セロフィート
「 とても有意義な3時間を過ごせました♪ 」
マオ
「 セぇロぉ…… 」
セロフィート
「 はいはい。
睡眠魔法を使いましょう。
先ず広範囲に結界を張ります 」
マオ
「 結界なんて要るのか? 」
セロフィート
「 ガンヤローを誘い込むのに必要です。
結界の中にガンヤローを誘き寄せる匂い袋を置きます 」
マオ
「 匂い袋?
今度は “ ガンヤローコイコイ ” かよ… 」
セロフィート
「 マオ、結界の中へ匂い袋を置いて来てください。
結界の中へ入って来たガンヤローを棒で虐げて仲間を呼ばせてください 」
マオ
「 ……嫌な役だな… 」
セロから受け取った匂い袋を持ったオレは、セロに言われた通りに1人で結界の中へ入った。
地面に匂い袋を投げ捨てると、モワンッ──と何とも言えない匂が結界の中へ広がった。
マオ
「 ──ォウェッッッ……。
……此がガンヤローを誘き寄せる匂いなのか??
変な匂いだな… 」
オレが顔を歪めているとガンヤローがピョンピョンと跳ねながら此方に向かって来た。
ざっと40匹ぐらいかな。
結界の中へ入って来たガンヤローに向かって棒を向けたオレは、仲間を呼ばせる為に態とバッシバッシと強めに叩いて回った。
棒で叩かれたガンヤローは野太い声で鳴き出す。
暫くすると何処からか別のガンヤローが大量に現れて結界の中へ入って来る。
オレは結界の中が満杯になる迄と、ガンヤローが仲間を呼んでも来なくなる迄、棒でガンヤローを叩いて回った。
匂い袋の効果なのか、ガンヤローは1匹も結界の中からは出て行こうとしないから不思議だ。
──*──*──*── 30分後
ガンヤローが鳴いても仲間が来なくなったみたいだ。
オレは大量のガンヤローを掻き分けながら、苦労しながら、セロの元へ戻った。
マオ
「 ………セ、セロ……終わったよ…。
もう仲間は来ないみたいだよ 」
セロフィート
「 有り難う、マオ。
御苦労様でした 」
疲れきってるオレの頭を優しく撫でながら、セロは睡眠魔法を発動させた。
ガンヤロー達の上空に巨大な魔法陣が出現するとガンヤロー達は次々に倒れ始めた。
なんて強力な睡眠魔法なんだ。
マオ
「 後は寝落ちした大量のガンヤローを回収するだけだな! 」
セロフィート
「 頑張って回収してください♪ 」
マオ
「 オレがするの?!
セロがしてくれるんじゃないのかよ? 」
セロフィート
「 ワタシは古代魔法を発動させて疲れました。
〈 テフの源みなもと 〉が体たい内ないへ蓄ちく積せきされる迄までは動うごけません 」
マオ
「 嘘うそ吐つけ!
今いま迄までだって散さん々ざん古こ代だいエンシェント魔ま法ほうマジックを発はつ動どうさせてたけど、そんな事こと1度どだってなかっただろが! 」
セロフィート
「 マオ、ガンヤローの回かい収しゅうに使つかう袋ふくろです。
お願ねがいします 」
オレヘ満まん面めんに微ほほ笑えんだセロは、ガンヤローの回かい収しゅう袋ぶくろをオレに手て渡わたすとテーブルへ戻もどって行いった。
マオ
「 セぇ〜〜〜ロぉ〜〜〜っ!!!! 」
当とう然ぜんの様ように紅こう茶ちゃを飲のんで寛くつろぎ始はじめたセロヘ向むかって、オレはありったけの声こえを出だして怒いかりを叫さけんだ。
ガンヤローの回かい収しゅうは以い外がいと早はやく終おわった。
抑そもそもだ、セロが気き絶ぜつしたガンヤローを回かい収しゅう袋ぶくろの中なかへ入いれるなんて面めん倒どうな力ちから仕し事ごとをする訳わけがなかった。
回かい収しゅう袋ぶくろの口くちを開あけるとガンヤローが勝かっ手てに吸すい込こまれて行いく。
すんげぇ楽らくチンだ。
1000匹びき近ちかくのガンヤローは、ものの数すう秒びょうで回かい収しゅう袋ぶくろの中なかへ消きえた。
マオ
「 ──セロ、回かい収しゅう済すんだぞ 」
セロフィート
「 有あり難がう、マオ。
次つぎの依い頼らい場ば所しょへ向むかいましょう 」
マオ
「 うん… 」
ガンヤローが消きえた場ば所しょから使し用よう済ずみの匂においガンヤロー袋ぶくろコイコイを拾ひろって回かい収しゅうした。
結けっ界かい魔ま法ほうはセロが解かい除じょした。
◎ 「 ムキムクイッキー 」は現実離れしていてイメージし難いので、顔はクアッカワラビー、同体はムキムキのカンガルーにしました。
ムッキムキのカンガルーの体の上に可愛いクアッカワラビーの顔が付いているガンヤローをイメージしてみてください。
あんまり怖くないですね……。