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判決を待たずに処刑される勇者

作者: 衣谷強

なろうよ! 私は帰ってきた!


長らく投稿せずにすみません。

リハビリがてらお気楽なものを書かせていただきました。


……気楽に書いて七千文字弱? 妙だな……。


内容は軽いのでお時間のある時にお楽しみくださいませ。

 とある王国の法廷。

 魔王の脅威から国を守り、英雄となったはずの勇者ナッサオが、その中心に立っていた。

 満員の傍聴席からは向けられる視線は、大半が怒りと落胆。

 刺すような空気の中、ナッサオはじっと下を向いていた。


「それでは裁判を始める」


 裁判長の厳かな言葉に、場の空気が一層張り詰める。

 甲高い木槌の音が、重々しい静寂を切り裂いた。


「勇者ナッサオ。貴殿は魔王を討伐した勇者一行のリーダーであり、国を救った英雄であることは疑いようもない。だが」


 裁判長の視線が貴賓席に向かう。

 そこには冷たく見下ろす国王と姫の姿があった。


「その偉業に対する褒美として示された、ラトパ姫の求婚を拒否した事、これもまた重罪」


 裁判長の言葉に、肩がびくっと震わせるナッサオ。

 すると傍聴席から、


「あの美しい姫と結婚しないなんて……」

「勇者殿は未婚で、恋人と明言されている相手はいないと聞くが……」

「確か魔王を討伐した一行も全て男性だった筈……。これでは男色家と噂されても仕方ないですわ……。まぁそれはそれでよろしいとは思いますけど……」

「腐ってやがる……。遅過ぎたんだ……」


 などと無遠慮な言葉がささやかれる。

 それもそのはず、ラトパ・オレク姫は当代どころか史上稀に見る美女とうたわれていたからだ。

 流れるような美しさの黄金色の髪。

 観た者の魂まで吸い込むような蒼い瞳。

 滑らかな白い肌に、整った小さい顔。

 完璧な均整を誇る肢体は、無神論者の凄腕彫刻家が神の御業みわざを確信するに至る程。

 にも関わらず高慢さは微塵もなく、身分の差に関係なく優しく穏やかに接する態度。

 愛を心から重んじ、誰の間に生まれる愛でも尊いと感じる性格。

 十八歳という女盛り、かつナッサオと同い年という奇跡。

 その上現国王唯一の嫡子のため、結婚すれば約束される次期国王の立場。

 普通なら歓迎こそすれ、断るなどあり得ないはずの婚姻。


「何故姫との婚姻を受け入れぬのだ? 何が不満なのだ?」

「ふ、不満だなんて、そんな……。王様にはよくしてもらいましたし、姫は、その、すごく美人ですけど……」


 これまで勇者と王家の関係は良好だった。

 血筋だけを理由に一人で旅に出したり、街で売っている装備すら与えない国とは違い、十分な支度金と熟練の仲間、国宝級の武器の貸与と手厚い支援が行われた。

 また一度魔物にさらわれた姫を勇者一行が救い出した事から、ラトパはナッサオに心からの信頼を寄せている。

 この状況での結婚の拒否。

 姫、いや国全体が、納得のいく理由を求めていたのだ。


「では何故」

「……あ、あの」

『!』


 ナッサオがおずおずと口を開いた瞬間、場の注目は一斉にナッサオに向いた。

 針どころか槍のむしろと言える空気の中、ナッサオは恐る恐る言葉を続ける。


「……僕、故郷に幼馴染がいるんです……」

『……』


 水を打ったような場の沈黙に促され、言葉を続けるナッサオ。


「勇者候補だったにいさ……、あにが魔王の呪いを受け、僕が魔王を討伐しに行く事になって、全てで劣る僕に何ができるかって不安に押し潰されそうで……」

『……』

「街のみんなもそうでした……。誰も僕が魔王を討伐できるなんて思ってませんでした。……でも」


 ナッサオは強く手を握りしめる。

 自分の想いの強さを確かめるように。


「でも! ミジーナだけは違ったんです! 僕を信じてくれました! 『一日も欠かさず訓練してたの、あたし知ってるよ! だから絶対勝てる!』って!」

