第6話 始めての戦闘
ようやくまともな戦闘回ですよ、長かったぁ
スライム狩りを始めてから3週間ほどたった。その間に、レベル上げは週に1から2回ほどにしようと母と父から言われた。
狩りに行くのは、父と俺だけで母は家に残って何かをしている。
今日は5回目のレベル上げでいつも通りに家を出ようとする。
「それじゃあ行ってきます」
「連れて行ってくるよ」
そうして家を出ようとしたところ母が呼び止める
「ハンスちょっと待って」
振り返ると母が杖とネックレスを持って寄ってくる。
「せっかくだからネックレスにしたの」
「それとようやく完成したから渡すわね」
そういいながら俺の首にネックレスをかけてくれる。
ネックレスについている宝石のようなものは、前倒したスライムの魔石だ。
家に帰った時にお土産として渡したものを母がネックレスにしてくれたようだ。
「この杖はねお父さんが書いてくれた魔法陣と同じ効果があるの」
「お母さんが書いたからちょっと性能は落ちるけどその分は杖の補助で強くなるのよ」
どう凄いでしょとでもいうように鼻高々の母の姿に満面の笑みを浮かべてしまう。
「お母さん、ありがとう」
抱きつきながら伝える。
「それじゃあ、改めて行ってきます」
「行ってくる」
「行ってらっしゃい」
いつものようにスライムを見つけ狩ろうとする。普段と違うのは杖があることだ。
使い方は同じだろうと杖に魔力を流し込む。
すると威力は多少落ちるが見慣れた先が尖った岩が形成され射出される。
杖の使い心地は良く紙に描かれた魔法陣を使うよりも指向性がつけやすかった。
「お父さん、ゴブリンを狩ってみたい」
「そうか」
突然のお願いに父は少し驚いた顔を浮かべたがすぐに了解しゴブリンを探し始めた。
俺も最近は、少しだけではあるがスライムの痕跡を自力で見つけられるようになってきた。ゴブリンはまだ無理だが。
「前と同じで3匹か」
「2匹は俺がやる」
「やれるか?」
「やる」
父が満足そうに笑いながら頭をなでる。
「何かあれば助けてやる」
「頑張れよ」
「うん」
父が手で飛び出すタイミングを合図する。
「「「グギャギャ!?」」」
同時に飛び出し父は即座に2匹のゴブリンの足を地面に沈める。土魔法を使ったのだろうと考えるがそんなことよりも目の前のゴブリンに集中する。
ゴブリンは突如現れた俺たちに驚いたようだがすぐさま戦闘態勢に入った。
ゴブリンは木でできたこん棒を持っており構えている。当たり所が悪ければ一撃で死んでしまうだろう。
そこまで思い至り恐怖で足が震えるが杖に魔力を込めていく。
ゴブリンが襲い掛かって来る前に魔術は発動しゴブリンの腹部に突き刺さる。その一撃でゴブリンは絶命した。
「お疲れ様」
父が声をかけてきてようやく父の方のゴブリンがどうなったか見ると何処にもゴブリンの死体が見当たらない。
「何処に行ったの?」
「ブスブスっと岩で刺して、ズブズブっと埋めた」
「土魔法の特権だな」
どうやら、父は戦闘の中で、埋葬まですましたようだ。
「ハンスは今後、ゴブリンを狩って金を稼ぐかもしれないから解体の仕方を教えるな」
そう言いながらナイフを手渡してくる。
この解体が一番精神的にも肉体的にも辛かった。
解体することでゴブリンの魔石を手に入れられるのだが労力と報酬が見合わないと駆け出しの冒険者しか魔石を集めないようだ。
そこから3年が立ちハンスは9歳へとなっていた。この年にフィッツ村で大きな事件が起きる。
ゴブリンあっけなさすぎるよ( ノД`)シクシク…
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