──*──*──*── 宿屋街
──*──*──*── 宿屋・カシペリザ亭
──*──*──*── 受付カウンター
冒険者ギルドを出て《 ギルド街 》を出たオージンは、《 宿屋街 》へやって来た。
セロフィートとマオが宿泊している宿屋に来きたオージンは、受うけ付つけカウンターで宿しゅく泊はくの登とう録ろくを済すませた。
幸こう運うんな事ことに〈 Sサムシング・Gグレート 〉の2人りが宿しゅく泊はくしている部へ屋やの右みぎ隣どなりが丁ちょう度ど空くう室しつとの事ことで、オージンは其その部へ屋やの鍵かぎを受うけ取とった。
受うけ付つけカウンターで新しんカモッポゥロ聞ぶん・タイムズを買かったオージンは宿しゅく泊はく室しつへは向むかわずに直すぐ横よこにある食しょく堂どうへ向むかった。
オージン・クリンヴィレット・ベルジースは本ほん名みょうではなく偽ぎ名めである。
本ほん名みょうはない──と言いうか、あったのだろうがオージンは覚おぼえていない。
オージンには両りょう親しんが居おらず、孤こ児じだった。
幼おさない頃ころ、両りょう親しんから口くち減べらしの為ために捨すてられたオージンは、孤こ児じにならざるを得えなかったと言いうべきか。
両りょう親しんに捨すてられ、望のぞまない孤こ児じとなり下さがったオージンは、孤こ児じを集あつめて世せ話わをしている施し設せつにへ連つれて行いかれ、保ほ護ごされた。
オージンの様ように口くち減べらしにより両りょう親しんから捨すてられる子こ供どもは山やま程ほど居いた。
孤こ児じ施し設せつに保ほ護ごされたオージンは、自じ分ぶんだけが両りょう親しんから捨すてられた訳わけではない事ことを初はじめて知しった。
自じ分ぶんと同おなじ境きょう遇ぐうの子こ供ども達たちを目めの前まえにして、オージンは不ふ思し議ぎと嬉うれしかった。
自じ分ぶんだけが両りょう親しんに捨すてられた訳わけではなく、他ほかにも両りょう親しんに捨すてられ、理り不ふ尽じんな思おもいをしている子こ供ども達たちが──、同どう士し達たちが居いる事ことが無む性しょうに嬉うれしく感かんじたのだ。
施し設せつに保ほ護ごされた子こ供ども達たちは口くち減べらしで捨すてられた子こ供どもばかりが居いる訳わけではなく、両りょう親しんから虐ぎゃく待たいを受うけていたり、自みずから親おや元もとから逃にげ出だしたり、生いきる為ために盗ぬすみを繰くり返かえしていた手て癖くせの悪わるい子こ供どもも居いた。
十じゅう人にん十じゅう色よう千せん人にん千せん色ようと言いわれる様ように様さま々ざまな環かん境きょうで育そだち、様さま々ざまな事じ情じょうを抱かかえている子こ供ども達たちが施し設せつには集あつまって居いた。
孤こ児じ施し設せつでの暮くらしは、嘘うその様ように恵めぐまれた環かん境きょうだった。
施し設せつに保ほ護ごされた子こ供ども達たちは先まず、広ひろい脱だつ衣い場じょうへ連つれて行いかれ、此これまた広ひろい浴よく場じょうへ入いれられる。
入にゅう浴よくが済すむと小こ綺ぎ麗れいな下した着ぎ,衣い服ふく,靴くつを支し給きゅうされる。
新あたらしい衣い服ふくに着き替がえると広ひろい食しょく堂どうへ連つれて行いかれ、温あたたかい食しょく事じを提てい供きょうされる。
食たべ易やすくて柔やわらかい白しろいパンと食たべ易やすいサイズの野や菜さい,肉にく,キノコが入はいった具ぐ沢だく山さんの温あたたかいスープを食たべれる事ことには、どの子こ供ども達たちも驚おどろいたに違ちがいなかった。
食しょく事じが終おわると子こ供ども達たちは、5名めいずつ部へ屋やへ連つれて行いかれた。
部へ屋やへ入はいった子こ供ども達たちは、名な前まえ,性せい別べつ,年ねん齢れいを聞きかれる。
性せい別べつで分わけられた後あと、年ねん齢れい別べつに分わけられ、別べつの部へ屋やへ案あん内ないされる。
集しゅう団だん部べ屋やには1人り用ようのベッドが設せっ置ちされており、1部へ屋やで10名めいの子こ供どもが共きょう同どう生せい活かつを出で来きる様ようになっている。
施し設せつに保ほ護ごされた日ひは、最さい終しゅう的てきに案あん内ないされた集しゅう団だん部べ屋やで就しゅう寝しんする事ことになる。
翌よく日じつは案あん内ないされた洗せん面めん脱だつ衣い室しつで洗せん顔がんを済すませると、食しょく堂どうで用よう意いされた出で来き立たての美お味いしい料りょう理りを食たべる。
食しょく事じの後あとは共きょう同どう生せい活かつをする10名めいずつに分わかれ、施し設せつ内ないを案あん内ないされる。
施し設せつの案あん内ないは昼ひる迄まで続つづき、昼ひる食げランチは中なか庭にわに出でて、日ひ向なたぼっこをしたながら用よう意いされたサンドイッチとスープを食たべる。