♥ 宿屋 4 / 宿泊室 4 / カモッポゥロ・タイムズ 4
マオ
「 だったら別に聞いてみても良いかな? 」
セロフィート
「 そうです?
では読みますね 」
そう言ったセロは嬉しそうに微笑むと、魔法陣を発動させた。
宙に浮いてる魔法陣の中へ手を入れたセロは、魔法陣から何かを取り出した。
マオ
「 セロ、其は何?? 」
やけに古びてる本で、時代を感じる。
セロフィート
「 “ 浦島太郎と人魚姫 ” の絵本です 」
分厚い〜〜〜〜〜!!
電話帳ぐらい分厚い〜〜〜〜!!
いやいや、抑だけど、電話帳って何だよっ!?
オレ、電話帳なんて知らないし、見た事もないよ!!
オレ、今、自分でも訳の分からない事、言ってるぅ〜〜〜!!
マオ
「 ……絵本にしては分厚くないかな? 」
セロフィート
「 挿し絵が多いですし。
色使いがとても綺麗な絵本だった様です。
今は見る影もないですけど 」
マオ
「 そうなのか??
セロなら新品に直せるんじゃないか? 」
セロフィート
「 時代の流れを犇々と感じられる古い絵本を読みたくなる時もあります 」
マオ
「 そ、そうなんだ……。
古いと逆に読み難かったりするもんんじゃないの? 」
セロフィート
「 書物の原本,初版本には全て魔法でコーティングしてます。
安心してください 」
マオ
「 ふ、ふぅん…。
そうなんだ… 」
セロが膝の上をポンポンしてる。
膝枕をしてくれるみたいだ。
セロに膝枕をされながら、セロの美声で絵本を読み聞かせられたら、オレ……完全に寝落ちしちゃうよ…。
睡魔との戦いかぁ…。
勝てないかも知れない…。
抑、勝てる気がしないよぉっ!!
セロフィート
「 マオ、どうしました?
ワタシの膝枕は嫌です? 」
セロが悲しそうな目をしてオレを見詰めて来るから断れないよ…。
セロの膝枕は嬉しいけど、読み聞かせとセットにしたら駄目なんだぞ、セロ!!
なんて事を心の中で思いつつ、オレはセロの膝の上に頭を載せた。
心地好いセロの膝枕は、どんな枕よりも最高だ!
ふへへ(////)
オレがセロの膝枕に甘んじていると、セロが絵本を読み始めた。
トイチの祖国の昔話の冒頭は、何故か大抵が「 むか〜し、むかし、あるところに ──」から始まるみたいだ。
セロフィート
「 浜辺を歩きながらゴミ拾いをしていた浦島太郎は、集団になっている子供達に気付きました。
柄の悪い子供達はチャラい格好をしていて、鉄パイプや釘付きバット等の凶器を振り回しながら、のろまな亀さんを苛めていました── 」
…………う〜〜〜ん…… “ てつぱいぷ ” とか “ くぎつきばっと ” って何だろう??
年齢は分からないけど、子供が凶器を振り回しながら、亀を苛めてる光景って……、何か怖いよ…。
セロフィート
「 浦島太郎は弱い者苛めをしている子供達に声を掛けて、亀さんを助け様としました。
けれども、子供達は亀さん苛めを止めようとしません。
亀さんは深傷を負っていて、命が危ない状態です。
何とかして亀さんを助けたい浦島太郎は、懐に忍ばせていた二丁拳銃で子供達を撃ちました── 」
はぃーーー??
“ にちょうけんじゅう ” って何っ?!
“ うちました ” ってどゆこと?!
セロフィート
「 撃たれた子供達は、浦島太郎が本気だと分かると、持っていた凶器を投げ捨てて浜辺から走って逃げて行きました。
浦島太郎に助けられ、傷の手当てをしてもらった亀さんは、浦島太郎へ御礼を言って、海の中へ帰って行きました── 」
マオ
「 亀さん、助かって良かったな… 」
セロフィート
「 そうですね。
続き聞きます? 」
マオ
「 …………今度でいいや…。
此のまま寝ても良いかな? 」
セロフィート
「 どうぞ。
御休みなさい、マオ 」
マオ
「 うん…。
お休み、セロ… 」
夢に見たくないと思ったオレは、セロには悪いけどさっさと寝る事にした。
此のまま聞いてたら夢見が悪くなりそうだからな!!




