♥ クエスト 3 - 1 / デメリギョッチを捕獲しろ!
──*──*──*── エフシィ湖
セロが結界魔法を解除した後、転移魔法で次の依頼主が居る依頼場所へ転移した。
依頼主から詳しい事情を聞いて、デメリギョッチが生息している──と言うか、故意に繁殖させて養殖しているエフシィ湖へやって来た。
エフシィ湖は予想以上に広くてデカくて、水草が湖一面に浮いている。
どうやら水面に浮いている水草の根っ子がデメリギョッチの餌になっているらしい。
根っ子は食べられても3日もあれば伸びて来るんだとか。
マオ
「 うわぁ……。
これ此また凄い水草だなぁ…。
デメリギョッチが何処に居るか見えないよ 」
セロフィート
「 マオ、足元に注意してください。
足を踏み外して湖に落ちれば、デメリギョッチの餌食になります。
重々気を付けてください 」
マオ
「 分かってるよ… 」
セロフィート
「 本当に分かってます?
昨日も飼育係が足を滑らせ、湖へ転落し、秒で群がるデメリギョッチに喰べられたそうです 」
マオ
「 びょ…秒で?? 」
セロフィート
「 一瞬の出来事だったとか 」
マオ
「 …………足元には十分に気を付けるよ 」
セロフィート
「 そうしてください。
では捕獲を始めましょう 」
マオ
「 捕獲ったって、どうやるんだよ?
デメリギョッチの捕獲方法なんて知らないよ 」
セロフィート
「 ワタシも知りません 」
マオ
「 おぃぃぃいいいい!
情報収集してないんかーーーい!!
どうするんだよ! 」
セロフィート
「 特に此と言って決められた捕獲方法はないそうです。
依頼を受けた冒険者達も様々な方法を用いて捕獲していたそうです。
デメリギョッチを生け捕りに出来れば方法は問わないのでしょう 」
マオ
「 湖に入ったら喰われるから、入るのは無理だよな 」
セロフィート
「 マオなら入っても死にはしません 」
マオ
「 オレに 『 気を付けろ 』って言っといて、湖に入れって言うのかよ! 」
セロフィート
「 そんな事、言ってません 」
マオ
「 …………睡眠魔法を使っても、回収するのが大変だよな… 」
セロフィート
「 デメリギョッチを1本釣りしてみます? 」
マオ
「 時間が掛かるだろ!
もう17時になるんだぞ!
日が暮れる前に終わらせたいんだよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
では1番手っ取り早い方法を使います? 」
マオ
「 あるのかよ?
何をするんだ? 」
セロフィート
「 湖へ雷を落とし、デメリギョッチを感電させます。
感電死しない様に加減が必要です。
水面に浮いたデメリギョッチを回収すれば終わります 」
マオ
「 感電か…。
…………其ってギャンブルっぽくないかな? 」
セロフィート
「 そうですね。
微調整する必要があります。
何度か雷を湖へ落とす事にもなりますし… 」
マオ
「 へ、へぇ……そうなんだ… 」
セロフィート
「 大人のデメリギョッチを感電させる為に雷を落とせば、子供のデメリギョッチは感電死してしまいます。
子供の甲羅は柔らかい為、少しの衝撃で死んでしまいます 」
マオ
「 マジかよ…。
じゃあ、子供が居る湖に雷は落とせないじゃないかよ。
他に方法はないのか?
子供は無傷で大人だけを捕獲するなんて……難しくないか? 」
セロフィート
「 湖に雷を落とすにしても、先ずは水草を処理する必要があります 」
マオ
「 水草の処理って……。
だけどさ、水草の根っ子はデメリギョッチの餌なんだろ?
処理なんてしたら困るんじゃないか? 」
セロフィート
「 大変困るでしょうね。
落雷は諦めましょう 」
マオ
「 水草は其のままで、子供も無傷で、大人だけ…か……。
セロ〜〜 」
セロフィート
「 ワタシに泣き付く前に、少しは自分で考えてみてはどうです? 」
マオ
「 セロ、冷たい〜〜〜!
突き放す様な事、言わないでくれよぉ… 」
セロフィート
「 では大人のデメリギョッチだけ水面から浮かせましょう 」
マオ
「 出来るのか? 」
セロフィート
「 浮かせた後が問題ですけど 」




