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CHAPTER 1-11

「またせたな!」

「い、イーサン君、大丈夫なの!? というかカリキュラムが残ってたんじゃあ……?」

「今日のノルマは終わらせてきた! 何も心配はいらんぜ。さーて座りっぱなしだったし身体動かしてえから、早速やろうぜ。どっちから来る? なんだったら同時に相手してもいいぜ」」


 そう言って土煙を払ってイーサンが姿を見せた。30メートルはありそうな壁から降りてきたことに千景は驚きを隠せず、アズライトとニコルは呆れた表情を浮かべる。まだ座学が残っているはずの彼であるが何とノルマを終わらせたと豪語し、硬い床面にクレーターを作り出したので色々と視線を集めているが気にせず訓練をしてるランナー達の輪に平然と加わった。

 ド派手な登場の仕方にはびっくりしたが空戦は得意中の得意だったイーサンの生身の戦い方というものに千景は興味があり、当人も戦う気満々である。しかし途中から入ってきての割り込みに加えて女子から人気のあるニコルを蔑ろにする感じから、強く反発を受けてしまった。


「何言ってんのよ、このアンポンタン! 毎回毎回うるさく飛び回ることしかしてないのに、割り込みなんかするズルくて汚いアンタがヴァルキュリーであるローゼンバーグ君に勝てるわけないでしょ!」

「そうだ、ちゃんとルール守れ! 校則守らないし命令違反ばっかし意地汚い上に厚かましいんだぞ!」

「なんだとーッ!! 確かにそうだけど、面と言われると超ムカツクぜッ!!」

「あ、認めるのね……。ほらほらやめなさい、私が相手するから」


 皆の抗議は正しいものだがボロクソに言われてイーサンは吠えるも、アズライトが呆れながらもその間に入って静止させる。このまま戦わせてもただのケンカにしかならなさそうなので、最初の要求通りに自身が戦えばイーサンは納得するし周りの皆も実力をよく知っている相手が代わりにとっちめてくれれば矛を収めるだろうとアズライトは考えたからだ。その通りにイーサンは誘いに乗って皆がそのまま下がったので、このままアリーナの一角で2人の模擬戦が始まろうとしている。

 それを見守る千景はどうにも喧嘩っ早いイーサンに苦笑しつつ、隣に並ぶニコルは心配げな表情を浮かべているのでその理由を尋ねると、アズライトの実力はヴァルキュリーということでかなり高い事を知られているが、イーサンに関しては空戦能力の高さは知られているが白兵戦に関しては誰も知らない未知数なものだった。

 一体どんな戦い方をするのかと見ていると彼はジョウントでアタッシュケースを手元に持ってきて、勢いよく開くと中にはそれぞれ銀色と黒色に塗られた2挺の拳銃が収まっているのが見える。ゲネシスでは一般的な武器である「ブラスター」は光線エネルギーを発する銃器で訓練用に非殺傷の低出力モードも兼ね備えているが、オルガナイトを扱え元からブラスター以上のエネルギーを出せるランナーに無用な長物でもあった。

 本来ならランナーにとって不要な武器を持つことと基本能力であるオルガナイトの生成ができない事を公言していることからランナーとしての能力が低いものだとギャラリーの皆は判断し、ニコルも空戦能力の高さと釣り合いないことから何かとんでもない隠し玉なのかもしれないという。振り返って見ればイーサンは存在そのものがぶっ飛んでいると千景は感じており、それにはニコルも笑いながら同意した。


「イーサン君がおかしいのは僕が初めて会った時からそうだったよ。ゲネシスの人がみんなそうなのかもと思ってたけど、アズライトさんやローゼンバーグくんなんかは全然普通だったもん」

「ハハハ、それは良かったです。さてそんなぶっ飛び君の実力を特等席で観戦しようじゃあありませんか」


「なんだい、ランナーなのにブラスターが使うのかおかしいか? オレから言わせてもらうとそういう刃物なんて野蛮な武器を振り回す方がどうかと思うぜ。ブラスターはその点世界で一番洗練された武器だしよ。ブラスター使いが下なんて思ってるとそのキレイな顔に大穴空いちまうぜ」

