覚悟
信長の視点としました
その夜 奥に向う
頭を下げ迎え入れる帰蝶の姿を見る
「そなたは会っていたのか、三七とは、「いいえ、一度も会ってませぬ」そうか……」
そっと、20通ほどの手紙を見せる
「これは?」
「あの子からの手紙です、吉乃の元を離れてから、月に一度くらいですが、最近字を覚えたと
近況を送ってくる様になりました、文字だけでなく先日来たものなど、我が子ながら驚いております
奇妙などまだまだ甘えん坊のままなのに、しっかりとした考え、文も大人の物と変わりません
権六殿に聞いたのですが、街では神童とも言われてるそうで、ある商家でどこぞの国か通じぬ言葉で取引に来た者と話し身振り手振りで困ってたそうですが、通じをしたそうです、算術にも長けている様では互いに損をさせる事なく、今では算術を逆に教わりに来る商家の番頭が後を立たないとか、変わった方法を教えているそうです、聞くほどに会いたいと思っておりました、お許しいただけませんか、この手を手放した時からあの子は死んだ者と、覚悟を決めておりましたが、この手紙を読むほどに、手放した事後悔しておりますどんな反対があったとしても手放すべきではなかったと、でも外でのびのび暮らすあの子を引き戻すのは忍びず、今はこのままで良いと思っています、出来ませんでしょうか」
手紙を読みつつ時より頷く信長の姿
「このままとはいかぬ様だ、しかし長男として、本当のこと家臣どもに言うわけにいかぬ、よって三男として、迎い入れる事にした、方法だが千と申したな乳母は、あれを生みの親とする」
なぜです
「知らせを聞くほどに、我が子と思えぬほど聡明だ、この目で見て確かめるが、もし噂どおりであった後どうするか、迷ったが今嫡男を変えてどうなるか、わしの時の様に、家を割る事になるのは明白、
おそらく今年中に今川との決戦となるのは確実だ、この事実を、もし今川に知られれば戦う前にバラバラとなり織田は滅ぶ、ここを乗り切ったなら、我が夢ぞ、この尾張を奇妙に、そして、美濃を三七に継がせようぞ、
そして三洲を平らげる、我が生涯をかけ成し遂げようぞ!」
「殿のお考えのよく解りました、父の無念を晴らし我が息子が継ぐ嬉しく思います」
翌朝
「権六を呼べ」
権六のやつ、この事知っていたのか、ずっと守ってくれてたとは
だが最後まで任せるか奴にも責任がある、
柴田様参りました、「通せ」
「殿何事ですか急な呼び出しとは」
他のものは下がれ
「三七の事聞いた「殿」黙って聞け!どうするか悩んだが、我が子として迎い入れる、
が、長男は奇妙だし、次男は茶筅だ、皆に知らせてしまった以上代えられぬ
よって、本当は長男で帰蝶の子ではあるがそれを認める事ができん、今育ててくれてる 千を母とし
庶子としてしまうしかない、この秘密がある以上、守役は全てを知る権六お前にする良いな
何があろうと三七は三男だ、良いな」
「勝家、万一三七様に死を賜ることあれば、命かけ翻意願う所存でしたが、殿からこの様な話を伺う事になるとは思いもよりませんでした、この命かけ三七様をお守りいたします」
「10日後評定を開く、その時に三七のお披露目をする、その前に連れて来てくれ」
言葉の壁があるはずと、それが土地への執着に繋がったと言うあらすじで、話が進みます