♥ 冒険者ギルド 7 / 廊下
──*──*──*── 廊下
ギルド長室を出たセロとオレは、受け付けカウンターを目指して廊下を歩く。
受け付けカウンターに居る受付嬢のお姉さん達に声を掛ければ、ドアの鍵を開けてくれるからだ。
マオ
「 セロ、結局さ… “ 聖なる雫 ” を汲んで来る依頼の達成は出来なかった事になるんだよな?
未解決だから報酬は支払われないんだよな? 」
セロフィート
「 報酬を支払われた場合、彼等に依ってアレは “ 聖なる雫 ” として扱われる事になります。
今迄通り、インチキ儀式を盛大に執り行い、聖水として高値で販売するでしょうね 」
マオ
「 そう…なんだ…。
まぁ、報酬は貰えなくてもいいんだけど……。
──セロ、毒を盛った犯人はギルド長じゃないよな? 」
セロフィート
「 残念ですけど、ギルド長ではないです。
ギルド長が実行犯なら揺すれたんですけど… 」
マオ
「 ギルド長じゃなくて本当に良かった!!
じゃあ、無実のギルド長が毒殺の犯人になるかも──だったのは本当なのか? 」
セロフィート
「 ふふふ。
彼の場でマオとワタシが死んでいれば、ギルド長は毒殺犯として裁かれた後に、様々な毒物を体内へ注入される刑を受けていたでしょう。
見たかったですね 」
マオ
「 オレは見たくないよ!
其に、体内に毒物を注入してるのはセロだろ! 」
セロフィート
「 ワタシの考えた実験ではないです。
人間が実際に行っていた拷問を参考にしてるだけです 」
マオ
「 真似っこ…してるって事か?
物騒な実験ばっかりするなよ! 」
セロフィート
「 其の実験の結果、彼の解毒剤が出来た事を忘れないでください 」
マオ
「 …………其を言われると……。
──あ、そうだ。
洞窟に隠し通路が有るって言ってたよな?
結局さ、見付けずに冒険者ギルドに来ちゃっただろ?
何処に有るんだろうな? 」
セロフィート
「 心配しなくとも見付けてます 」
マオ
「 えっ?!
そうなのか?
流石だな! 」
セロフィート
「 出口を塞ぎました。
隠し通路に入ったが最後、地底湖には辿り着けません 」
マオ
「 どゆこと?? 」
セロフィート
「 ふふふ♪
洞窟へ近付けない様に森と山には影焔を放し飼いにしました 」
マオ
「 影焔??
何だよ?? 」
セロフィート
「 何でしょうね?
ふふふ♪ 」
マオ
「 …………また変なの作ったんだな? 」
セロフィート
「 はて?
何の事でしょう? 」
マオ
「 セぇロぉ〜〜〜 」
セロフィート
「 マオ、ドアに着きました。
受付嬢さんに鍵を開けてもらいましょう 」
マオ
「 そうだな。
オレ、呼んで来るよ 」
セロにはドアの前で待っていてもらう事にして、オレは受け付けカウンターに居る受付嬢のお姉さんを呼びに向かった。