「なにも下になんか見てないわ。あんなイカれた機動するランナーが弱いわけないでしょ、最初から本気で行くわよ」

「上等! 無駄な前フリは不要、やってやるぜぇ!!」


 アズライトが剣を立てて頭に寄せるように構えながら刀身より緑色の刃を発生させ、イーサンも黒の拳銃を右手に銀の拳銃を左手に持ちながら右腕を突き出し左腕を曲げて顔に近づけた弓を引くような構えを見せる。2人とも真剣な眼差しでどこかワイワイとしていたギャラリーも押し黙ってしまい、ニコルも視線が鋭くなって千景は固唾を呑んで見つめた。

 先に動いたのはイーサンで斜め前方へ転がるように飛び込みながら銃を乱射して濃密な弾幕が降り注ぐが、アズライトは迫る光弾をたった一振りで全て弾き飛ばす。その一閃は周囲に強烈な暴風を巻き起こしたでなく刀身から光波まで打ち出して地面を抉りながらイーサンへと向かっていき、アズライトが持つ規格外な力に観戦する千景は言葉をなくした。

 剣が届く範囲に入らぬよう距離を取りながら円を描くように周囲を動いていくイーサンの移動先を予測して飛んでいった光波であったが、身を翻してまるで踊るような動作を見せたイーサンはなんなく回避してみせる。しかしほんの一瞬だけアズライトから目を離していた間に距離を詰められており、横一文字に振るわれた斬撃が燐光の軌跡を描いた。しかしそこにイーサンはおらずひねりを入れた宙返りで彼女の頭上を通り抜けつつブラスターを撃ち込んでいき、着地と同時に発砲しながらがら空きになった背中へ光弾を浴びせかかる。


「今のを回避した!?」

「全部弾くとか、一体何個の目ン玉があるんだ!」


 必殺を期した一撃を回避されてアズライトは驚きを隠せず、イーサンもこれまでに数十発もの光弾を撃ち込んでいるのに全部弾かれるどころか撃ち返されてしまい、背中を取ったにも関わらず視線を向けられずに返されたのを見て思わず毒づいた。周囲を円を描くように攻撃していたイーサンの動きがより相手の懐へ迫る直線的な動きへと変化しブラスターの光も激しくなり、1本だったアズライトの剣も峰の部分が外れてオルガナイトの刃が伸びた小刀となる。

 向かい合って1メートルも無いだろう間合いで2挺の拳銃と2本の剣は閃光を上げており、片方が距離を詰めればもう片方が華麗に避けてカウンターを繰り出して、それを受け流しつつ次なる攻撃へ繋いでいった。戦っいるとは到底思えないまるでワルツを踊るかのような滞りなく紡がれた動作に、ギャラリーもニコルも千景も見てる者全ての視線を釘付けにする。


「まったくキリがねえな! 本当に強いぜアズライト!」

「そっちこそ、ここまでついてこれる奴なんてそうそういないわイーサン!」

「でもここまでさ! 勝機は我にありってね!」

「―!?」


 傍から見れば優美あっても当人同士ではただの優位を取ろうと奪い合っているだけで、一歩も引かぬ読み合いと捌き合いイーサンもアズライトも互いの実力を認めていた。だからこそこのタイミングで切り札を出してくるのは相手の動揺を誘うには十分であり、アズライトに生まれた一瞬の隙を逃さず左手に収まっていった銀色の拳銃をくるりと回す。するとまるで生物が変態するかのように銃身の形状が変わって、もう一度その銃口が向けられた。

 なにか危険なのものを感じて退くように下がるも発砲されたのは1発の光弾ではなく前方60度に広がる細かな光の雨であり、一つ一つの破壊力は光弾よりも酷く劣るがその射程範囲の広さと数の多さから弾いて防ぐことは困難である。剣による防御も身のこなしによる回避も難しい範囲攻撃であるスプレッド弾と一撃の破壊力に秀でるエナジーボルトを織り交ぜた銃撃で攻め立てていった。


