♥ クエスト 4 - 5 / ポズンガマを討伐しろ!
試行錯誤した末に椅子を動かしたオレは、回収袋の口を開けて、宝石が散りばめられた豪華な椅子を回収した。
椅子が置かれていた場所の下には階段があった。
若しかしたら、此の階段を隠す為に贅沢で派手な椅子を置いていたのかも知れない。
動かすには半端なく重かったし…。
マオ
「 セロ、此の階段って…… 」
セロフィート
「 降りましょう 」
マオ
「 降りるのかよ?! 」
セロフィート
「 マオ…、階段を見付けたのに降りずに戻る気です?
戻るのは地下を確かめてからです。
行きましょう 」
セロはオレに構う事なく勝手に階段を降りて行った。
オレもセロの後を追って、階段を降りた。
──*──*──*── 地下室
階段を降りて着いた場所は、パーティーホールみたいに広い部屋だった。
其の壁にも埋め尽くされた様に人間の剥製が飾られていた。
数えられない程の冒険者と兵士の剥製だ。
マオ
「 ……っ、こんなに沢山あるなんて…… 」
セロフィート
「 マオ、全て回収してください 」
マオ
「 う、うん… 」
セロに言われるままに、オレは回収袋の口を開けて──以下略。
マオ
「 終わったよ。
何百体あるんだろうな、此の剥製はさ 」
セロフィート
「 さぁ?
下水道へ入ったきりの被害者より少ないでしょうね 」
マオ
「 そ、そうだよな?
被害者全員を剥製にはしないよな?? 」
セロフィート
「 此と言って、他に仕掛けは無いようですね。
マオ、戻りましょう 」
マオ
「 うん…。
結局さ、ポズンガマ討伐は出来なかったな…。
此って依頼達成にはならないよな… 」
セロフィート
「 揉み消される可能性はありますけど、冒険者の義務として冒険者ギルドへ報告しなければいけません。
宿泊室へ転移します。
転移後、冒険者ギルドへ行きましょう 」
マオ
「 うん。
分かったよ。
生憎と証拠品は山程あるもんな 」
セロは古代魔法の転移魔法を発動させた。
彼の入り組んでる下水道を入り口迄ひたすら歩かないで済むのは本当に助かる!
転移魔法様々だな!
転移魔法の魔法陣が、淡く光り出す。
パーティーホールみたいな広い部屋から、セロとオレの姿は跡形も無く消えた。




