♥ 宿屋 2 / 食堂 2 / 賑やかな夕食 2
マオ
「 ──何だろう?
急に騒がしくなったな? 」
セロフィート
「 マオ、覗き見は御行儀悪いです 」
マオ
「 え〜〜〜。
気になるじゃんか 」
セロフィート
「 関わらない様にしてください 」
マオ
「 分かってるよ…。
まぁ、此処からだと何も見えないしな〜〜。
そう言えばさ、屋台公園で揉めてた冒険者パーティーってどうなったんだろうな?
取っ組み合いになりそうな雰囲気の揉め様だったけどさ 」
セロフィート
「 知った事ですか。
他所のパーティー事情へ首を突っ込まないでください。
干渉しなければ火の粉も飛んで来ません 」
マオ
「 だってさ……揉めてた3人の男の間に入って1人で懸命に仲裁してた人が気になるんだよ。
苦労してるみたいだからさ、オレと被ってるみたいに思えてさ……。
出来る事なら、オレも止めに入りたかった──みたいな? 」
セロフィート
「 ──マオ、≪ ジェジロエンダ大陸 ≫に居る間は、御人好しも程々にしてください。
足元を掬われます 」
マオ
「 セロが居てくれるじゃないか 」
セロフィート
「 マオ…。
甘えてくれるのは嬉しいですけど、マオの尻拭い迄はしませんよ 」
マオ
「 な…何言ってるんだよ!(////)
未だ食事中なんだぞ!(////)」
セロフィート
「 おや?
ふふふ…。
そうでしたね… 」
マオ
「 はぁあ?
何で笑うんだよぉ(////)」
セロフィート
「 ワタシに甘えるのは『 ベッドの中だけにしてください 』と言う事です 」
マオ
「 いけずな事、言うなよ… 」
ウェイトレス
「 御待たせ致しました。
ガンヤローの肉料理です 」
マオ
「 わぁっ♪
有り難う!
──凄いボリュームだね。
食べごたえがあるな! 」
ウェイトレス
「 料理長が腕に縒りを掛けて作られました。
他の宿泊客様にも振る舞われます 」
マオ
「 うん!
喜んでもらえるといいんだけど… 」
ウェイトレス
「 喜んで頂けます。
3匹分も分けて頂けて、従業員一同も嬉しいです♪(////)
明日の夕食にはデメリギョッチの卵料理と肉料理をお出しさせて頂きます 」
マオ
「 明日の夕食が楽しみだよ!
な、セロ! 」
セロフィート
「 そうですね。
──所でウェイトレスさん、何やら食堂が賑やかになりましたね。
何かありました? 」
ウェイトレス
「 あぁ……何時もの方です…。
{ ケィリー・ジョゼルと言うフリーの冒険者が居るんです。
ジョゼルさんは色んな冒険者パーティーに入っては何かと問題を起こしている様で……、ジョゼルさんの入る冒険者パーティーは必ず揉めるんです。
昨日とは違う冒険者パーティーですよ。
人目も気にせずに揉め事を起こすので、他の宿泊客様達も迷惑してるんです }」
セロフィート
「 成る程……。
マオ、聞きました?
{ ケィリー・ジョゼルさんには要注意してください }」
マオ
「 えっ……あぁ、うん… 」
セロフィート
「 ウェイトレスさん、教えてくださり有り難う御座います 」
ウェイトレス
「 いえ、とんでもないです。
{ セロフィートさんとマオ君も彼に目を付けられない様に重々気を付けてください }」
セロとオレに忠告してくれた優しいウェイトレスさんは、空になって重ねていた皿を丸いお盆に手早く載せ終えると会釈をして去って行った。
マオ
「 フリーで冒険者してる人も居るんだな。
ぼっちが好きなのかな? 」
セロフィート
「 マオ、無闇に興味を持たないでください 」
マオ
「 分かってるよ。
冒険者パーティーを取っ替え引っ替え出来るもんなんだな? 」
セロフィート
「 ≪ ジェジロエンダ大陸 ≫では、パーティーから追放される事は良くあります。
追放された冒険者同士で結成されたパーティーも幾つかありますし 」
マオ
「 そうなんだ?
追放された冒険者がパーティーを作って、其処からまた追放される──って事はあるのか? 」
セロフィート
「 普通にあります。
パーティーメンバーの入れ替わりのサイクルが早くてが多いのも特徴です 」
マオ
「 へ…へぇ…… 」
他所の冒険者パーティーって、何か大変そうだな。
うん、出来る限り関わらない様に気を付けよう!




