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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

悪役令嬢の弟は今日もBLルートを突き進む〜視聴者参加型の乙女ゲームに転生したが、破滅フラグは折れてもBLフラグは折らせてくれないようです〜


「ああ、これが初体験ってやつか」


 知らない天井に知らないベッド。


 これがいわゆるお持ち帰りというやつだろうか。


 社畜生活で疲れ切っていた俺は知らない間に初体験を終えたようだ。


「はぁー、意外に簡単に捨てられええええ!?」


 手を上げると自分の腕の短さにびっくりした。


 よく見たら俺は服を着ていた。


 どうやら初体験を終えることができなかったようだ。


――ガチャ!


「ダミアン様申し訳ありません!」


 突然扉が開くとメイド服を着た女性が頭を下げている。


 初めて間近でメイドを見たが、中々可愛らしい服だと思った。


 田舎にメイドって中々いないからな。


 それよりも俺のことを〝ダミアン〟と呼んでいたことの方が驚いた。


 全く聞いたことのないアニメみたいな名前で、確実に自分ではない誰かの体に俺が入っていることが確信に変わった。


「やっぱり俺って転生したのか?」


 社畜生活の癒しはアニメやゲーム、ラノベといった非現実的な世界に触れることだった。


 そもそも現実の世界の女性なんか怖くて触れられる気もしなかった。


 その結果、25歳になっても未経験だった。


 童貞特典で転生でもしたのだろうか。


「ダミアン、目を覚ましたのか。それならお前はもういらない役立たずだな」


 突然扉から入って来た男がメイドの女性を掴むと、首を締め出した。


「くっ……」


 明らかに何が起きているのかはわからないが、すぐに止めないといけないことはわかった。


「やめてください!」


 俺の言葉に反応して、男は手を緩めた。


「ほぉ、父親で現ダークウッド公爵の私に歯向かうってことか?」


 明らかにさっきまでとは違う雰囲気に俺の体は震えてしまう。


 それでも今止めないと、目の前の女性が死んでしまうと思った。


 俺は睨んだこともない目で必死に睨んだ。


「くっ……ダークウッド家の次男としてはまだまだだがその根性だけは認めてやろう」


 そう言って男はどこかへ去っていった。


 どうやらこの体の持ち主はあの男の息子のようだ。


 ダークグレーの髪に真っ黒な瞳が特徴的だった父親を一目見た俺でもわかるほど悪役っぽかった。


 むしろ悪役過ぎてカッコ良いと思うほどだ。


 そんな悪役の息子でもある俺はさぞかしイケメンなんだろう。


 近くにあった鏡を手に取り自分の姿を写した。


「なんだこのゆるふわキュルルンな男は!?」


 鏡に映る俺の姿は父親とは似つかない、黒髪天然パーマでもこもこした髪。


 それに真っ黒なキュルルンとした目が特徴的な可愛らしい少年だった。


 どこかトイプードルと言われても納得できる容姿だ。


 ああ、これは転生しても一生未体験のままで終わると直感的にそう告げていた。


「ダミアン様ありがとうございます」


 落ち込む俺をメイドは慰めてくれた。


 ああ、もうこの際ならこの人でも良いのかと思ったがそうもいかなかった。


「ああ、俺の体まだ幼かったわ」


 ズボンをずらして股を見ると、小さなカシューナッツのようなイチモツが付いていた。


 どうやら俺はゆるかわキュルルンな幼児に転生してしまったようだ。



「ダミアン様は悪名高いダークウッド公爵家の次男です」


 俺はメイドのクララに自分のことを聞くことにした。


 どうやらクララは俺のメイドとして働いていたが、俺が転んで頭を打ったことで殺されることになっていたらしい。


 なんとも恐ろしい話にただただ苦笑いするしかできなかった。


 だって転んだ理由が自分の足に躓いただけなんだぞ。


 クララは何も悪くない。


 むしろ悪いのはこのいかにも悪役ですと言っているような〝ダークウッド公爵家〟だ。


