鳴海へ
ここが最前線か、善照寺砦に来てみた、
多くの砦で囲まれてるとは思うが、これだけ広くとっては個々の連携も防御も薄いよなって思う
道を塞いでいるようで、穴が見える
「勝家、この砦群どう思いますか?」
「は?流石よく作られ、守りも万全と思います、若はそう思われないのですか?」
やはり今の時代守りの城の概念がありませんね、何方の城に籠るは同胞
本気の殺し合いをすることがない子供の喧嘩の延長かも、
農民同士上に立つものの指示で動くだけという事か、武家は本気でも家臣はどうかな
外敵という認識ではないんだなって思う、他国の無法者はただ追い払いたいだけ
「明国では城を街ごと囲む城壁で四方を囲みます、戦いは族滅根絶に等しいのだそうです、
そして全てを奪った後に自分の一族が移り住み分け与えるのです、
日の本では支配者が変わるだけ民は、その地に生きる、それは戦乱の続く今も変わりません
ですからどの城にも抜け道があり互いに行き来していますね城主にわからないように
民の中の生きる知恵です、それは勝家も黙認してるでしょ」
「では若にはこの囲みに穴があり学にあの城にも穴があると思うのですか、各砦には50名が詰めておりますが、あの大高城には400名が詰めておます、隣の鳴海城には600人、今まで何度攻めても落とせず、今はこの砦で敵の連携断ち兵糧攻めの効果待ちと聞いておりましたが?駄目だというのですか」
「敵の城の国人構成いえ振り分けをご存知ですか?どの城も国人の山口家が主体ですね」
「それはそうでしょう山口めの裏切り、彼奴にこの城の守りをさせていたのですから」
「ですが今あの城に山口家の当主嫡男共にいない、今川家預かり、いえ人質という事になってますね、いま城の指揮は誰だっけ」
「大高には今城代に朝比奈が、鳴海城には岡部が入ってますが。?」
「つまり、八割が同じ尾張の国人、指揮するのは今川家の10人ぐらいでその下に山口家の家臣ですね、
今川家は城主を人質にこれまでの多くの国を従え、徐々に家臣化を進める事で広げてきています、遠江、三河も同じ、次は尾張です、一見円滑な施政をしてるように見せてますが、ただその統治方法を皆分かっていません、ちょっと話が逸れましたが、隠された事実を知りません」
「その話と城攻めに関係があると?」
「そうです、父に話してますがその弱点を突き一気に落とせますが、いまはまだその時ではありません、すでに下準備はしています、ですが織田家の皆を守る為、この砦で群の防備を強化しましょう、このままでは弱過ぎ、数千単位での攻めには紙に等しいです」
戻ったら準備してもらうものがあります、那古野に戻りましょう