『……!』

「その言葉があったからここまで戦えたんです! 旅立つ時にくれたお守りがあったから魔王に勝てたんです! だから、僕は……、ミジーナと……!」


 顔を真っ赤にして言葉に詰まるナッサオ。

 しばしの沈黙の後、木槌の鋭い音が法廷に響き渡った。


「それ程の想い、その幼馴染には伝えたのか?」

「……い、いえ……」

「それは何故だ?」

「だ、だって僕はあにの代わりの勇者ですし、仲間がいてくれたから魔王に勝てたわけですし、そもそも僕を男として見てくれているのかどうか……」

「その程度の想いか。国を向こうに回して姫との婚姻を断るほどの想いではあるまい」

「そ、そんな事はありません!」

「ならば言えるはずだ。言わないという事は」

「だって怖いんです!」


 ナッサオの叫びが、法廷を貫く。


「故郷に帰ったら態度が何だかよそよそしくて……! 旅をしている間に何かあったのかなとか、……か、彼氏とかできたのかなとか考えちゃって……」

『……』

「む、昔は『ナッサオのお兄さんってカッコいいよね?』って、い、言ったりしてたから、に、兄さんと、こ、恋人に、なってるの、かもって……!」

『……』

「そんな時に告白して今の関係が壊れたら……! 話す事さえ気まずくなったらどうしようって……! だったら今のまま、幼馴染のままで……!」

「それで想いを告げぬまま溜め込み、その関係が『他の誰かと結婚』という形で終わった時、貴殿は納得できるのか?」

「……っ! ……そ、それで、……ミジーナが、し、幸せなら……!」

「埒が明かぬな。証人をここに」

「証人……?」


 裁判長の言葉に入ってきた者達の顔を見て、ナッサオは驚愕した。

 そこには共に魔王と戦った仲間の姿があったからだ。


「じょ、ジョーガンさん!? カイローさん!? メーケンさん!?」

「おうナッサオ」

「次は儂の葬式かと思うとったが、意外と短い別れだったのー」

「勇者殿! 壮健そうで何よりですな!」

「み、みんなどうして……」

「証言を」

『はっ』


 ナッサオの驚愕に構わず、まず戦士ジョーガンが口を開いた。


「旅の中でのナッサオの雑談の七……、いえ八割は幼馴染の方の話でした」

「うえ!?」

「幼馴染の良いところ、可愛いところ、頼もしいところ、得意な事、苦手な事、一緒に行って楽しかった場所、暗記する程聞かされましたので、必要なら今」

「わー! わー! わー! 『鉄化魔法』!」

「あが……」


 身体を短時間鉄と化し、身を守る魔法でジョーガンの言葉を遮るナッサオ。

 そんな様子に動じた素振りもなく、魔法使いカイローが口を開く。


「『魔女』と呼ばれる凄腕の魔法使いを置いて、何故儂のような老いぼれを仲間にしたのかと聞いたら、『女の人と旅をしたら幼馴染に悪い』と言ってのー」

「ちょっ……! カイローさん! それは内緒って言ったじゃないですか!」

「ほっほっほ。そうじゃったかのー? 歳を取ると物忘れが激しくなってのー。おぉ、そういえばその時、逆に嫉妬は恋愛の進展に有効かど」

「わわわっ! 『鉄化魔法』!」

「んぐ……」


 抗議を笑って流したカイローが、言葉を続けようとするのを魔法で止めるナッサオ。

 まるでそうなるのが筋書き通りだったかのように、落ち着いた様子の僧侶メーケンが一歩前に出る。


「勇者殿は結婚に興味津々でありましてな! 聖職者である拙僧が何例も婚姻の儀を執り行ったと話すと、指輪の値段や挙式の費用などつぶさに尋ねられました!」

「め、メーケンさん!? それは、その、い、一般知識として……!」

「特に拙僧が先達から聞き及び、書き留めた『女性が思わず頷いた! 男性からの求婚の言葉百選』を、一字一句違わぬよう手帳に書き写しておられ」

「うわあああぁぁぁ! 『鉄化魔法』!」

「ひぎ……」


 羞恥と絶望の叫びと共に、魔法で拘束するナッサオ。

 物言わぬ鉄の像となった三人を見て、


