セロフィート
「 一斉にガンヤローの気を失わせる必要があります。
1匹でも逃せば仲間を呼ばれてしまいます 」
マオ
「 そう…なんだ?
…………気を付けないといけないんだな 」
セロフィート
「 先ずは『 水魔法で丸い水溜まりを出せるか 』です。
出来ます? 」
マオ
「 顔を覆えるぐらいの水溜まりだよな? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 そんなの出した事ある訳ないだろ… 」
セロフィート
「 練習して出せる様になってください。
1つではなく1度に複数個です。
自在に操れる様にもなってください。
複数の水溜まりでガンヤローの顔を覆える様になれば良いです 」
マオ
「 何か難しそうだな… 」
セロフィート
「 水溜まりは浮かせるので、浮遊魔法も使います。
水溜まりを移動させるのに移動魔法も使います。
ガンヤローの顔へ落とす為に落下魔法も使います。
1度に4つの魔法を同時に使わなければ── 」
マオ
「 一寸待てよ!
オレ、〈 ノマ 〉だよ! 」
セロフィート
「 そうですね。
其が何です? 」
マオ
「 『 1度に4つの魔法を同時に使う 』なんて事が出来るのかよ? 」
セロフィート
「 出来なければ地道にコツコツとガンヤローを気絶させるしかないです。
マオ、ファイト♪ 」
マオ
「 『 ファイト♪ 』じゃ、ないわっ!!
他に…他に……何か手っ取り早くガンヤローを無傷で捕獲する楽な方法はないのかよ〜〜〜〜 」
セロフィート
「 マオ、ガンヤローが増えてます。
行ってください 」
マオ
「 分かったよぉ…… 」
セロが提案してくれた方法は確かに無傷でガンヤローを捕獲出来るかも知れない。
だけど……今のオレには難しいと思う。
オレは永遠に──とは言わないけど、棒で突いたり、叩いたりしてガンヤローを気絶させ続けないといけないのかよ…。
はぁ…滅入る〜〜〜。
──*──*──*── 1時間後
マオ
「 ──セロ!
オレ、1番楽にガンヤローを捕獲する方法を見付けちゃったよ!! 」
気絶させては仲間を呼ばれの繰り返しを続けていたオレは、ピピーンと来ちゃったんだ!
降りて来てくれたんだ!
何でもっと早く気付けなかったんだろうって思う。
ヒントはセロが盗賊狩りをしていた時の方法だ。
今でもモルモ験けんット台だいが欲ほしい時ときは、楽らくな方ほう法ほうで補ほ充じゅうしてるんだよな。
どんな方ほう法ほうかと言いうと──。
1人りで頑がん張ばってるオレを無む視しして、相あい変かわらず1人りで悠ゆう々ゆうと寛くつろいでるセロの元もとへ走はしった。
セロフィート
「 マオ…。
今こん度どはどうしました? 」
マオ
「 ──だから、ガンヤローを簡かん単たんに捕ほ獲かく出で来きる方ほう法ほうに気き付づいたんだ!
ガンヤローを無む傷きずで捕ほ獲かくが出で来きるんだよ! 」
セロフィート
「 ははぁ…。
どんな方ほう法ほうです? 」
マオ
「 ……取とり敢あえず、ティーカップを置おこうよ… 」
セロフィート
「 はいはい。
どんな方ほう法ほうに気き付づきました? 」
マオ
「 うん。
セロが何い時つも盗とう賊ぞくにしてる事ことだよ。
睡すい眠みんスリープ魔ま法ほうマジックで盗とう賊ぞくを眠ねむらせて≪ ダンジョン ≫に転てん移いさせてるだろ。
其それをガンヤローにするんだよ!
広こう範はん囲いの睡すい眠みんスリープ魔ま法ほうマジックでガンヤローを一いっ斉せいに眠ねむらせて捕ほ獲かくするんだ!
此これなら棒ぼうでガンヤローを突ついたり、叩たたいたりして気き絶ぜつさせ続つづける必ひつ要ようないだろ!
難むずかしい水みず魔ま法ほうなんて使つかわなくたっていいんだ!
どうだよ?
名めい案あんだろ!
褒ほめてくれてもいいんだぞ? 」
オレは胸むねを張はって、ドヤ顔がおをしてみた。
鼻はな高たか々だかってヤツだ!
セロフィート
「 気き付づいてしまいましたか…。
折せっ角かく棒ぼう迄まで貸かしたのに…。
3時じ間かん弱じゃくですか。
もう少すこし長ながく楽たのしめると思おもったんですけど…。
予そ想そう外がいですね、残ざん念ねんです 」
マオ
「 おい!
どゆことだよ! 」
セロフィート
「 おや?
聞きこえてしまいました? 」
マオ
「 白しら々じらしいわ!!
オレに棒ぼうを渡わたしてガンヤローを気き絶ぜつさせてたのは態わざとなのかよ! 」
セロフィート
「 だって…棒ぼうを振ふり回まわしてガンヤローと戯たわむれるマオを見みたかったですし 」
マオ
「 何ど処こをどう見みたら戯たわむれてる様ように見みえるんだよ!!
知しってたなら最さい初しょに教おしえてくれよ…。
3時じ間かんも無む駄だにしたじゃないか!! 」