♥ 冒険者ギルド 6 / 受け付けカウンター 1
──*──*──*── 受付カウンター
ギルド長室から戻って来たセロとオレは、受け付けカウンターでドロップアイテムが入っている回収袋を受付嬢のお姉さんに手渡した。
セロとオレはドロップアイテムの集計が終わる迄、ソファーに座って待っている所だ。
何れぐらいの現金と交換して貰えるのか楽しみで仕方無い。
ポズンガマの討伐依頼は冒険者ギルドの不正の所為で、依頼達成が出来なくて報酬は1Mも貰えないけど、ドロップアイテム次第では報酬額よりも多く貰えたりする場合があるから、ワクワクする。
セロフィート
「{ ──ギルド長の口振りからして、毒を盛った犯人に心当たりがありそうです }」
マオ
「{ えっ??
マジなの? }」
話の振り方が唐突過ぎるよ、セロ…。
セロフィート
「{ 犯人に対する気遣いが見られました。
近い内に連絡が来るかも知れません }」
マオ
「{ そうなんだ…。
じゃあ、冒険者ギルドで働いてる人なのかな? }」
セロフィート
「{ そうでしょうね。
理由が判明すれば良いですけど }」
マオ
「{ そうだな…。
毒を盛るぐらいだから、相応の理由があるんだろうな?
来たばっかりなのになぁ…… }」
セロフィート
「{ 犯人が明らかになる前に横取りしましょう。
此方で尋問して理由を聞き出せば良いです }」
マオ
「{ セロの場合は尋問じゃなくて拷問だろ〜〜 }」
セロフィート
「{ 酷いです…。
マオを思っての事なのに… }」
マオ
「{ オレを思ってくれるセロの気持ちは素直に嬉しいよ(////)
だけどさ、やり過ぎは良くないと思うんだ…。
セロとオレに毒を盛った犯人の事は許せないよ。
犯人の今後の為にも、やった事に対する報いは確りと受けさせるべきだと思うよ。
だけど…やり過ぎるのは……止めてほしいと思うんだ }」
セロフィート
「{ 優しいですね、君は… }」
マオ
「 セロ…… 」
セロフィート
「 分かりました。
君の優しさに免じて、今回は見逃しましょう 」
マオ
「 セロ!
有り難な!!(////)」
セロフィート
「 はいはい。
見逃す代わりに依頼を頑張ってください 」
マオ
「 うん。
任せとけ!
処でさ、次の依頼はどんなのだ? 」
セロフィート
「 昨日、1番に受ける予定だった依頼です。
≪ 村落 ≫へ行き、マンジュシャゲを採取する依頼です 」
マオ
「 マンジュシャゲの採取??
マンジュシャゲって何?? 」
セロフィート
「 花です 」
マオ
「 花ぁ??
雪が降ってるのに花を採取するのか? 」
セロフィート
「 マンジュシャゲは洞窟の中に生えてます 」
マオ
「 何だよ〜。
其なら簡単な依頼じゃないか!
直ぐに達成出来ちゃうな 」
セロフィート
「 そうでもないです。
マンジュシャゲを採取する洞窟の奥に8本の首を生やした大蛇が巣食ってしまったそうです。
大蛇は大量の蛇を洞窟の中へ呼び集め、洞窟の中は様々な種類の蛇に占領されているそうです。
大蛇を討伐し、蛇を生け捕りにし、マンジュシャゲを採取してほしいとの依頼です 」
マオ
「 …………大蛇を討伐するのは分かるけど、蛇は生け捕るのか?? 」
セロフィート
「 蛇は生きたまま酒瓶へ入れ、漬けたまま出荷するそうです 」
マオ
「 えっ……。
お酒に蛇を漬けるの?? 」
セロフィート
「 蛇の酒漬けは有名です。
蛇の種類によって入れるお酒も変わるそうで── 」
マオ
「 もういい…。
気持ち悪い…… 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 ………………因みにだけど…どんな人達が飲むんだ? 」
セロフィート
「 主に《 酒場街 》《 蝶夜街 》を訪れるお客です。
貴族も好んで飲みます 」
マオ
「 …………美味しいのかな?? 」
セロフィート
「 さぁ?
高級酒ですし、美味しいのではないです? 」
マオ
「 ふ…ふぅん…… 」
セロが蛇の酒漬けを飲んだ事がないみたいで、ホッとした。
マオ
「 採取したマンジュシャゲって何に使われるんだ? 」
セロフィート
「 上質な染料になります 」