「一撃の火力に重きを置いた『フギン』、銃身交換システムで多くの状況に対応可能な『ムギン』、そしてオレが持つガンスリンガーとしての技量。この三位一体、破れるもんかよォ!」

「べらべら喋るのはあんまり品位を感じないわ、まるで三下悪役。とっておきがあるのはそっちだけじゃないのよ!」

「な、なんじゃそりゃあぁぁぁ!?」


 スプレッド弾の範囲攻撃には手も足も出ないだろうと攻勢を強めたイーサンの前に巨大なオルガナイトが目の前に現れ、いつの間に作ったのかと驚いてると次にそれを軽々と持ち上げるアズライトの姿が映る。刀身に入ったスリットより長く伸びた結晶と刃と峰からも同じように結晶が伸びており、刃渡り80センチほどな小さめの剣はアズライトの身の丈を超えてその身体を覆い隠すほどの大剣へと変貌していた。

 一瞬でこれほどのオルガナイトを生成するというアズライトの能力の高さを示し、いくら結晶といえどあの大きさと厚さを片手で持ち上げるのは肉体強化の賜物か自前の筋力か。前者であることを願いながら少女らしい細腕によって掲げられた淡い燐光を放つ緑の大剣が振り下ろされ、その分厚さに似合う破壊力で床を叩き壊すのと同時にこれまでの光波とは比べ物にならない光の怒濤が向かってきた。

 到達するまでほぼ一瞬しかないがイーサンの眼は回避のための道筋と反撃への位置取りを同時に見つけて、そこへ向かうべく脚に力を入れてそれなり程度に使える肉体強化で一気に動く。直線的で読まれやすい軌道だが一瞬で流れるような動作で優位な立ち位置を取り、第二波第三波も同じように回避して距離を詰めていった。懐に飛び込んでの接近戦にもう一度持ち込んでいくつもりであるが、アズライトの振るう剣の速度は全く変わらないので慣性など振り方も勝手が違うものを御せる力には素直に舌を巻いて、イーサンの右足は剣先の範囲内へと微塵の躊躇もなく踏み込む。

 片手剣と変わらぬ勢いで大剣は振るわれて振り下ろしや横薙ぎに突きが放たれ、その全てを最低の動作で回避して代わりにフギンの光弾とムニンの特殊装備として実弾であるビーンバッグ弾やネット弾に相手を痺れさせる電極弾などを撃ち込んでいくも、その尽くが弾かれ防がれて1発も少女をかすりはしなかった。それでもイーサンは前進を止めずに近づいていく。それはオルガナイトそのものがオルゴンを高密度に圧縮した結晶であるなら大剣が持つエネルギー量をとんでもない総量になるのだから、遠距離に飛ばせる光波は先程の怒濤など可愛いものだろう。その発射を防ぐには光波を発射しても自身を巻き添え兼ねない接近戦を向こうに強いていくしかない。


「この大剣を前にしても近づいてくるとはとんだ胆力ね、あなたは。ストライダーでガレリアに体当たりしただけあるわ!」

「お褒めに預かり恐悦至極! まだまだこれから!」

「あいにくだけどそうはいかないわよ、この一撃を受け止められるならね!」


 搦手は通用しないと判断したイーサンはムニンも通常攻撃仕様の銃身に戻して時間差での銃撃を叩き込んでいくが、アズライトも振りかざす斬撃に鋭さは変わらないが刀身の輝きを増しておりまさか光波が飛んでくるのかと眼に力を込めた。しかし放たれたのは光波ではなく強烈な閃光で同時に刀身を中心に衝撃波が放たれ、同心円状に広がる範囲攻撃にはよく見える眼で察知できても回避する猶予がなくイーサンは直撃を受けて吹き飛ぶ。同じ衝撃を受けているはずのアズライトは足を踏ん張って耐えており、イーサンに向けて追撃でトドメとなる一撃を叩き込むべく力強く駆け出した。

