロと一緒に冒険者ギルドを出た。