♥ クエスト 5 - 4 / 8本首の大蛇を討伐,大蛇の眼球を回収しろ!
翼が生え変わったりはしないみたいで安心した。
翼が無くなったお蔭で強風と羽根の攻撃を受けなくなって楽になった!
此ならメィデュードを倒せるぞ!!
此のまま一気に──って思ったけど、そうそう簡単にはいかなかった。
メィデュードの胴体から左右に分かれて生えている大蛇の首がウネウネと動き始めたからだ。
翼があった時は、両目を瞑って眠っていたみたいだったけど、翼が無くなった所為で目覚めてしまったみたいだ。
大蛇は両目を怪しく光らせると、口からブレスを吐き出した!?
ブレスってのは竜が口から吐くもんじゃなかったっけ??
ブレスの後には衝撃波が襲って来る!
8本の首に付いてる両目は、色違いに光っている。
光る色に依って、大蛇の口から吐き出されるブレスの属性が違うみたいだ。
火属性,水属性,地属性,風属性,雷属性,氷属性,毒属性,衝撃波を使えるみたいだ。
ランダムでブレスや衝撃波を吐き出して来るから、8本首の大蛇は手強いかも知れない。
オレを近付かせない為に交互にブレスを吐き出して来るから厄介過ぎる!
オレは再度セロに助け船を出して貰う事にした。
マオ
「 ──セロ! 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 …………何してんの? 」
セロフィート
「 カーディガンを編んでます 」
マオ
「 カーディガン??
何で此処でカーディガンなんか編んでるんだよ?? 」
セロフィート
「 編みたいからです 」
マオ
「 大蛇を倒すオレの勇姿を見るんじゃなかったのかよ? 」
セロフィート
「 見てますけど? 」
マオ
「 編みながらどうやって見るんだよ!! 」
セロフィート
「 何か用です?
無いなら邪魔しないでください 」
マオ
「 然り気無く話を変えるな!!
──用はあるけど! 」
セロフィート
「 ワタシの手を止める程の事です? 」
マオ
「 そうだよ!
メィデュードの左右に生えてた翼は斬り落とせたけど、今度は8本の首が動き出したんだ!
口から属性別のブレスを吐き出して来たり、衝撃波を出して来たりして、近付けないよ!
此のままだとメィデュードを倒せないんだ…。
近付く為の方法はないのかな? 」
セロフィート
「 マオ……。
何の為の気配殺しですか。
気配を消して近付けば、大蛇もブレスや衝撃波を出したりしません。
懐に入り込むのも首を斬り落とすのも容易です 」
マオ
「 気配殺し…… 」
セロフィート
「 首を斬り落としても眼球は傷付きません。
安心して斬り落としてください。
メィデュードの心臓は本体の頭にあります。
首と胴体を斬り離したら、頭を切り刻むのを忘れないでください 」
マオ
「 え゛っ??
其処迄するのかよ?! 」
セロフィート
「 メィデュードの生命力を軽んじてはいけません 」
マオ
「 …………分かったよ…。
やってみるよ 」
セロフィート
「 ファイトです、マオ♪ 」
マオ
「 ………………うん… 」
再びカーディガンを編み始めたセロに背中を向けたオレは、セロが教えてくれた気配殺しを発動させた。
人間には効果があった気配殺しだけど、ちゃんとメィデュードにも通用するのか分からない。
オレは姿を消せない。
オレの姿はメィデュードにも見えている筈だ。
見えているのも関わらず、気配を消して、まるで其処に存在して居ない様に錯覚させて思わせる──何て、視覚を騙す様な事が本当に出来るのかな??
兎に角、やってみるしかないんだ!
先ずは、オレから見て左側の大蛇の首を斬り落とす事にした。
衝撃波を出して来る首が付いてるからだ。
地面に飛び散っている血が地面を滑り易くしている!
血で足を滑らせて転んだりしたら、台無しになるから気を抜けない。
注意してながら、慎重にメィデュードへ近付いて距離を詰める。
何とかメィデュードに気付かれずに懐に入れた!




