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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

ハーフエルフ・アドベンチャー

キティルハルムの聖域

作者: SHIN
掲載日:2016/09/28

アトランティアとの国境付近・・・

ここには、人猫ワーキャットの少女像が立っている。

周囲が、荒れ地で、キティルハルムとアトランティアとの車道しかない殺風景な地・・・

しかし、キティルハルムから持ち込まれた草花で、きれいにかざられた丘の上・・・

少女像の横には、御影石の墓碑・・・

「宗教に殺された少女リケ・ミケランジェロ、ここに眠る。」と、書かれている。

「今は、あなたを殺した国は、誰も殺さないいい国になってるにゃ・・・複雑にゃ・・・」

墓参りに来ていたのは、アリシア・ミケランジェロ・・・

ミケランジェロ一族当主である。

「っつ!なんですかここは!」

「霊園」に入ろうとして、指先を軽く焼かれてしまったエルフ女性・・・

「アトランティア現教皇・リアエーヌ猊下・・・」

アリシアは、リアエーヌ教皇を見た。

「ここは、信仰厚きお方は立ち入り禁止にゃ。

ここは、宗教に殺された少女が眠る神聖な地・・・

我が一族が、管理を任されているにゃ・・・」

アリシアは、リアエーヌ教皇を再び見た。

「歴史書には、書かれていない事実も混ぜて話すにゃ。

宗教によって殺された、年端のいかない少女の話を・・・

知れば、あなたは、初代女王を頭ごなしで否定することは、できなくなるにゃ。」




それは、建国期のこと・・・





ミケランジェロの末娘・リケ・ミケランジェロ・・・

彼女は、ミケランジェロに大層可愛がられていた。

「ここは、やわらかくて固まるのがはやいいい粘土がよくとれるにゃ。」

ミケランジェロは、彫像の他、鋳造もやっていた。

「きっと、母ちゃんがやりたいって言ってた、オリハルコン像にいいにゃ。」

ほくほく顔で、土を物色するリケ。

そんな時だった。

そこに、アトランティアの神官兵がいた。

リケは、耳をぴんと立てる。

ヤバい・・・

直感で思った。

「娘・・・何をしている?」

『ひーふーみー・・・五人いるにゃ・・エルフだけどやばいにゃ・・・

ノワール陛下が言ってた「都のエルフ」じゃないにゃ・・・』

だっと、リケは駆け出した。

『皆に知らせるにゃ!陛下が言ってたにゃ!「人間」いい人ばっかじゃないって・・・』

リケは、すぐに印を結んだ。

『上手くできないけどやるにゃ!』

飛行の魔法が、成功した。

しかし、眼下を見ると、高速飛行するリケの後を、物凄い速度で追ってくる神官兵たちの姿が確認できた。

「こいつら・・・怖いにゃ!」

殺気を感じる。

「!!!」

魔法力が尽きて、地上に落ちてしまう・・・

「にゃあ・・・」

「こいつ・・・どうします?隊長・・・」

「「猫」の使い魔・・・?いや・・・それどうしのかけ合わせの「新人類」か・・・」

「でも、教皇エクシィル様は、「獣が人のマネをすることは、許されない。」っておっしゃってましたよね・・・」

「うむ。」

「それと・・・「生殖実験」をしてみてもよろしいかと・・・」

やりとりを聞いたリケは、青ざめた。

「にゃ・・・にゃあああッ!」

その場から、逃げるが捕まってしまう。



数刻後・・・

着衣を汚され、破られたリケは、それでも逃げようとする。

「おらッ!

獣が暴れんじゃねぇ!」

押さえられようとしたところを、リケは引っかく。

「ぎゃあああッ!」




「帰るにゃ・・・帰って・・・母ちゃんのシチューを食べるにゃ・・・」

必死で逃げる・・・



やがて、王都の門が見えてきた。

神官兵たちを振り切ったようだ。

「リケ!心配したにゃ!

って・・・」

尋常ではない、リケの傷だらけの身体に気付く。

「アトランティアの・・・」

「回復魔法をかけるにゃ!」

だが、効かない・・・

生命力がもうないのだ・・・

「母ちゃん・・・ごめんなさい・・・いい土みつけ・・・」

「リケえええええッ!」

ミケランジェロの叫びが、響いた。




アトランティアの「封印」後・・・

「かあちゃん、なにやってるにゃ・・・」

「一番可愛がっていた妹だからな・・・」

ミケランジェロの子供たちは、ジャンルは違えど、「芸術家・職人」として大成しつつあった。

「ミケならあそこですよ。」

葬儀を仕切っていた女王ノワールが、荷車を引っ張ってきたミケランジェロを見つけた。

そして、荷台にあったのは・・・

「母ちゃん・・・これ・・・」

「リケにプレゼントにゃ・・・

あいつ・・・

あちしのオリハルコン像・・・

楽しみにしてたにゃ・・・」



これ以降、歴代ミケランジェロ一族当主による「墓参り」は、代々続いている・・・




「だから、ノワール陛下は、大地の「気」の循環で、半永久的に動く「信仰心の強いもの」を拒む結界を張られたにゃ。」

アリシアは、哀しそうに空を見上げた。



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