♥ 宿屋 3 / 宿泊室 3 / 温泉 3
マオ
「 セロとギルドマスターは仲が良いのか? 」
セロフィート
「 そんな訳ないです。
マオとワタシに出した紅茶とお茶菓子に毒を盛った犯人が分かったそうです 」
マオ
「 本当か?!
良かったな、見付かって!
──で、犯人は誰だったんだ?? 」
セロフィート
「 残念ですけど、犯人の名前は書かれてません 」
マオ
「 書かれてない?
何でだろ?? 」
セロフィート
「 冒険者ギルドの方で片を付けたいそうです。
マオとワタシは被害者ですし、犯人が分かった事ぐらいは知らせておこうと言う良心でしょう 」
マオ
「 良心なら犯人の名前ぐらいは教えてほしいもんだけどな〜〜 」
セロフィート
「 ふふふ。
丸裸で逆さ吊りにされない為の配慮でしょう 」
マオ
「 あ〜〜………。
セロが余計な事を言ったからか…。
セロを警戒してるんだな 」
セロフィート
「 警戒するだけ無駄ですけど 」
マオ
「 そだな…。
だけどさ、せめて誰が犯人で、どんな罰を受けて、毒殺の罪を償うかぐらいは知りたいよ… 」
セロフィート
「 大した罰は受けないでしょうね。
毒殺と言っても未遂ですし、国王を狙った訳でもないです。
被害者は唯の冒険者ですし、毒を盛った紅茶やお茶菓子を完食してもピンピンしてますし 」
マオ
「 ……其もそうだな…。
ははは… 」
温泉に浸かりながらする話じゃないよ…。
セロフィート
「 マオ、犯人を拐います? 」
マオ
「 へ?
拐うって?
誘拐するって事か? 」
セロフィート
「 少しだけ犯人を借りるだけです。
遊んだ後、ちゃんと返します 」
マオ
「 遊ぶ??
──って何するつもりだよ… 」
セロフィート
「 さぁ?
マオは犯人に何をしたいです? 」
マオ
「 相応の罰を受けてくれたら良いよ… 」
セロフィート
「 マオは犯人にも優しいですね 」
マオ
「 だってなぁ…?
セロもオレも生きてるし…。
勿論、オレのセロに毒入りを食させたのは許せないけど! 」
セロフィート
「 ワタシも同じです。
マオに毒入りを食させて良いのはワタシだけです 」
マオ
「 …………何気にオレに対する扱い酷いよな〜〜 」
セロフィート
「 そうです?
さっきは “ 優しい ” と言ってくれましたけど? 」
マオ
「 確かに言ったけど…。
──セロ、犯人を拐うのは止めよう。
騒ぎになっても困るしさ 」
セロフィート
「 そうです?
マオが其で良いなら止めときますけど 」
マオ
「 絶対だかならな! 」
セロフィート
「 はいはい 」
マオ
「 約束だからな? 」
セロフィート
「 はいはい。
拐うのは止めます 」
マオ
「 なら良いよ。
セロを信じる。
──セロ、そろそろ出るか? 」
セロフィート
「 そうですね。
マオが出るならワタシも出ます 」
セロとオレは温泉から上がる事にした。
オレは腰に巻く為のタオルを持ち込んでない事に気付いた。
脱衣室迄は距離がある。
どうしよう…。
1人で上がるならタオルなんて要らないけど、セロと一緒に上がるならタオルが欲しい。
丸出しで脱衣室迄歩くのは恥ずかしいよ(////)
セロフィート
「 マオ、どうしました?
上がりません? 」
マオ
「 上がるには上がるけど……、オレ…タオルを持って無いし(////)」
セロフィート
「 タオルです?
必要あります? 」
マオ
「 オレには必要な・の!
セロは先に上がってよ。
オレは後で上がるからさ 」
セロフィート
「 何を恥ずかしがる事があります?
マオとワタシしか居ませんよ 」
マオ
「 其でも恥ずかしいの! 」
セロフィート
「 おかしなマオです。
──食堂で待ってますね 」
マオ
「 うん…。
着替えたら直ぐ行くよ 」
一緒に上がるのを拒んだオレを見て困った様に笑ったセロは、先に湯船から出ると脱衣室へ向かって歩き出した。
湯気でセロの姿が見えなくなってから、ふと思った。
セロにタオルを出してもらえば良かったって事に!!
うっかりし過ぎだぁあ〜〜〜〜!!
ゆっくりと30を数えた後、湯船から出たオレは1人で脱衣室へ向かった。




