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星の魔法使いと2人の無属性  作者: 蒼井紺
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第2話

「またあの夢か…」


ゆっくり瞼を開ける。

少しぼやける視界も瞬きを繰り返すごとに徐々に鮮明になって行く。


「もう朝か」


昨日は随分遅くに寝たせいか頭がボーっとする。腕や手、脚、それに指さえもなんだが動かす気になれない。

ここのところ寝不足が続いているから睡眠が全然足りてないのだ。

それでもなんとか身体を捻って上半身だけをベッドから起こすが全然目が覚めない。


よし、二度寝だ。

折角起こした上半身を今度は一瞬でベッドへと潜り込ませる。

二度寝ほど最高なものはないと思うんだよねこの世に。


「今度は俺がスーパーヒーローにでもなった夢でも見ますか」


…と思っていたが、


ぐぅ〜〜。


どうやら俺以外にもこの部屋にはいらん虫がいるらしい。


「…朝飯にするか」


身体は虫が気になって二度寝どころではなかったみたいだ。


8畳ほどのこの部屋はキッチンもあれば浴室だってある。1人部屋にはなんとももってこいな間取りだ。テーブルや椅子などの家具も既に用意されておりどんだけだよって感じだ。

かなりいい部屋だが特別俺にだけ与えられたものではない。

『アライリヤ魔法学園』に通う生徒全員に用意された部屋だ。

所謂、寮というやつだ。


部屋の真ん中に位置された椅子に座り、ストックしてあるパンを頬張る。

ほとんど朝食には毎日同じパンを口にしているため正直言ってかなり飽きてる。

しかし大してお金を持たない学生には助かる値段だし日持ちもするからついつい買ってしまう。

最後の一欠片も口に含み水で流し込む。一瞬詰まりそうにもなったが、なんとか耐えた。


今日はいつもより早く目覚めたせいか、学園が始まるまで結構時間に余裕があった。


「のんびり準備するか」


棚からタオルを取り出し洗面所へと向かう。

洗面台には鏡が正面にあり、台にくっついているように青色の綺麗な石があった。

俺はその石に手を軽く添え自分の身体から何かを流し込むように力を込める。

するとその石から両手のひら程の大きさの水の塊が浮かび上がってきた。

俺はそれを両手で掬い、顔を洗う。


魔晶石。魔道具の一種だ。

様々な色のものが存在し、その色によって発生する魔法は変わってくる。

先ほど使った綺麗な石も魔晶石にあたり、青色は魔力を流すことで水を発生させることができる。他にも赤や黄色などもあり、キッチンの火種や部屋の光の確保のように家庭に使われるのが一般的だ。この部屋にももちろんそれぞれ備わっている。


「そういえば今日もあの夢を見たな」


顔を洗い終わり、タオルで顔を拭きながら夢のことを思い出す。


今朝の夢。

小さい少年はまさしく約10年前の自分の姿だった。


「まあ、もう俺には関係ないか」


どこか諦めたような口振りで言いながら、制服に着替える。天井に吊るされる黄色の魔晶石に触れ、明かりを消す。鞄を手に取り玄関へと向かう。

あと10日で去るこの部屋に一瞥してドアを閉めた。


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