奇妙と茶筅
茶筅は史実永禄元年生まれ、ですが信長の子とした時間違いでは?との思いでこの歳としました
永禄二年師走 吉乃が男子を生んだ史実通りである、茶筅丸と信長が名をつける
年が明け、今回の誕生と合わせ、盛大な祝いの年となった、これで織田の家も安泰だと
10日後 千秋様のお越しです
「明けましておめでとうございます」
「うむ、大義、皆さっがっておれ、」……
珍しいな、正月に挨拶とは、何かあったか?
「三郎、話がある、去年の話だ、街で見かけた子供のことだ、順盛が調べたんだが、背の大きいほうは滝川一益の息子とその家臣の子供達だ、小さい方だが、柴田勝家の甥っ子と伊勢九鬼家の息子だ
後一人、北伊勢の豪族俣木家の息子だと名乗っていたんだが、順盛に有り得ない事が起きたと言うので
俺も見にいった………」
「なんだ黙っててもわからんぞ、」
「信長、他の女に手を付けていないか?」
「何を言うそんなわけあるか」
「年は奇妙と同じだ、それだけじゃない、俺たちだからこそ分かるが、お前に瓜二つだ、、お前の子でないならあり得んぞ」
「何!そんなバカなことあるか、当時帰蝶以外に女なぞ側に置くわけない、それにほぼ毎日戦に出ていたぞ」
「千という女には、心当たりないか?」
「千?…………そう言えばむかし帰蝶の側使いにいたが、田舎で嫁いだと聞いた」
「帰蝶に聞いてみるか」
吉乃の部屋
信長と帰蝶二人で茶筅の様子を見、帰蝶があやしている
「吉乃体調はどうだったのか辛くないか?」
「はいもう大分楽になりました」
「帰蝶、昔お前のお付きに千というのが居たな、吉乃の元に行きどこかに嫁いだと聞いたがその後を存じておるか?」
帰蝶と吉乃が見つめ合う、震える手を互いに隠す
「ん、二人ともどうした。?千の子がわしに似てると聞いてな、気になったのだが…その顔は存じておるな」
帰蝶
「殿、私から話します、昔より忌み嫌われている事があります。お家に関わる事であり、避けられない事でした、ですが私は殺すことなどできませんやっと授かった子です、双子とはいえ、捨てるなぞできませぬ
吉乃と千に預け育てることにしました、今まで隠して来たこと申し訳ございません、
しかし連れてくること又、人に知られれば禍になると、静かに暮らしてくれればと案じています、
どうかこのまま市井の子と忘れて頂けませんでしょうか、殿お願いです」
二人して頭を下げつずける……
もう一人我が子が居たというのか、それも知らぬところで、
しかも俺に似た、あの暴れまわっていた奴が俺の息子
「奇妙の弟か?」
「いえ奇妙より先に生まれました、名を三七と授け」
「何、長男だと、それに我が名の三を付けたか……」
その場を静かに出て行く信長
「帰蝶様、良かったのでしょうか話してしまって、あの子が平穏に暮らしていけるなら隠すべきだったのでは」
「それはできないでしょう存在を知られてしまいました、であればもう隠す通す事より存在を確かなものとし、殿の子である事を皆に認めさせる事、それしかありません。生まれた時は救うことのみしか考えられませんでしたが、今日までどうしたら良かったのか悩んできました、ですが殿の我が子に対する愛情は他のおとこ達と違います、情愛がとても深いのです、隠さず話すべきであったといつか機会があればと、ずっと待っていました、今日話せて良かったと思っています、それに私も逢いたいのです三七に、噂で聞くたくましくなったというのがあの子を抱きしめたいのです」
「帰蝶様、そうですね私も逢いたい、この茶筅にも兄を見せたいともに遊ぶ姿を見たいと思います」
「大事な事を忘れるとこでした、奇妙にも話さなければ、兄がいる事、まだまだ甘えん坊なとこが消えないのですが、周りが大事にしすぎなのです、躾けをしっかりしないと
ちょうどいい機会かもしれませんね!」
奇妙を呼びなさい
トコトコと足音が近づく、
「母様、父上おの話は終わりですか。?茶筅はもう寝てるのですか?」
「奇妙、!!最近は我儘が過ぎる様ですね、小姓どもが皆一緒になってふざけ合うとは、今日は皆一緒に
お仕置きしましたが反省しましたか?」
「はい!母上申し訳ありませんでした、明日からは勉学に励みます」
分かれば良いのです
「今日は大事な話があります、弟が出来たのです、今までの様に甘えてばかりいられませんよ、兄としてしっかりしていただかなくてはなりません。奇妙、お前にはもう一人兄弟がいます、奇妙より先に生まれた兄です、近いうちに合わせます、今までは、城の外に預けていました仲良くするのですよ」
「えぇ!兄がいるのですか、どの様な方なので?名は、?」
「名は、三七ですよ、母も合っていないのです、来られる日を待ちましょう」