♥ 屋台公園 1 / 青空の下で昼食 1
──*──*──*── 屋台公園
冒険者ギルドを出たセロとオレは、寄り道せずに屋台公園へ向かった。
残りの依頼を片付ける前の腹拵えをする為だ。
“ 強力な足蹴りに注意 ” しないといけないガンヤローを捕獲する依頼と、猛毒を持っている肉食で凶暴なデメリギョッチを捕獲する依頼だ。
デメリギョッチなんて、骨すらも噛み砕いて獲物を喰べるらしい。
油断なんてしたら、腕や足を喰い千切られてしまう危険性だってある。
依頼内容を聞いただけで萎えるぅ〜〜〜。
初日からハードな依頼だから、気が滅入って仕方無い。
オレの口からは「 はぁ…… 」と深い溜め息しか出ない。
何度目の溜め息だろうな…。
セロフィート
「 マオ、どうしました?
浮かない顔してますけど… 」
マオ
「 一体誰の所為だろうな! 」
セロフィート
「 ふふふ。
本当ですね♪ 」
マオ
「 セロの所為だからな!! 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 オレは此の後に控えてる依頼の事で悩んでるんだよ! 」
セロフィート
「 ガンヤローの捕獲とデメリギョッチの捕獲です? 」
マオ
「 そうだよ!
あ゛ぁ〜〜も゛ぉ〜〜〜憂鬱だよぉ〜〜〜〜 」
セロフィート
「 ワタシが居ます。
マオの為に精一杯応援します♪ 」
マオ
「 応援なんて要らないから、手伝えってーの!! 」
セロフィート
「 マオ…。
ワタシが加減出来ないのは知ってるでしょう。
捕獲する前に死なせてしまいます。
ワタシが手を出せば、依頼を達成出来ません 」
マオ
「 〜〜〜〜っ、加減する為の努力しろよぉぉぉおおおお!! 」
セロフィート
「 人形は努力しません♪ 」
マオ
「 『 しません♪ 』じゃ、ないわっ!!
何でオレばっかりぃぃぃいいいいい!! 」
セロフィート
「 剣士は大変ですね 」
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜。
他人事みたいに言うなよ! 」
セロフィート
「 他人事ですし… 」
マオ
「 キリがないな… 」
セロフィート
「 始めたのはマオです 」
マオ
「 …………はぁ〜〜〜〜…… 」
セロフィート
「 ──マオ、サンドイッチが売ってます 」
マオ
「 はいはい。
好きだもんな、サンドイッチ… 」
セロとオレはサンドイッチを販売してる屋台へ向かって歩いた。
──*──*──*──*──
屋台公園には公共のベンチが幾つも設置されている。
ベンチの種類は統一されていない。
定番デザインのベンチもあれば、素朴なデザインのベンチもあるし、お洒落なデザイン,豪華なデザイン,可愛いデザインもある。
多種多様なデザインのベンチがあって、たかがベンチなのに見ているだけでも楽しい。
セロとオレは無難そうなデザインのベンチを選んで、腰を下ろして座っている。
セロと一緒に食べてるサンドイッチは、バタールって名前のパンの半分を使ったボリュームと食べごたえのあるサンドイッチだ。
パンも中の具材も自分の好みにカスタマイズ出来る若者に人気のサンドイッチ屋だった。
丁度空いていたから並ばないで注文出来てラッキーだった。
ベースのサンドイッチを選んだら、3種類のパンから1つを選んで、6種類の中から好きなトッピングを選ぶんだ。
トッピングは有料だから頼まなくても構わないみたいだけどな。
基本になってる4種類の野菜の量を決めて、3種類のアクセント野菜と量を決める。
アクセント野菜は無料だから嬉しい。
最後に4種類あるドレッシングから好きなドレッシングを選ぶんだ。
温かいサンドイッチが食べたかったら、パンを頼んだ時に言えば、魔法でパンを焼いてもらえるのも嬉しいよな。
メニューを見たら何れも美味しそうで決められないから、セロと一緒に10種類のサンドイッチを選んだ。
セロと半分に分けて食べている。
マオ
「 こういう食べごたえのあるサンドイッチも偶には良いよな! 」
セロフィート
「 同じ屋台が6店も出てますし、人気振りが分かりますね 」
マオ
「 カスタマイズが出来るのって、ワクワクして楽しいけど、慣れてないと選ぶのに時間が掛かっちゃうもんな 」
セロフィート
「 ふふふ(////)
マオ、口にドレッシングが付いてます 」
マオ
「 えぇっ?!
えぇと……口を拭うドライペーパーは── 」
◎ サンドイッチの屋台にはモデルがあります。
TVの放送で紹介されていたカスタマイズの出来るサンドイッチ屋さんです。
名前が思い出せません……。
畳んで食べれるグラタンピザみたいなのを何時か食べてみたいです。




