──*──*──*── 宿屋街
──*──*──*── 宿屋・カシペリザ亭
──*──*──*── 食堂
セロとオレは宿屋に宿しゅく泊はくする事ことになった。
今いまは食しょく堂どうで夕ゆう食げディナーをしている。
≪ 街まちカモッポゥロ ≫の名めい産さん品ひんは、 “ ニョコモ ” って呼よばれてる穀こく物もつと “ ソパレ ” って呼よばれてる動どう物ぶつの肉にくらしい。
オレはソパレ肉にくの出だ汁しで作つくられた “ ラメー ” と呼よばれる料りょう理りを食たべている。
炊たいたニョコモに出で来き立たて熱あつ々あつのラメーを掛かけて食たべるんだ。
何なにか見みた目めだけで言いうと、トイチ八賢悳壹が前まえに作つくって食たべさせてくれたカレーに似にていなくもない。
カレーとラメーの味あじは全まったく違ちがうんだけど…。
トイチ八賢悳壹が作つくってくれカレーと違ちがって、ラメーはシャバシャバでスープみたいなんだよな。
カレーも美う味まかったけど、サラサラと食たべられるラメーも此これは此これで美お味いしいんだ!
セロはと言いうと、ソパレ肉にくのフルコースを堪たん能のうしている。
もう、オレよりも欲よく張ばりで食くいしん坊ぼうさんなんだから!
実じつは──、オレの分ぶんって事ことで小こ皿ざらに少すこしだけ分わけてもらってたりする。
だって、何どれも美お味いしそうなんだもん!(////)
一ひと口ことだけでも何どんな味あじなのか味あじわいたくなるのは、至いたって自し然ぜんな事ことだと思おもうんだよ!
そんな訳わけで、ラメーを完かん食しょくしたオレには、小こ皿ざらに取とり分わけてもらっている料りょう理り達たちが待まっている。
ラメーに舌した鼓つづみを打うちながら食たべていると、食しょく堂どうが騒さわがしくなって来きた。
また宿しゅく泊はく客きゃくが増ふえたみたいだ。
食しょく事じ時どきにチェックインをする旅たび人びとが多おおいなぁ。
…………何なんか、聞きき覚おぼえのある声こえが聞きこえて来くるんだけど!
何ど処こで聞きいた声こえだろう??
特とく徴ちょう的てきな声こえだから気きになるのかな??
マオ
「 セロ、此この声こえって── 」
セロフィート
「{ マオ、無む視ししてください。
ワタシ達たちには何なにも見みえてませんし、聞きこえてません。
良よいです? }」
マオ
「{ えっ??
だけどさ── }」
セロフィート
「{ 良よ・い・で・す・ね? }」
マオ
「{ はい…… }」
セロが「 無む視ししろ 」なんて珍めずらしいな。
面おも白しろそうな事ことには自じ分ぶんから首くびを突つっ込こんで、勝かっ手てに関かかわって、存ぞん分ぶんにかき混まぜてから、傍ぼう観かん者しゃ気き取どりで知しらん顔かおしてるのに!!
若もしかして……≪ 街まちカモッポゥロ ≫の外そとでテント張はってキャンプするのを嫌いやがったから、実じつは粛しゅく々しゅくと怒おこってる……とか??
だけど……呆あきれられたり、困こまられたりはしても、怒おこられた事ことはない訳わけで……。
オレはしょっちゅうセロに対たいして怒おこってるけどな(////)
短たん気きを出だすオレに対たいしてもセロは寛かん大だいで、包つつみ込こんでくれるぐらいに優やさしいんだ。
今こん夜やのセロは何い時つのセロとは違ちがうみたいだ。
………………何なにも起おこらないよな??
──*──*──*── 40分後
セロとオレは夕ゆう食げディナーを終おえて、口くち直なおしにノワラ茶ちゃを飲のんでいた。
ノワラ茶ちゃ用ようのティーカップの中なかに好すきなドライフルーツを入いれて、ノワラ茶ちゃを注そそいだお茶ちゃだ。
淹いれたてのノワラ茶ちゃは熱あつ々あつで飲のむんじゃなくて、ドライフルーツから旨うま味みが出でた後あとの冷さめたノワラ茶ちゃを飲のむらしい。
ドライフルーツの旨うま味みが染しみ出でたノワラ茶ちゃは、ドライフルーツの数かずだけ味あじが楽たのしめるんだ。
セロフィート
「{ ──マオ、宿しゅくへ泊はく室しつやへ戻もどりましょう }」
マオ
「{ 何なんで小こ声ごえで話はなすんだ? }」
セロフィート
「{ 必ひつ要ようだからです。
気け配はい殺ごろしをしながら宿しゅくへ泊はく室しつやへ戻もどってください }」
マオ
「{ えっ??
何なんで気け配はい殺ごろしをしないといけないんだ? }」
セロフィート
「{ 訓くん練れんです。
意い識しきしないと出で来きない様ようでは、肝かん心じんな時ときに役やくに立たちません。
意い識しきしなくても自し然ぜんに出で来きる様ようになってください。
良よいです? }」
マオ
「{ 分わかったよ… }」
セロフィート
「{ 宜よろしい。
戻もどりましょう }」
スクッと立たち上あがったセロは、まるで初はじめから其そ処こに居いなかったかの様ように食しょく堂どうを歩あるく。
揉もめている宿しゅく泊はく客きゃくの誰だれもが横よこ切ぎるセロに気き付づかない。
セロは人にんセロ形ぎょうフィートだから自じ分ぶんの気け配はいを自じ在ざいに殺ころす消けす事ことが出で来きてしまうんだ。
何い時つも気け配はい殺ごろしをしながら歩あるいてくれれば、オレの苦く労ろうも少すこしは減へってくれるんだけどなっ!!
おっと、いけない!
オレもセロに続つづかないと!