呪鎖
私の首に巻き付く鎖。
呪鎖。
今までは、家系や前世、運命の呪いの鎖と思っていた。
だけど、今日その鎖の正体がわかった。
それは──私そのものがやったものだ。
誰かやなにかの呪いじゃなかった。
私が、私自身にかけた呪いだ。
私の上腕辺りからもう1本の腕が私の首に伸び、
指が変形して私の首に巻き付き。
その指はやがて鉄臭い色になり、
太い鎖にかわった。
私はずっと呪われていると信じていた。
けど、違った。
私が私自身に呪いをかけていたようだ。
私自身がかけた呪いと気づいた今なら、
その呪いは解けそうな気がするが────
私は、呪いを解けずにいる。
いや、解かずにいる。
呪いを解いてしまったら、今度こそ生きていけないから。
私の存在は、呪いあってこその存在。
魂。
だから私は、この呪いと共に生きていくことにした。
覚悟を決めた。
自分で自分の首に巻き付けた呪鎖と共に、
これからも────




