キスダンク ~燐光学園編~
1学期が始まる春。
桃色の花びらが校門の上を舞う。
そこには、今年から入学するものや進級した学生達が通っていく。
「ふぇ~……。もう学校だよぉ……。」
「まだ言ってるの?さっさとシャキっとしなさいよ。」
校門で嘆く少女 高宮 桜。
身長が小さく、よく小学生や中学生に見られてしまう。
そして、いつも傍にいるのは 香取 美沙。
高宮とは違い、長身でルックスもまったく問題がない。
そんな高宮と香取は幼稚園からの幼馴染である。
「私達ももう2年生か~。早いね~。」
「期末試験前に私の部屋で徹夜して慌てて勉強しておいて何言ってるのよ。」
「う……うるさい!それほど部活を頑張ってたの!!」
会話を続けていると、玄関を通り抜け教室へと入る。
「おっはよー!」
元気よく高宮が教室に入ると、そこには誰も居なかった。
「あ……あれれ?」
「あっ!!」
すると、香取が何かを思い出したように手を叩く。
「今日は部活の部員勧誘する日じゃない!!」
「そ……そんな日あったっけ……?」
「この学校の理事長が今年からって決めてたのよ!早く行くよ!」
「あぁん!ちょっと待ってよ!」
2人は体育館に向けて走っていった。