♥ 冒険者ギルド 5 / ギルド長室 3 / 報告の行方 3
マオ
「 氷が溶けて出来た地底湖の水を長い間、 “ 聖なる雫 ” だって偽り続けて、聖水だなんて嘘を吐いて──大勢の人達を騙してる!!
詐欺をしてるんだよっ!!
──其に、洞窟には隠し通路があって、其処を通って……定期的に氷を凍らせてる人達が居るんだ!!
許せないよ!!
だよね、ギルド長もそう思ってるよね?? 」
ギルド長
「 …………マオ君…。
マオ君の気持ちは痛い程分かるよ 」
マオ
「 ギルド長!!
ギルド長もオレと同じなんだね! 」
ギルド長
「 …………だがね、ワシだけの判断では動けないんだよ…。
先ずは上に報告書と証拠品を上げなければいけないんだ。
此の報告書と証拠品を参考にして、上が話し合うんだ 」
マオ
「 …………そんな…。
じゃあ、揉み消されちゃうの?
無かった事にされちゃうの?? 」
ギルド長
「 マオ君…。
…………其は上が判断する事なんだ。
我々…冒険者ギルドは上の決定に従うしかないんだよ…… 」
マオ
「 …………そんな… 」
セロフィート
「 クレスターさん,ゼリントさん辺りが上の方々との繋がりが強そうですね。
どちらに転ぶのか見物です。
そう思いません? 」
マオ
「 セロっ!! 」
セロフィート
「 何はともあれ、マオとワタシの役目は終わりました。
後の事はギルド長にお任せしましょう。
マオ、ワタシ達はおいとましましょう 」
マオ
「 セロ… 」
セロフィート
「 未だ解決させる依頼が2件残ってます 」
マオ
「 …………分かったよ… 」
セロフィート
「 ギルド長、マオとワタシは失礼します。
上が道徳的にも正しい対処をされる様に全力で最善を尽くしていただきたいですね 」
ギルド長
「 …………善処はしよう… 」
セロフィート
「 お願いします。
マオ、行きましょう 」
マオ
「 うん… 」
セロフィート
「 あぁ…そうでした。
美味しい紅茶とお茶菓子、御馳走様でした。
1つ良いです? 」
ギルド長
「 今度は何だ? 」
セロフィート
「 毒を盛るなら無味無臭の毒を使う事をお薦めします。
味や香りの付いた毒は、紅茶とお茶菓子の本来の風味を変えてしまいます 」
マオ
「 ──ど、毒っ?!
毒が入ってたのか?
じゃあ……何か変な感じがしたのも、何か分かんないけど違和感を感じたのって……毒?? 」
セロフィート
「 マオ…。
今頃です?
鈍いです… 」
マオ
「 う、煩いっ(////)
味が変だったのに気付けたんだから凄いだろ! 」
ギルド長
「 毒だと?!
嘘を言うな!
一体誰が毒を盛ると言うんだ?! 」
セロフィート
「 さぁ?
探偵でもないワタシには分かりません。
マオとワタシが生きていると都合の悪い “ 誰か ” が居るのは確かです。
ギルド長室で、ギルド長が用意させた紅茶とお茶菓子を食べたのです。
マオとワタシが此の場で死んだとなれば、誰が1番に疑いを掛けられるのか──。
聡明なギルド長なら言わずとも分かりますよね?
目の上のタンコブさん 」
マオ
「 セロ……。
だけど、セロもオレもピンピンしてるじゃんか 」
セロフィート
「 こんな事もあろうかと、解毒剤を用意してました。
此はギルド長に差し上げます。
精々殺されない様に気を付けてください 」
セロはポーチから出した包みをギルド長に手渡した。
解毒剤……か。
セロとオレには毒なんて効果がない。
口に入った飲食物は全て〈 テフ
毒
だから、セロもオレも解
セロとオレを殺
だけど、何
…………報
セロとオレは死




