♥ エベトモダスト遺跡 5 / 遺跡デート 5
マオ
「 ──其だけかよ? 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 たった1人で頑張って、怪物を倒したオレに対して、其だけなのか?
労いの抱擁はしてくれないのかよ? 」
オレは胸の前で腕組みをした状態で、両頬を膨らませながらセロを睨んでみた。
セロは困った様な顔をして、オレを見詰めている。
セロフィート
「 マオ、拗ねないでください。
可愛いです(////)」
マオ
「 『 可愛い 』って言うなっ!
オレは “ 可愛い ” を卒業したいんだ!! 」
セロフィート
「 其は無理です。
どんなマオもワタシにとっては “ 可愛いマオ ” です♪
諦めてください 」
マオ
「 〜〜〜〜っ!! 」
2100年の埋まらない差が恨めしいっ!!
セロフィート
「 折角ですし、此処で昼食にしましょう。
飛び散った怪物の血で随分と汚れてますけど、此は此で風情がありますし 」
マオ
「 こんなの風情に入らないよ!
せめて血だけでも消してくれないかな…。
こんな環境の中じゃあ、食欲も出ないし折角の美味しい料理も喉を通らないよ… 」
セロフィート
「 ワタシが『 あ〜ん 』します♪ 」
マオ
「 セロの『 あ〜ん 』は嬉しいけど……。
やっぱ、こんな血塗れの所は嫌だ!! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの我が儘さん。
地面に芝生を生やしましょう。
天井や四方の壁は──、遺跡の中らしく壁画で埋めましょう。
所々に古代文字を壁に刻めば、其らしく見えるでしょうし 」
首を傾げながら少し考えていたセロは、古代魔法を発動させた。
怪物の血で汚れていた天井と四方の壁は、一瞬で壁画に変わってしまった。
其に見た事のない変な文字も壁に刻まれている。
セロフィート
「 どうです、マオ。
此なら血痕も気にならないでしょう? 」
マオ
「 う、うん……。
此は凄いと思うよ…!!
何て書いてあるのか全然さっぱり読めないけど、古代遺跡っぽい!!
一寸だけテンションが上がったよ 」
セロフィート
「 気に入ってくれました? 」
マオ
「 うん。
因みにさ、何処の国の文字を使ってるんだ? 」
セロフィート
「 トイチの祖国で使われる日本語です。
平仮名と片仮名を使ってます 」
マオ
「 何で日本語にしたんだよ? 」
セロフィート
「 日本語の存在を知る者が居ないからです。
簡単に解読されては面白くないですし 」
マオ
「 日本語を知らない≪ ジェジロエンダ大陸 ≫の陸民には、何百年経っても解読なんて無理なんじゃないのか?
意地悪だなぁ…。
因みにだけどさ、何が書かれてるんだ? 」
セロフィート
「 日本昔話です 」
マオ
「 はい??
昔話ぃ?? 」
セロフィート
「 ふふふ。
傘地蔵,鶴の恩返し,浦島太郎,桃太郎,一寸法師,金太郎,力太郎,かぐや姫,雪女,舌切り雀,因幡の白兎…等です 」
マオ
「 何れも知らない話ばっかりだな 」
セロフィート
「 浦島太郎は知ってるでしょう?
子供達から集団リンチされていた亀さんを助ける話です 」
マオ
「 ………… “ てつぱいぷ ” とか “ くぎつきばっと ” とか言う物騒な凶器を振り回してるヤバい子供達を “ にちょうけんじゅう ” ってのを使って亀さんを助ける話か? 」
セロフィート
「 違います。
唯の “ 浦島太郎 ” には鉄パイプも釘付きバットも二丁拳銃も出て来ません 」
マオ
「 えっ……??
だって、浦島太郎だろ? 」
セロフィート
「 “ 浦島太郎と人魚姫 ” は昔話と童話を参考にして考えたワタシの創作物語です 」
マオ
「 はあぁぁぁ?!
創作ぅ??
じゃあ、 “ 浦島太郎 ” に人魚姫は出て来ないのか? 」
セロフィート
「 人魚姫ではなく、竜宮城に住まう乙姫が登場します 」




