まぁ…血だけじゃないけどな…。
ミノタウロスの汚ない涎とか凶器からビュッビュッビュッビュッと出た謎の液体とかも飛び散ってるけどな!!
ポーチバッグの中から回収袋を取り出したオレは、回収袋の口を開けて、彼此に転がっているボアとミノタウロスの死体を回収する。
死体と一緒にドロップアイテムも回収袋の中へ吸い込まれていく。
時間は掛かったけど、最初よりは短縮は出来たと思う。
次はもう少し早く終われる様に色んな魔法を使ってみよう。
弱点の属性があるかも知れないからな!
回収袋を折り畳んでポーチバッグの中に入れたら、セロの待つ巣穴の入り口へ向かって歩き出した。
後7ヵ所も巣穴を回るのか…。
1つの巣穴に対して1時間掛かかるとして……約やく7時じ間かんか…。
夕ゆう方がた迄までには終おわるんだよな??
頑がん張ばろう…。
──*──*──*── 入り口
オレのセロが笑え顔がおで手てを振ふってくれてる!
暢のん気きなもんだよな、全まったく!
今いまさっき迄まで確かく実じつに寛くつろいでたのを一いっ切さい隠かくそうともしない神しん経けいの図ず太ぶとさは人にんセロ形ぎょうフィートだからなのか?
いやいや、人にんセロ形ぎょうフィートなんだから神しん経けいなんて、ある訳わけがないよな!
神しん経けいのある人にんセロ形ぎょうフィートなんて、逆ぎゃくに怖こわいよな。
何い時つもの事ことだから慣なれてはいるけど、せめてテーブルと椅い子すは消けしてから出で迎むかえるぐらいはしてほしい。
セロフィート
「 マオ、意い外がいに早はやかったですね 」
マオ
「 早はやくて悪わるかったな!
さっさと次つぎの巣す穴あなに行いこう! 」
セロフィート
「 はいはい。
随ずい分ぶんと御ご機き嫌げん斜ななめですね。
何なにかありました? 」
マオ
「 何なんでだろうな〜〜〜? 」
オレは握にぎった拳こぶしをプルプルと震ふるわせながら、声こえも震ふるわせて言いってみた。
諸しょ悪あくの根こん源げんのセロは首くびを傾かしげて不ふ思し議ぎそうにオレを見みている。
いや、気き付づけよ!!
セロフィート
「 マオ、どうしました? 」
マオ
「 何なんでもない〜〜 」
オレはセロの右みぎ手てを掴つかむと歩あるき出だした。
テーブルと椅い子すは放ほっといても消きえてしまうから其そのまま置おいて行いく。
セロフィート
「 マオ、張はり切きってます? 」
マオ
「 何なんでそう見みえるかな?
オレは怒おこってるんだけど!! 」
セロフィート
「 怒おこる様ようような事ことでもありました? 」
マオ
「 あったけど、セロは気き付づかないんだな! 」
本ほん当とに気き付づいてないのか怪あやしいもんだ。
気き付づいてるのに態わざと気き付づいてない振ふりをしてるのかも知しれない。
セロだからな!
マオ
「 なぁ、セロ。
何なんで人にん間げんが管かん理りしてる私し有ゆう地ちの山やまにボアだけじゃなくてミノタウロス迄まで侵にん入にゅうしてるんだ? 」
セロフィート
「 トミュルの芳ほう醇じゅんな香かおりを辿たどって来きてます。
トミュルは元もと々もと、自し然ぜん界かいで採とれる天てん然ねんの茸きのこで、雑ざっ食しょく動どう物ぶつ達たちの貴き重ちょうな食しょく料りょうです。
猟りょう犬けんが掘ほり起おこしたトミュルを試ためしに食たべた人にん間げんが、トミュルに目めを付つけ、勝かっ手てに山やまを私し有ゆう地ち化かしてしまいました。
冬ふゆを迎むかえる前まえに蓄たくわえる貴き重ちょうな食しょくトミ料りょうュルを雑ざっ食しょく動どう物ぶつ達たちから根ね刮こそぎ奪うばい、先せん祖ぞ代だい々だい儲もうけているのが、依い頼らい主ぬしです 」
マオ
「 じゃあ…、依い頼らい主ぬしの先せん祖ぞは悪わるい人ひと…だったんだな…… 」
セロフィート
「 人にん間げんは今いまも昔むかしも変かわらず悪あく人にんです。
我わが物もの勝がっ手てに土と地ちを奪うばい合あい、自し然ぜんを破は壊かいし、尊とうとい命いのちを悪いた戯ずらに奪うばい、動どう物ぶつ達たちから住すみ処こみと食しょく料りょうを奪うばうのです。
善ぜん人にんな訳わけないでしょう 」
マオ
「 そだな…。
地ち球きゅうテッラ上じょうに存そん在ざいしてる生せい物ぶつの中なかで、唯ゆい一いつ地ち球きゅうテッラを汚よごして、蝕むしばんで破は壊かいする生せい物ぶつは人にん間げんなんだもんな…。
怪かい物ぶつモンスターは地ち球きゅうテッラに危き害がいを加くわえる人にん間げんを駆く除じょする為ために〈 時じ空くうの亀き裂れつ 〉から送おくり込こまれている存そん在ざい…だったよな?
まるで…『 人にん間げんである事こと自じ体たいが悪あくだ 』って言いわれてるみたいだ… 」