 吹き飛ばされてすぐに復帰するイーサンであるが右手からフギンが無く遥か後方に転がり落ちており、取りに行こうにも大剣を振り上げたアズライトが迫ってきている。ムニンを撃てるとしても一撃だけで彼女を止められるか分からず、例え肉を切らせても骨を断つつもりであの突進を止められないだろう。瞬時の高速思考で導き出したイーサンの答えは本人が一番使いたくないものだった。そして振り下ろされた緑の刃はイーサンの眼前の手前で止まり、必殺の一撃を受け止めたのは白いトンファーであった。


「トンファー!? そんなものまでオプションであったのッ!」

「まさかコイツまで使うことになるとはな……! ガンスリンガーが近接武器を使う羽目になるとはな……!」


 驚いた少女と苦虫を噛み潰したような顔を浮かべる少年のせめぎ合いが始まり、ムニンに被せるように装着されたトンファーの先端部は二股に分かれて青白いスパークを発している部分で大剣を挟んでいる。左手でグリップを掴み右手を添えて全力で抗えるが見た通りの少女ではないパワーで両手で握られた剣を更に強く押し込んでいき、イーサンは片膝を突いた状態で支えるのが精一杯の状態だ。

 オルガナイトと複数の金属を混ぜ込んだ特殊合金オリハルトで出来ているのでそう簡単に壊れることはないが、ぶつかり合いで生まれる応力によって生じた軋む音が悲鳴のように聞こえる。しかし先に音を上げたのはオルガナイトで構成された刃の方で、耐えられずに表面に小さな亀裂っが走るとそれをたちまち全体へ広がっていった。これを好機とイーサンはムニンのトリガーを押し込んで溜め込まれたエネルギーを放出させて崩壊を早めさせて刀身が崩壊していくが、アズライトは逆に剣を力強く放り投げてトンファーも一緒に持っていかれてしまう。

 砕けたオルガナイトと剣とトンファーが床に落ちると同時にアズライトの拳のラッシュがイーサンへ飛んでいき、その握り拳を手のひらで受け流して掌底突きを叩き込んでいこうとするも容易く弾かれる。剣対銃で始まり剣対トンファーにそして素手の戦いへと移行していくが、それでも2人は譲らぬ戦いを繰り広げていきギャラリーの者達はもう言葉を漏らすことも出来なかった。しかし素手の戦い方はアズライトの方が得意としているからかイーサンは押され気味であり、拳のラッシュを掻い潜って反撃の一撃を打ち込む。

 ムニッ。柔らかな擬音が直接鳴り響いたようにイーサンは感じた。その右手は制服の上に大きな双丘を作り出しているアズライトの豊満な胸の右側を押し付けており、あまりにも柔らかな感触に思わず指先が動いて確かめるように揉んでしまっている。微妙な空気が2人の間に、否アリーナ全体に広がっていたたまれなくなったイーサンは手を離してアズライトに謝罪した。だが―。


「あ、えっと、その、ごめんなさい。事故とはいきなり座ってしま――ウボワァッ!!!!???」

「……胸触ったのは事故のはしょうがないけど、触り方がちょっと痛かったわ。これはそのお返しよ」


 所在なく眼を泳がせながら謝るイーサンの左側頭部にアズライトの右拳が食い込んでいき、その身体は思いっきり吹っ飛んで転がっていく。胸を触らた彼女は別段不快とは思っていないようだが、模擬戦に決着をつけるには十分過ぎる以上の力を込めた一撃は抗議の意味もしっかり込められていた。やはり頑丈なのかふっ飛ばされても意識を刈り取られることなく立ち上がろうとするが、その背中に柔らかく温かながらそれなりに重さのある何かがのしかかっている。

