♥ クエスト 8 / 断崖絶壁に生える珍しいの山菜を採取しろ!
──*──*──*── 断崖絶壁
最後の断崖絶壁に着いたオレは、セロに言われた山菜を採取している。
採取している山菜の名前は──、 “ ナメゼン ” と呼ばれている蛞蝓薇だ。
蛞蝓薇──、最低最悪な山菜じゃないかよ!!
オレ……、蛞蝓が大っ嫌いなのにっ!!
“ 珍しい山菜 ” って言うから、一寸だけワクワクしてたのに!!
最後の最後の最後に酷い裏切りに遭った気分だ。
こんなのあんまり過ぎるだろ!!
蛞蝓薇は、 “ 蛞蝓の巣 ” って言われてる穴から生えていて、蛞蝓薇を採る為には “ 蛞蝓の巣 ” に手を突っ込んで、根っ子から引っこ抜かないといけないらしい。
“ 蛞蝓の巣 ” の中には本当に蛞蝓が巣食ってる時があるらしい。
素手で根っ子から引っこ抜く時に、蛞蝓に触れる事になるかも知れないなんて、最低最悪だ!!
手袋をして引き抜きたい!!
だけど…、セロは手袋をする事を許してくれない。
気持ち悪い〜〜〜〜〜!!
更に気持ち悪い事に、蛞蝓薇の裏側には蛞蝓の卵がビッシリと付いてるから、素手で触るのは本当に御免被りたい。
何で、こんなおかしな山菜を欲しがるんだか…。
変わった人が居るもんだな…。
素手で触りたくないけど、我慢して蛞蝓薇を採取する。
誰かオレを褒めてくれ!!
──*──*──*── 2時間後
はぁ……はぁ……はぁ……はぁ…………。
漸く蛞蝓薇の採取が終わった…。
オレ……1人で、やり切ったよ……!!
マオ
「 ──セロ!
見ろぉ!!
蛞蝓薇を採り終えたぞ!! 」
セロフィート
「 偉いです、マオ。
頑張れましたね 」
マオ
「 もっと、ちゃんと褒めろっ!!
大っ嫌いな蛞蝓の卵がビッシリ付いた蛞蝓薇を素手で採ったんだからな!!
“ 蛞蝓の巣 ” に手首突っ込んでぇ〜〜〜!!
ばっちかったんだからなっ!! 」
セロフィート
「 マオの努力は認めてます 」
ふわり…と微笑んだセロは、オレを優しく抱きしめると抱擁してくれた。
ま、まぁ……許しあげても良いかな??
マオ
「 ──セロ、昼食しに行こうよ。
とっくに正午は過ぎちゃっただろ? 」
セロフィート
「 そうですね。
≪ 街 ≫へ戻りましょう。
《 屋台公園 》と《 飲食街 》のどちらで昼食します? 」
マオ
「 《 飲食街 》で昼食したい! 」
セロフィート
「 はいはい。
昼食を終えたら、冒険者ギルドへ行きましょう 」
マオ
「 うん。
冒険者ギルドで回収袋を渡したら、また依頼場所に行くんだろ? 」
セロフィート
「 勿論です。
珍種の薬草の採取に行きます 」
マオ
「 山菜の次は薬草かよ… 」
セロフィート
「 唯の薬草ではないです。
現場に着いてからのお楽しみです 」
マオ
「 わぁ〜〜〜。
何か嫌な予感しかしないなぁ… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 …………まぁ、いいや…。
セロ、早く≪ 街 ≫に戻ろう 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロが古代魔法を発動させると、転移魔法陣が地面に出現した。
魔法陣が光る。
山頂からセロとオレの姿が消えた。




