表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

指輪を外したら

作者: shiraha

禁断の恋って、その関係に酔ってるだけな人もいるんじゃないか。と本気な人に失礼な事考えて書きました。微妙な表現があるので、その辺はご想像におまかせします。

近親相姦とか不倫とか、同性愛。そんな言葉に一生無縁だと思ってた。



正確には、かすった程度の浅い傷なんだけどね。



「白河。」



「内原先生結婚おめでと!指輪みせて?」



「おっと。それより先に宿題提出しろ。」



軽く肩を掴まれた。けどすぐにその手を払った。先生の長い指、背伸びしないと届かない茶色いふんわりヘアー。もう、触んないって決めたから。






1週間前。

一人暮らしの先生の部屋のベッドで、ごろごろ裸で抱き合ってた。


「白河の髪ってサラサラして綺麗だな。」



「んー。それくらいがチャームポイントだからね!」



婚約指輪が丸テーブルに置いてる。セックスする時はさりげなく外してくれるんだ。



「せーんせ。」



「ぐわ!いきなり乗るなって!」



「女子高生に乗られると嬉しいでしょ?ほら、もうこんなにおっきいよ。」



私は繋ぎとめたかった。



「白河…何泣いてんだ?」



温かくて大きな手が私の頭を優しく撫でた。


「結婚するんでしょ?」



「…あぁ。聞いたのか。」



最初から、先生が結婚するまでの関係。よく彼女に見つからなかったと思う。



「ギリギリまで迷って迷って、決めた。白河は『教師の俺』しか見えてない。」



「…ちがっ!」



「と思い込んだ。これ以上お前に溺れる自分が怖い。だから」



『今日で終わりにしよう』



あなたの全てにキスをした。耳の裏にキスマークをつけて、薬指の付け根にわざと噛み付いた。私の愛撫をただ見つめていた先生。



「今日は、ゆっくり話そうか。」



「やだ!先生と繋がりたい!」



「俺の体が白河を忘れられなくなるだろ?」


それから、あっと言う間に1週間が過ぎた。先生の指の付け根のうっ血の痕は、もう消えそう。



「せーんせ!」



「ん?」



「大好きでした!」



廊下で大声で言った。先生は慌てて私の口をふさいだ。



「おい。どういうつもりだ?」



「何慌ててんの?私は先生として大好きって言ったんだよ。」



宿題を渡して、教室に戻った。



もう振り向かない。私の痕が消えたら、私の気持ちも消えるから。


「今日一緒に帰らねぇ?」



後ろの席のシュウヤが髪を引っ張って来た。ほーんとガキなんだから。弟みたいだけどね。振り向くと、黒いツンツンヘアー。に人懐っこい笑顔が待ってた。



「いいけど、あんまり寄り道しないでよ?」


「えー!なんでだよ。」



更に髪をグイグイ引っ張られる。



「もー分かったから、引っ張んないで。」



「んじゃ、手繋ごうな!」



「小学生じゃないんだから、ムリだって。」


その後、授業中ずっとちょっかい出された。なぜか私ばかり当てられたし。



どうにか放課後。



「大変だね。あんなのに好かれて。」



「慣れれば可愛いよ?」



「ま、男は狼って事忘れないでね?ばいばーい。」



ユキミが彼氏を見つけて走って行った。



「待った?」



「んーん。シュウヤ帰ろっか!」



「手!」



「はいはい。」



しかも、絡めて来た。めっちゃ嬉しそうだし。ま、いっか。



「こら、樋川見せつけるな。」



「先生も結婚したんだろ?いーじゃん。」



やだ。何で話しかけんの?早くどっか行ってよ。



「気をつけて帰れよ?」



ポンっと私の頭を叩いて通りすぎた先生。ギュッとシュウヤの手を握ってしまった。



「夏、何かされた?」


シュウヤに覗き込まれて、目が泳いでしまう。



「へ?何もないよ。」


「オレんち来ない?」


話かなりズレたよね。顔を上げ、シュウヤは隣に並んで歩いた。



…学校から近すぎ。



「オレ一人暮らしだから。」



「まさか…。」



部屋に入って、ブレザーを脱いで壁にかけるシュウヤ。



「玄関に立ち止まって、まさかオレんち臭い?」



「臭くはないよ。…私帰るね。」



「ぷ。…くくく。」

シュウヤが笑ってる。


「何が可笑しいの?」


「あーおかしい。オレも男だって気付いてたんだ?」



私は必死に学校の先生の元に走っていた。

外の窓から教室にいる先生が見えた。



「っ先生!」



先生の胸に飛び込んだ。



「夏が来るの待ってた。」



「これはギリギリ先生と生徒だよ!」



「ばーか。先生と生徒は抱き合わねぇよ。」


先生から離れられないのは、私の方みたい。


指輪を外したら



私と先生は、恋人同士になれる。



だけど、教室の教卓の上にある指輪に監視されてるみたいで、それが私の身体を熱くさせる。



私が好きなのは…



先生だから?既婚者だから?



確かなのは私の身体が疼いてるという事実だけ。

高校生と教師の恋を書いてみました。二人ともフッと現実に戻る瞬間があるんですよね。でも、また燃えちゃうんです。ちょっと息抜きしてみました。読んで下さってありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