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軍師の試練②

攻めの為の守り、

「父上、今織田家の方針はなんでしょうか、目指す目的は何でしょう、そのことを知ってるものはどれだけ居ますか」

「今目指すは尾張の平定よ、今のまま武衛家を頭に据えたやり方では、何もかわらん

管領代になって貰い、京に行ってもらうその後尾張国主を譲らせ、美濃同様の楽市楽座を取り入れ国を豊かにする、国を守る為にも戦は全て外でのみ、勝つ為の武器を探しておるとこよ

だが今は、隙をついて戦を仕掛けられ、叩いても次から次へと湧いてくるわキリがない

先手を取る良い手がない、今は手詰まり軍勢を揃えても消耗しいつまでも変わらぬ」

「父上、よくわかりました、その問いに対する答えになるか、色々模索してきましたが、二つの案をまとめ

ご提案します、

まず一つ、こちらをお読みください、今川をお仕留どめ京を目指すとした時の方策です、おそらく日の本全てを敵として戦い抜く覚悟が必要でしょう」

読み終わるのを待ちましょう、二、三質問されたが史実から逸れない事でもあり予想を大きく逸脱せず概ね理解してくれたようですね

「中々によう考えておるな、これ程の犠牲を必要か?」

「尾張内は言わば自国内の内紛、当主を倒せば良い下の者は反発は有っても結果味方となります

美濃は古来より尾張に対し民衆から反目してる部分があります、気質違いです美濃は東海道、中山道そして近江に繋がりますその為人の往来が多いがその為人をなかなか信じません疑り深く輪中根性というのでしょうか既に争ってしまってますので、信頼の獲得には数十年単位での親交が必要でしょう

調略は現状不可能と思います」

もう一通を差し出す

「もう一つの道です、こちらには既に受け容れる素地があります、お爺様が作られてたものです、

国の者達と話してて知ったのですが、気質が合うのです尾張地方は、見栄っ張りで短気、三河地方は、おっとりとした雰囲気だが頑固なようですでも根はが気さくですね」

「ふむ、中々良いこれならば得るものは多い、美濃の利には劣るが今後のやりようでは劣らぬ結果を出せよう、面白いだがなぜ手紙に?この場では漏れる恐れなどない」

「声というものは意外と遠くまで届きます、糸を一本張るだけでこの塀の外まで届きます、

そのような仕掛けがここにあるとは思いませんが、漏らしたくない情報は細心の注意が必要と教わってきました、多くの人との繋がりで私も多くを学んできました、父上もその昔私以上に尾張の隅々まで行き見聞を広めてきたと熱田の宮司様にお聞きしました、幼き頃からのマブダチだと言っておりましたよ」

「ふん、余計なことを、アイツら我が子に喋りすぎだ」

「この案やはりこの尾張の為、今取れる最上に方策であろうこの中身をもっと詰め、今川を完膚無きまでまで叩き、返す刀で一気に此の尾張も戴くとするかな、はははは」

中々出来た息子よ、これほどの才なら天下も目指せようぞ、織田家のみでは足らぬその上に立つには織田家は小さい奇妙に継がせて良かった、上に立つには足枷になろう

儂の代で天下までは無理かと思ってきたが、無理をせぬともこやつがやり遂げよう、愉快ぞははは!


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