──*──*──*──洞窟内
依頼主の村長が暮らしている≪ 村落 ≫の近くに転移したセロとオレは、≪ 村落 ≫の中へ入って、村長の家へ向かった。
村長へ依頼書を渡して、洞窟の現状と詳細な内容を聞いてから、セロと一緒に問題の洞窟へ向かった。
驚いたのは、洞窟が≪ 村落 ≫の中にあるって事だ。
≪ 村落 ≫の中にあるって言っても、離れた場所になるんだけどな。
洞窟は森の奥にあって、1本道を歩いて向かった。
1本道の周りは森が広がっていて、茸類,木の実,果物が採れるらしい。
≪ 村落 ≫の敷地内だから、動物の天敵が居ない事もあって、鶏,羊,牛,野牛,豚…等の動物を森の中で放牧しながら伸び伸びと育てているらしい。
1本道をセロと歩いていたら、動物の見張り番をしている村人達を見掛けた。
子供も一緒に放牧している動物達を見守っているみたいだった。
そうそう、森に入る手前には畑が広がっていて、農作業をしている村人達も見掛けた。
「 のどかな雰囲気が良いなぁ〜〜 」って思える≪ 村落 ≫だ。
キャンプ用品は万全に揃ってるから、「 何日か滞在してみたいかも 」って思ってみたり。
──まぁ、そんな事は横に置いといてだ、セロとオレは洞窟の中を歩いている。
洞窟の入り口に立って判明した事だけど、洞窟の中は蛇の巣になっていた。
足の踏み場もない程に、色んな種類の蛇が犇めき合いながらウネウネと蠢いていて、もんのすんごく気持ち悪かった!!
洞窟の中に入るのを思わず躊躇してしまうぐらいに蛇臭も酷くて、吐き気が込み上げて来る程に酷い有り様だった。
だけど、セロが洞窟の中に足を踏み入れると、野生の蛇達が一斉にセロから離れ始めたんだ!!
洞窟の中は狭いから、蛇は何匹も重なり合って、セロの為に道を開けている──かの様にも見えた。
野生勘ってので、蛇にもセロの凄さが分かるのかな??
マオ
「 ──まるで “ モーセの十戒 ” の海が割れるシーンみたいだな 」
セロフィート
「 大袈裟ですね。
蛇は睡眠魔法で眠らせます。
マオは蛇を回収してください 」
マオ
「 分かったよ 」
──そんな訳で、セロが睡眠魔法を発動させて、蛇を眠らせてくれた。
セロに手渡された回収袋の口を開けたオレは、深い深い覚めない眠りに就いてしまった蛇を回収した。
何て楽チンなんだ!
睡眠魔法って万能じゃないか!
回収袋も万能〜〜!!
楽する為に古代魔法を使うだけの事はあるよな〜〜。
蛇は生け捕りに出来たから、後は8本首の大蛇を討伐して、眼球を回収するんだったよな。
其からマンジュシャゲの採取をするんだ。
──という経緯があって、オレはセロと一緒に洞窟の奥を目指して歩いていた。
洞窟の奥は広いのかな?
大蛇って、どんな感じなんだろう??
マオ
「 セロ、大蛇にも睡眠魔法を使うのか? 」
セロフィート
「 使いません 」
マオ
「 えぇっ?!
何でだよ?
何で睡眠魔法を使ってくれないんだよ! 」
セロフィート
「 面白くないからに決まってます 」
マオ
「 セロ! 」
セロフィート
「 大量の蛇は片付けました。
大蛇を倒すマオの勇姿をワタシに見せてください 」
マオ
「 …………分かったよ。
戦えばいいんだろ!
折角、楽が出来ると思ったのにな〜〜 」
オレは不満気な顔をして、態と大きな溜め息を吐いてみた。