熱田へ
永禄2年6月 熱田
「良勝いるか、京からの帰還途中に寄った」
「権六、なんだ京からの土産話でもしに来たのか、お主も忙しいだろうに、遠慮なく上がれ」
「おゝい酒の用意だ、……………………………」
「…………」
「権六どうした、何を悩む、お前らしくないぞ!」
「お主と俺それに弥平次とは、竹馬の友こんなことを頼めるのはお前しかいない
弥平次の妻子を預かってくれぬか、それと織田本家のものには見られないよう気を配ってもらいたい
費用ならいくらでも用立てる、」
「権六それほど悔いておるのか死なせたこと…」
「それだけではないが、訳は連れてきたときに話すが、頼む」
「俺にとっても友のことだ、遠慮はいらん任せろ」
10日後 生駒家へ
空を描ける鷹が円を描いてる、獲物が近いのか急降下した
「大鷲かめずらな、近くに鷹匠でも住んでいるのか」
ガサガサ、草むらが揺れる、獣か身構える
「鹿を仕留めたか流石だ」上機嫌で出てくる一団
「と殿…」「ん、勝家、何故ここにいる墓参りとか言ってなかったか?」
「この先に参る途中で」
「この先は生駒家ではないか、どう言うことか?」
「ハッ!何故そこまでご存知なので?」
勝家めなんでこんなところにいるんだ、一目ボレした吉乃に会いに来たとは
言えぬし、そんなことを知られるわけにいかんどうするか
「我が領内の事は見て回り承知しておるわ」
「さ、左様で?ではそれがしはこれにて、」
これはこのままついてきそうな雰囲気だぞ、切り上げて引き上げねば
三七様を見られるのは不味い、先に知らせねばならん
小走りに立ち去る
「生駒殿〜〜ごめん〜ご在宅か」
吉乃殿、居らぬのか。?どうする
柴田様?
「お早いお付きで?如何なさいましたか」
「熱田の住まいの準備ができた、がそれより、今、殿とその先で会ってな、
ここの事も何故かご存知だった、くるかもしれん、三七殿は外に出ない方が良い」
後日改めて迎えに来よう準備だけはしておいてください
下働きの者も数人雇ってある、伝から伊勢の者達なので安心して良い
しかし殿は何故城より離れたここまで、いまの時期にきていたのか?