セロフィート
「 どうです?
今後の参考になりそうです? 」
ギルド長
「 …………馬鹿なっ!!
此程迄に高LVの怪物が下水道に巣食っていたと言うのか…っ!!
信じられない……。
此だけの数の怪物を……本当にマオ君が1人で倒したと言うのか!? 」
マオ
「 えと……倒したら駄目だったのかな?? 」
ギルド長
「 い、いや……そんな事はないよ。
倒してくれた事には感謝するよ。
……然しだね…、此だけの数の高LVな怪物を倒せる程の冒険者となれば、≪ 王都 ≫の冒険者ギルドへ依頼状を出さんといかん。
依頼状ぐらいならば転送魔法で直ぐに送れるが、冒険者達や調査団が≪ 街 ≫へ到着するのは早くて3週間後になる 」
セロフィート
「 そうですか。
冒険者達が到着する前に下水道の調査を終わらせれば良いですね。
簡単な調査ぐらいなら、此処の冒険者にも出来るでしょうし 」
マオ
「 そうだな。
4日は怪物も近付かないから出来そうだよな?。
だけどさ、専門の調査団が≪ 王都 ≫にしか居ないってのは、残念だよな?
依頼が届いてから移動してたら時間も掛かるしさ 」
≪ ジェジロエンダ大陸 ≫では、物体を移動させる為の簡単な転送魔法なら使われてるけど、人間を移動させる高度な転移魔法は未だ使われていない。
小動物を使った実験は悉く失敗していて、成功例が300年以上も無いらしい。
転移魔法って難しいんだな。
転送魔法は転移魔法を研究していた時に発見した副産物らしい。
生きている小動物の転移は出来なくても、死んでしまった小動物の死骸を転移する事が出来たからだ。
生きてる生物は無理でも、死んでる生物が可能なら、物体も成功するんじゃないか──って試した結果、物体を転移させる実験は成功した。
物体を転移させる移動魔法を “ 転送魔法 ” と名付けて、≪ ジェジロエンダ大陸 ≫へ弘めたらしい。
今では決められた場所で転送手続きの登録をすれば、転送魔法を使って物体を目的地へ転送して貰える様になっている。
だから、依頼状なら直ぐに≪ 王都 ≫の冒険者ギルドへ転送する事が出来るんだ。
簡単な転送魔法だけど、高度な魔法の位置付けにされているみたいで、誰もが個人的に使える様なお手軽な魔法ではないみたいだ。
≪ ジェジロエンダ大陸 ≫には規格外な魔法使いは居ないのかも??
セロフィート
「 ドロップアイテムは受け付けで現金と交換してもらいます。
行きましょう、マオ。
次の依頼場所へ行かなければ行けませんし 」
マオ
「 そうだったな… 」
オレはテーブルの上に出したドロップアイテムを回収袋の中へ入れた。
何かを言いたげなギルド長に挨拶をして、セロとオレはギルド長室を退室する事にした。
ソファーから腰を浮かせたて立ち上がったセロは、ギルド長に何も言わずにスタスタとドア迄歩いて行く。
オレはギルド長にちゃんと挨拶して、ちゃんと会釈をして、セロが待ってくれているドアへ向かった。
セロがドアを開けてくれたから、見送ってくれるギルド長へ「 バイバイ 」と手を振ってからギルド長室を出た。
◎ 国名と王都名を同じにしたのは、考えるのが面倒だからです。
変えるかも知れませんが……。