♥ 警察署 2 / 署長室 1 / 毒殺未遂犯に会おう! 2
──*──*──*── 署長室
オレは今、セロと一緒に署長室の中にあるソファーに座っている。
テーブルの上には高級そうなティーカップと高級そうなケーキ皿が出されていて、ケーキ皿の上には美味しそうなケーキが載っている。
遠慮なくケーキを食べたい所だけど、いかせん前回の事もあるし、素直に喜んでケーキを口へ運ぶなんて事は出来ない訳で……。
語弊があっても困るから説明するけど、前回の事ってのは冒険者ギルドの中にあるギルド長室でセロとオレに出された紅茶とお茶菓子に毒が仕込まれていた──って事だ。
今は、場所が違うし、お茶菓子もケーキだけど、似た様な状態が再現されている訳で──。
オレの右隣に座って紅茶を飲んでるセロは、無味無臭の毒が入っていても何故か見ただけで分かってしまう程の毒通だけど、オレはセロと違って匂いを嗅いでも毒の匂いなんて分からないし、見ただけで毒が混入してるなんて事も分かる筈ない。
口に入れて食べないと分からないんだ。
分かる──って言っても、 “ 変な味がする ” とか “ 酸っぱい味がする ” とか微妙な変化しか分からない。
使われてる毒の名前も種類も効果も全然分からないしな…。
毒は入ってなくて、傷んだ食材や腐りかけの食材を使って料理されてる──って事だってあるだろうし…。
何はともあれ毒に関して言えば、オレの舌は当てにはならないって事だ。
まぁ、毒の原液を飲んだってが死なないんだから、一々毒を警戒する必要なんて微塵もないんだけど、心の準備は必要だ。
マジマジとケーキを警戒してるオレを見兼ねたのか、セロが「 マオの心配性さん。毒は入ってません 」って教えてくれた。
警察署の中で1番偉い署長さんの前で「 毒は入ってません 」なんて笑顔で言っちゃうセロって凄いんだか凄くないんだか…。
せめて忖度するとかさ……。
いや、駄目か…。
「 人形に忖度は出来ません 」とか言われそうだもんな。
多分だけど、セロは忖度も出来るとオレは勝手に思うんだ。
“ 人形だから ” って言う便利な言い訳を利用して、忖度しないだけで…。
人間と人形の線引きに都合に合わせて利用してるんだと思ってる。
面白くなりそうなら、焚き付けたり、煽る様な言い方を態としたりする悪知恵が能くんだから、 “ 出来ない ” って事はないと思うんだよな!
マオ
「{ 聞こえる声で言ったら失礼だろ? }」
セロフィート
「 警戒してケーキをマジマジと見ているマオも失礼でしょう?
入ってようが入ってまいが食べれば良いのに。
変な所で慎重ですね。
ふふふ♪ 」
マオ
「{ 心の準備ってのがあるんだよ! }」
セロフィート
「 はて?
心の準備…です?
要ります? 」
マオ
「 要るの!! 」
セロは「 はいはい 」と言って微笑んでいる。
何で楽しそうなんだよ?
セロの「 毒は入ってません 」を信じて、オレはケーキを食べる事にした。
ケーキフォークで一口分を刺してから、口の中にケーキを入れてモグモグする。
甘さ控えめだけど美味しい♪♪
変な味はしないな…。
此は素直に美味しいケーキだ!
良かった〜〜〜(////)
美味しいケーキ1個で30分以上待たせた事をチャラにしようとしてるなら、違うと思うんだよ。
せめて1ホールは用意すべきだと思う!
断じてもっとケーキが食べたいとかじゃないからな!
セロに出されてるケーキも美味しそうだ。
何でオレのケーキは1個なのに対して、セロに出されてるケーキは種類の違うケーキが1個ずつで1ホール分あるんだよ!!
おかしいよな??
何でセロだけ特別扱いなんだ??
パーティーのリーダーだからか??
セロのケーキにフォークを持った手を伸したら、セロからペチリと手を叩かれてしまった。
セロフィート
「 マオ、御行儀が悪いです 」
マオ
「 …………だって… 」




