♥ 冒険者ギルド 1 / 依頼決め 1
──*──*──*── ギルド街
──*──*──*── 冒険者ギルド
セロとオレは受け付けカウンターで借りた依頼帳を見ている最中だ。
壁にも依頼用紙は貼られているけど、初心者の冒険者やパーティーLVの低い冒険者の為に貼られている依頼ばかりだから、パーティーLVの高い〈 S・G 〉が請け負う事は出来ない。
パーティーLVの高い冒険者が請け負う依頼は依頼帳から選ぶ事が決まっている。
セロが言っていた様に、遠出の依頼は殆んど無くなっていて、近場の依頼が多く残っている。
こんな時でも身の丈に合った依頼を選んでいる事には感心する。
行方知れずになって殺害されるのが嫌で、逃げる様に遠出の依頼を請け負ったのに、依頼先で死んでしまったら態々≪ 街 ≫を出た意味が無いもんな。
遠出で残ってる手付かずの依頼内容は、何れもかなりヤバめの臭いがプンプンする様な気がする……。
はっきり言って、オレは受けたくない。
だけど、セロなら受けちゃうんだろうな──って思う。
今回はオレに選ばせてくれるみたいだから、遠出の依頼はなるべく選ばない様にしたい。
…………とは言ってはみたものの── いや、言ってないけど ──何れも厄介な依頼に思えて来るから困る。
セロフィート
「 マオ、依頼選びは任せます。
ワタシはエベトモダスト遺跡を攻略した事をギルド長へ報告して来ます 」
マオ
「 ──えっ?!
依頼報告するならオレも一緒に行くよ! 」
セロフィート
「 マオは依頼を決めてください。
今回はワタシだけで行きます。
毒殺未遂の犯人の居場所も知りたいですし 」
マオ
「 居場所……。
仲間が居るってのは分かったけど、何処の誰で年齢,性別も分からないんだもんな。
だけどさ、ギルド長に聞いたって今の居場所を素直に教えてくれるのかな? 」
セロフィート
「 ふふふ。
心配しなくてもギルド長は素直に教えてくれます 」
マオ
「 そうなのか?? 」
セロフィート
「 大人同士の交渉をします。
マオは居ない方が良いです 」
マオ
「 …………其ってさ、オレが交渉の場に居たら拙いって事かよ? 」
セロフィート
「 其もあります。
ギルド長の醜くて汚ない部分を見たいです? 」
マオ
「 セロ……。
ギルド長に何をするつもりだよ? 」
セロフィート
「 ワタシは何もしません。
ワタシはギルド長へ誠心誠意、真心を込めて “ お願い ” するだけです 」
マオ
「 セロが言うと『 誠心誠意、真心を込めて “ お願い ” する 』ってのが、脅迫に思えて来るんだよ… 」
セロフィート
「 其は心外です。
兎に角、マオはギルド長室へは来ないでください。
良いですね? 」
マオ
「 …………分かったよ…。
オレは此処でどの依頼を請け負うか決めるのに集中するよ 」
セロフィート
「 お願いします 」
オレをソファーに1人残したまま、セロも1人で受け付けカウンターへ行ってしまった。
受付嬢のお姉さんに案内されて、セロはギルド長室のあるドアの向こう側へ行ってしまった。
ギルド長、大丈夫かな…。
セロを1人で行かせてしまったのは失敗だったんじゃないかって思えて止まない。
セロは「 面白い! 」と思った事なら、どんなに “ いけない ” 事でも平気でしてしまえる容赦ない性格の人形だ。
何があっても、オレがセロのストッパーにならなきゃいけないのに、セロから離れるなんて……。
ギルド長……御免……。
ギルド長の身を案じつつ、オレは依頼帳を丁寧にパラパラと捲っていく。
──あっ、此の依頼、良いかも!
人喰いクラブの討伐かぁ!
──何々……海岸沿いにある≪ 港町 ≫で猛威を振るい、町民を襲う巨大クラブを退治してほしいか…。
海岸沿いって──、諸に遠出になるじゃんか!!