「ごめんなさい……。裁判が終わったら解きますから……」


 謝りながら額の汗を拭うナッサオに、裁判長から鋭い言葉が突き付けられる。


「勇者ナッサオ。何故証人の口を塞いだ」

「えっ!? い、いや、だってあんなの……」

「魔法の効果が切れるまで証人は語ることはできなくなった。つまり自身の口から語ってもらわねばならなくなった」

「え、な、何をですか……!?」

「幼馴染の好きなところを、だ」

「何でですか!」


 真剣な言葉と法廷という場にそぐわない、まるで飲み会の場のような話の振りに、全力で疑問を告げるナッサオ。

 しかし裁判長の態度は揺るがない。


「できぬのか。ならばそのミジーナという女性は、語る価値もない程度の魅力しかないと言うことか」

「そんな事ないですっ!」


 ナッサオは顔を真っ赤にして叫んだ。


「まずミジーナは笑顔が可愛いんです!基本は照れたみたいな控えめな笑顔が多いんです勿論それも可愛いんですけど猫を見たり綺麗な花を見たり甘いもの食べたりした時はすごく自然な笑顔で!あと赤ちゃんを抱っこしたりした時にはすっごい満面の笑顔になってそれを見ると胸が熱くなって!それにしっかり者で僕が何かに迷った時には背中を叩いて『しっかりしな!』って言ってくれてでも怒られてるってよりは『できるって信じてる』って言ってくれてるみたいだから嬉しいんです!あと普段は『似合わないから』って履かないスカートを村祭りの時に『今日はお祭りだから仕方ないもんね!』って嬉しそうに村の伝統衣装のワンピーススカート着てる姿がめちゃくちゃ可愛いんです!似合ってましたし!毎日お祭りだったらいいのに!」

「……し、しかし気が強くて、周りから『女として見れない』などという話も聞」

「はあああぁぁぁ!?ミジーナの気の強さは意志を貫こうとする気高さなんですけど!?言ってる事は正論しかないんですけど!?それなのに後で『あんな言い方しない方が良かったかな……』って真剣に悩んでるんですよ!? 最高以外の評価がありますか!?そうそう村祭りの準備を怠けてる人にびしっと言わなきゃいけない時に僕が躊躇ってると代わりに言ってくれた上に『ナッサオのカッコつけ場面いただきー』っておどけて笑わせてくれて!陰口叩いてるのはそういうミジーナに叱られる覚えのある人ばっかりなんですよ!悔しかったら言われないようにしっかりしろって言いたいですよ!まぁ言われるのも嬉しいから難しいところではありますけど!」

「……う、うむ。しかし容姿の面では姫様に及」

「何を言っているんですか!確かにお姫様は綺麗です!完璧な美しさだと思います!でもミジーナの魅力はそこじゃないんです!くせっ毛の髪を一生懸命()かしてる姿とか!そばかすが消えるって聞いた木の実を一緒に探しに行ったりとか!それで全然効果がなかった時に『まぁこれもあたしの魅力よね』って僕に気を遣って笑った姿とか!最高でしょう!?それと村に旅芸人がやってきた時に胸の大きい踊り子さんに村の男の人がわいわい言ってた時に『やっぱり男の人って胸の大きい方が好きなのかな』って言ってた姿がもう可愛」

「わあああぁぁぁ!」

「!?」


 裁判長すら圧倒するナッサオの熱弁を切り裂いたのは、


「み、ミジーナ!? 何でここに!?」


 傍聴席から上がった幼馴染ミジーナの叫び声だった。


「バカ! あんた何言ってんの! もうバカバカバカ!」

「え、いや、だって、その、……ごめん」


 ミジーナの顔が見れて反射的に込み上げた嬉しさが、真っ赤になって睨みつけてくるその視線でかき消される。

 怒らせたと思ったナッサオは慌てて頭を下げた。


「ミジーナちゃん! まだ早いって!」

「あっ! き、キニアさんすみません……! で、でもあんなの……!」

「に、兄さん!?」


 ミジーナの後ろから現れた兄キニアの姿に、ナッサオの混乱は更に深まる。


(何でここにミジーナが!? それに魔王の呪いが解けてもまだ本調子じゃない兄さんまで一緒で……! まさか二人は……!)