 誰が乗っているとは顔が見えなくともイーサンには察しが付いており、彼の幼馴染であるクラリッサが足を組んで人間椅子に腰掛けていた。表情はいつも通りの鉄面皮という感じであるが付き合いの長い幼馴染は表情が見えない背中越しでも彼女が不機嫌なのがわかり、この人間椅子のような有様はクラリッサなりの抗議である。


「クラリッサ、流石に椅子にしちゃうのは駄目よ。私はあの一発で済ませたんだから、それでお終いでいいでしょう?」

「……アズライトがそう言うならしかたない」

「ふーいやホントにすまんかった。あの一撃はしっかり覚えておくよ。それにクラリッサ、お前さんは軽すぎるぜ? 少しは肉つけた方がいいぞ」

「それって皮肉?」


 不服そうにほんの少しだけ口を尖らせていたクラリッサであるが、当事者達の間では解決しているからイーサンの背中から立ち上がった。これまでの戦闘を見るにそのパワーなら小柄な少女を容易に放り飛ばせるのだがそうしないのは彼なりの配慮だろうと千景は考えており、それはいつも世話になっているから強く出れないとかではなく幼馴染としての親愛の情からなのだと、言葉とは裏腹にいい笑顔で談笑し合う姿から見て取れる。

 3人からちょっと離れたところに千景は立っていたがその6つの眼がこちらに向けられ、ランナーの力が如何様なものか知らせる模擬戦などは自分の為にあったものだと再認識した。感想としては正直なところあまりにも常識外で何を言っていいのかわからず、解説をしてくれていたニコルもどう答えれば分からずにいたのでこの2人は普通のランナーから見ても色々と可笑しいのだろう。件の彼はギャラリーの女性陣に引っ張られていったので既にここにはいなかった。


「うーんと、とりあえずランナーはすごい能力があるってのはわかったよ。僕には到底無理そうだけど」

「うん、それがいい。あなたはサイトロン特化タイプだと思うから、ああいう戦い方はイーサンもアズライトに任せた方がいい」

「オレも白兵戦なんて任せてストライダーに専念してえよ。ランナーの本懐はストライダー操って空を飛ぶこと、模擬戦やら組手って奴はそのための鍛錬でしかないんだし。それに動くと疲れるし刃物振り回すのは趣味じゃない、やっぱりブラスターこそが世界で一番洗練された武器だぜ!」

「ハァー、だからアリーナとかに顔出さないわけね。でも体捌きもブラスターの扱いも良く出来てる、特に早撃ちは見事だったわ。誰から習ったの?」


 思いのほか高い評価を送られて特にブラスターの腕前を褒められイーサンはまんざらでもない顔をして、照れ隠しか愛用の拳銃『フギン&ムニン』を腕の中でクルクルと回している。イーサンが扱う体捌きにアズライトは見覚えがあり、それを教えてくれた教官はいると彼は肯定した。アカデミーでの実技は専門的な技能を教える教官が多数の生徒へ教えるものと、4人から10人の生徒に教官が付いて模擬戦や手合わせを行って互いを切磋琢磨しあうグループ学習がある。

 ただイーサン達はアカデミーに入学して1年ほど経っていて修了した実技も多かったが各々の特殊性が強すぎて未だにグループを作れていないのだ。強制でもないのでチームを作る必要はないのだが、クラリッサとしてはイーサンのストッパーになるチームがいてくればと考えている。やんややんや言い合う3人を見つめていた千景は一言ぽろりと漏らす。


「そうなんだ。てっきり3人とも一緒のグループかと思ってたよ」

「!? そうか、オレたちがチームってわけか。いいねぇ!」

「そうね。イーサンへのストッパーとしてはアリ。そうよねアズライト?」

「えー、なんでそうなっちゃうのよ。でも悪い気はしないね。じゃあ組んじゃう?」


 3人が千景の言葉に同意して頷いた。ここにアカデミー史上最大の嵐を巻き起こすチームが生まれたのだが、4人はまだ知る由もない。

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