セロフィート
「 食欲も凄いようですし、良く排除出来たものです 」
マオ
「 侵入者の死体も酷いのか? 」
セロフィート
「 同様に酷い有り様です。
此は顔を確実に狙った犯行かも知れません 」
マオ
「 顔を狙った──って、どゆこと? 」
セロフィート
「 身元を判明させない為に敢えて顔を狙って喰べさせた──という事です。
肉体も酷いですけど、顔を狙った事を隠す為のフェイクでしょう。
肉体が酷い有り様ならば、判別が出来ない程に顔が喰べられていても怪しまれません。
骨を調べても身元は割り出せませんし…。
侵入者の顔も確かめられない程喰べられてます。
此では昨晩の奇蹟せき跡せき調ちょう査さ団だん達たちなのかも分わかりません 」
マオ
「 そんな… 」
セロフィート
「 1人りのミスは連れん帯たい責せき任にんなのかも知しれません。
仲なか間まを助たすける為ために侵しん入にゅうさせ、合ごう流りゅうしたのを見み計はからい、予あらかじめ胎たい内ないに仕し込こんでいたGジロゴキブリを孵ふ化かさせ、6名めいを纏まとめて始し末まつした──という手しゅ段だんも考かんがえられます 」
マオ
「 マジかよ… 」
セロフィート
「 あくまで推すい測そくの1つに過すぎません。
真しん実じつは本ほん人にん達たちにか分わかりませんし 」
マオ
「 そう、だよな… 」
セロフィート
「 何なにはともあれ、毒どく殺さつ未み遂すい犯はんと仲なか間まが死し亡ぼうしたのは紛まぎれもない事じ実じつです。
全ぜん裸らに剥むいて逆さかさ吊ずりにしたかったのに……残ざん念ねんです 」
マオ
「 セロ……。
逆さかさ吊づりにするの諦あきらめてなかったのかよ…。
…………全ぜん裸らに剥むかれて…逆さかさ吊づりされて…公こう衆しゅうの面めん前ぜんに曝さらされながらセロに遊あそばれるのと、どっちが良よかったんだろうな… 」
セロフィート
「 肉にく食しょくのGジロゴキブリに全ぜん身しんを喰くい尽つくされるより、ワタシに遊あそばれる方ほうがマシに決きまってます。
ワタシは慈じ悲ひ深ぶかいですし 」
マオ
「 …………全ぜん裸らに剥むいて辱はずかしめるくせに何ど処こが “ 慈じ悲ひ深ぶかい ” だよ!
逆さかさ吊づりした毒どく殺さつ未み遂すい犯はんに向むかって街かい民みん達たちに石にしを投なげさせる気きだったんだろ?
全ぜん然ぜん慈じ悲ひ深ぶかくないっての! 」
セロフィート
「 そうです?
ワタシは辱はずかしめを受うける方ほうが未まだマシだと思おもいますけど?
命いのち迄までは取とりませんし 」
マオ
「 …………。
確かく認にんは済すんだし、もう出でるだろ? 」
セロフィート
「 そうですね。
脅きょう威いが去さった訳わけではないですし、暫しばらくは用よう心じんしましょう 」
マオ
「 用よう心じんするの?
何なんでだ?
毒どく殺さつ未み遂すい犯はんは死しんだんだし、もう終おわっただろ 」
セロフィート
「 マオとワタシに毒どくを盛もった犯はん人にんは任にん務むに失しっ敗ぱいし亡なくなりましたけど、別べつの者ものが後あとを継つぐかも知しれません。
別べつの方ほう法ほうで狙ねらわれる可か能のう性せいはあります。
何なん等らかの形かたちで接せっ触しょくして来くるかも知しれませんし。
気きを抜ぬかないでいましょう 」
マオ
「 マジかよ…。
続つづくかも知しれないのかよ… 」
セロフィート
「 そんなに嫌いやな顔かおしないでください。
起おきたイレギュラーを楽たのしむ余よ裕ゆうを持もちましょう 」
マオ
「 オレはセロみたいにイレギュラーを楽たのしる様ような性せい格かくしてないよ! 」
セロフィート
「 そうです?
楽たのしめる様ようになりましょう 」
マオ
「 ………………なりたくない… 」
オレは黒くろブ色いろのラックシートを元もとに戻もどすと、牢ろうから出でてもらう為ためにセロの背せ中なかを押おした。
セロの背せ中なかをグイグイと押おして牢ろうから出だす。
牢ろうの鍵かぎを掛かけたオレは、セロの左ひだり手てを握にぎって足あし早ばやに留りゅう置ち所じょを出でた。