 冷静さを失ったナッサオの思考が最悪の結論に至ろうとしたその時、


「静粛に」


 裁判長の冷静な声と木槌の音が鋭く響いた。

 静まり返る議場。

 それに小さく頷いた裁判長は、


「では新たな証人、勇者の兄キニアと幼馴染ミジーナを証人台に……、いや、その脇に」

「はい」

「……はい」


 キニアとミジーナを、鉄化魔法にかかった三人の横へと並んで立たせる。

 その光景に、ナッサオは再び恐怖を覚えた。


(も、もしかして、二人の結婚発表!? さっきの裁判長さんの言葉ってこういう意味……!?)


 地獄のような妄想に堕ちそうになるナッサオに、キニアが頭を掻きながら言葉をかける。


「……あー、すまないナッサオ」

(や、やっぱりミジーナと結婚するんだ! 兄さんは僕の気持ちを知っているはずなのに! ……でも仕方ないか……。ミジーナは魅力的だもんね……)

「待ってキニアさん。やっぱりあたしから……」

(嫌あああぁぁぁ! ミジーナの口から聞きたくないいいぃぃぃ! み、耳だけ鉄化魔法をかける方法は……! ってそんなのできたら苦労はないよ!)

「ごめんナッサオ!」

(さよならせかい)

「よそよそしかったのは、その、て、照れてたの!」

「は?」


 二人の結婚を祝福した後人知れずこの世を去る決意までしていたところに想定外の言葉をかけられ、間の抜けた声を出すナッサオ。

 その言葉に顔を赤くしたミジーナが、勢いよくまくし立てる。


「だ、だって仕方ないでしょ!? 旅から戻ったナッサオ、別人みたいに逞しくなってるんだもん! なのにあたしに向ける顔は昔のまんまで……!」

「え……?」

「そんなの、ドキドキしない方が無理でしょ!? ……でもそれがナッサオを思い詰めさせていたなんて……! 本当にごめん!」

「え、いや、別にそんな、え、え?」


 ミジーナの謝罪の意味を図りかね、意味もなく身体の前で手を振るナッサオ。

 その様子を見て、キニアは溜息と共に口を開いた。


「いや、俺はこの旅から帰ったお前は、真っ先にミジーナちゃんに告白すると思ってたんだよ」

「兄さん!?」

「ちょっとキニアさん……!」

「でも全然そんな様子なくって、ミジーナちゃんもやきもきしてたから、ラトパ姫に話をしたら何か大事おおごとになっちゃって……」

「えっ……」

「あー! もう!」


 頭を抱えるミジーナ。

 苦笑いするキニア。

 貴賓席で満面の笑みを浮かべ、握り拳に親指を立てるラトパ姫。

 裁判長をはじめ、笑いそうになる頬に力を込める周囲の人達。

 この瞬間に至って、ナッサオはようやく理解した。


(こ、これは『公開処刑』というやつでは!?)


 しかし時既に遅し。

 ミジーナへの想いは既に周知の事実。

 告白を妨げていたミジーナの態度も誤解と判明。

 そして周囲の空気。

 逃れる術は、ない。


(い、いや、逆に考えるんだ! 告白しちゃえばいいさって考えるんだ!)


