♥ 宿屋 3 / 食堂 3 / 賑やかな夕食 3
取り敢えず、ガンヤローの肉料理を堪能しよう。
目の前に並べられた肉料理が「 早く食べてぇ〜〜ん 」とオレに訴え掛けてる様に見える。
オレは右手に握るナイフと左手に握るフォークを器用に使い、フォークに料理を刺して口へ運んだ。
マオ
「 ──うんまいっ!(////)
何、此の肉ぅ〜〜!
セロ、想像以上に美味いよ♪♪♪ 」
セロフィート
「 此は絶品ですね 」
マオ
「 うん!(////)
苦労した甲斐があったよ。
此は嬉しい御褒美だな! 」
ガンヤローの肉料理に舌鼓を打って完食してから、デザートを何品か頼んだ。
フリーの冒険者ケィリー・ジョゼルか…。
入った冒険者パーティーで揉め事を起こす人か…。
どんな人なんだろうな…。
気になるけど、そんな事をセロに言う訳にはいかない。
セロが何で首を突っ込もうとしないのか分からない。
今に始まった訳じゃないけど、何で話してくれないんだろう??
聞いたらちゃんと話してくれるのかな?
美味しい食後のデザートを食べ終えて一息吐いた頃には食堂もすっかり静けさを取り戻していた。
さっき迄の騒がしさが嘘みたいだ。
食堂には未だ数人が残って居るけど、各々の寛ぎ方を楽しんでいる。
新聞を読んでる人も居れば、雑誌を読んでる人も居る。
読書をしていたり、地図を広げて見ていたり、「 部屋ですれば良いのに! 」って思う事を食堂でしている。
何でだろうな?
アットホームな感じが落ち着くのかなぁ??
セロフィート
「 ──マオ、外を見てください 」
マオ
「 外ぉ?
外がどうかしたのか? 」
セロフィート
「 雪が降って来ました 」
マオ
「 雪?!
えっ……だって今って9月だろ?
9月に雪なんて降るのかよ? 」
セロフィート
「 降ってますし 」
マオ
「 そだな…。
積もるかな? 」
セロフィート
「 積もっても依頼はこなします。
マオとワタシに天候の変化は関係無いですし 」
マオ
「 マジかよ〜〜〜。
滞在して未だ2日目なのに、3日目から天候の所為で余計にハードだ〜〜〜 」
セロフィート
「 試練だと思って頑張ってください 」
マオ
「 何の試練なんだよ〜〜 」
雪の降る中で依頼を解決させるなんて……気持ちが萎えるぅ〜〜〜。
セロフィート
「 マオ、そろそろ宿泊室へ戻りましょう 」
マオ
「 そだな…。
明日はどんな依頼を解決させるんだ? 」
セロフィート
「 さて、どの依頼にしましょう? 」
マオ
「 ハードな依頼は駄目だぞ。
出来るだけ、イージー若しくはソフトな依頼だからな! 」
セロフィート
「 検討はしましょう。
ワタシは会計を済ませます。
マオは先に、宿泊室へ戻っていてください 」
マオ
「 うん。
分かったよ 」
今夜は 気配殺しも殺気殺しもしなくて良さそうだ。
セロに合わせて椅子から腰を浮かせて立ち上がる。
食堂を出たセロは、夕食代を支払う為に受け付けカウンターへ行った。
オレは階段を駆け上がって、宿泊室へ向かった。