 ナッサオは魔王討伐の旅の中で、追い詰められる場面が幾度となくあった。

 仲間に助けられて数度その困難を乗り越えたナッサオは、追い詰められた時には普段の後ろ向きな気持ちが役に立たない事を知り、勢いに任せる事を知った。

 その結果、


「ミジーナ!」

「はっはい!」

「僕がどんな事をしてでも幸せにするから僕と結婚して!」

『……!』


 勢いに任せての告白。

 静まり返る裁判所。

 空気も凍るような緊張感。

 そんな中でミジーナは、


「……嫌よ」


 絞り出すようにそう言った。

 瞬間正気に戻るナッサオ。


(ああああああやっぱり駄目だったそうだよね僕なんか結婚相手に相応しくないよねって言うか何でいきなり結婚申し込んでるの僕!?頭おかしいんじゃないの最初は恋人からっていやでもそれもきっと断られてたし僕なんか何やっても駄目なんだから当たり前の結末なんだし今更何を落ち込む必要があるのかって落ち込むよこんなのおおおおおお!)


 放心状態のナッサオの肩を、証人台の横から歩み寄ったミジーナが強く掴む。


「えっ、ミジーナ……?」

「私だけ幸せにしてもらって、あんたがしんどいなんて死んでも嫌!」

「え、え……?」

「あんたがあたしを幸せにするなら、その分あたしもあんたを幸せにする! それでいい!?」

「え、あ、はい……」

「よし!」


 勢いに頷くナッサオの肩を引き寄せたミジーナの唇が、ナッサオの唇と重なった。


「……!? ……!?」

『!!』


 混乱するナッサオ。

 息を呑む観衆。

 数瞬後、唇を離したミジーナは、真っ赤な顔のまま、ナッサオを見つめる。


「……あれだけ好きって言ってくれたけど、あたしは言葉じゃ伝えきれないから、ね……?」

「……はひ……」


 魔王の最終奥義がそよ風に感じられるような衝撃に、ナッサオはミジーナの顔を見ながら頷く事しかできなかった。


「ほ、本法廷はこれにて閉廷……!」


 蜂蜜を巣ごと飲み込んだような顔をした裁判長が、弱々しい木槌の音と共にそう言うと、


「うおおおぉぉぉ!」

「キター!」

「この瞬間のために生きてきた!」

「祝福しろ。結婚にはそれが必要だ」

「えんだあああぁぁぁ!」

「いやあああぁぁぁ!」

「銭まくさかい祝福せい! 仕事忘れて祝福せい!」

「結婚か……。何もかも皆懐かしい……」

「俺の人生全部やるから二人のその後を全部くれ!」

「天の光は全てさち

「もう祝福してもいいよね……?」

「二人を見ていると、なんだかぽかぽかした気持ちになる」

「諸君。私は結婚を、天国の様な結婚を望んでいる。君達は一体何を望んでいる? 更なる結婚を望むか? 情け容赦のない華の様な結婚を望むか? 絢爛豪華の限りを尽くし、三千世界の白鳩を過労死させる嵐の様な結婚を望むか?」

結婚マリッジ! 結婚マリッジ! 結婚マリッジ!」

「よろしい。ならば結婚マリッジだ」

「え、と……?」


 凄まじい声に包まれる裁判所。

 そんな観衆の突然の盛り上がりについていけず、目をしばたかせるナッサオ。

 しかしそんな戸惑いも、


「……これからよろしくね、ナッサオ……」

「う、うん!」


 自らの腕を抱きすくめるミジーナの前には、幸せ色一色に染められていくだけなのでした。

読了ありがとうございます。


こういうド直球甘々が、疲れた脳には必要なんですよ……。

ちなみに名前ですが、ナッサオとミジーナをひっくり返して合わせると……?

他のも大体そんな感じです。


今後もこんな感じの甘いのとかおバカなのをちょぼちょぼ投稿しようと思いますので、よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
あまい うま (この先は砂糖に埋もれて読めない)
疲れた心にはこの甘さが染みる… 全方向かわいくて尊い…こういうのが必要なときあるあるあるある
とっても甘くて面白かったです! 話の途中で、処刑は処刑でも「公開処刑」だ、これと思っていたら途中で同じことを言われてしまってにやりとしてしまいました(笑) ミジーナの好きなところを列挙したナッサオ、…
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