 クララに屋敷を案内された時に見た肖像画も、俺以外みんな悪役な顔をしていた。


 父親はもちろん悪役顔、母親めちゃくちゃ美女だったが魔女みたいだった。


 兄はイケメンだが切れ長な目が印象的だったし、姉は〝THE悪役令嬢です〟って見た目を幼いのにしていた。


 なんとなく気づいたが、きっとこのままでは知らない間に破滅の道に進むんではないかと思ってしまう。


 まず父親は誰が見てもわかるほど、めちゃくちゃ人殺しをしてそうだ。


 魔女っぽい母親も同様に人を実験に使ってそうだし、兄も女性を容赦なく叩いてそうだ。


 姉は悪役令嬢として婚約破棄されそうだしな。


 それに姉の婚約者はこの国の王子だと聞いている。


 よくある攻略対象に婚約破棄される悪役令嬢とは姉のことだろう。


 最悪公爵家自体も責任を取らされるパターンなんてゲームにはよくある話だ。


 すでに破滅の道は確定している気がする。


 それに俺のカシューナッツはぴくりとも反応しないが、破滅フラグはビンビンに立っている。


「みんなはどこにいるの?」


「今屋敷にいるのはイザベラ様だけです。ちょうど殿下とお茶会をしている頃でしょう」


 ちょうど姉は婚約者の王子とお茶会をしているらしい。


 ここで険悪な雰囲気を漂わせていたら、確実に悪役令嬢の弟に転生したことが確定となるだろう。


 乙女ゲームの世界に転生したのか確認するためにも、俺はお茶会を覗きに行くことにした。


「クララ、あの人がこの国の王子?」


「そうです。あれがこの国の第一王子のウィリアム様です」


 いかにも王子ですと顔面で主張している人が庭にいたがやはりそうだった。


 周囲をキョロキョロと見渡したら、奥にお茶会をした痕跡が残っていた。


 ただ、姉の姿はない。


 きっとお茶会が終わったばかりだからだろうか。


 それか喧嘩でもしたのかもしれない。


 よくある悪役令嬢が婚約破棄される理由って、幼い時からあるっていうぐらいだ。


「あっ、痛っ!?」


 庭で隠れて見ていたら、どうやら薔薇の棘が刺さったようだ。


「クララ、棘を――」


「君がダミアンか?」


「へっ!?」


 声がする方に目を向けると、太陽がそこには立っていた。


 正確にいえばウィリアムの明るい金髪が、光を反射させて俺の目を直撃している。


 微かに見える青色の瞳は、綺麗な海のような瞳だ。


 ただ、眩しいから早く退いて欲しい。


「クララは?」


「クララって誰?」


 どうやらクララは俺を置いて、どこかへいってしまったようだ。


 王子に薔薇を退かしてもらうか迷っていると、王子は俺の顔を見て笑っていた。


 さらに白い歯が光って眩しすぎる。


「やはり聞いた話通り可愛い人のようだ」


 俺は何を言われているのだろう。


 首を傾げると、さらに薔薇の棘に引っかかってしまった。


 ここは頼むしかないのだろう。


 俺は口を開けた。


「あのー……」


 そこで急に声が出なくなった。


 必死に息を吐こうとしても声が全く出ない。


 急な出来事に驚きを隠せないが、それよりも驚くことが頭上に表示されていた。


▶︎優しくお願いします♡

 できれば痛くない方法で……

 ぐちょぐちょにしてください


 ああ、俺は頭上にある選択肢ですぐに気づいてしまった。


 この世界が視聴者参加型の乙女ゲームの世界だっていうことを――。


――視聴者参加型のゲーム


 それはAIが発展したことで開発された、画期的な新しいゲームと言われている。


 毎日同じ時間にゲームが始まり、視聴者が選択肢の中から選んだ通り行動し、選択肢によってAIのストーリーが新しく作られていく。


 普通のRPGゲームに落とし入れるのが難しかったが、この機能が輝いたのは乙女ゲームだった。


 元々決められた選択肢ばかりの乙女ゲームが、毎回選択肢が変わるのだ。


 それを知った女性達は乙女ゲームに食いついて、社会現象になるほどだった。


――夜の21時は乙女ゲームの時間


 そんなことが当たり前になるほど人気だった。


 ただ、自分の好みとは違うルートに進むこともたくさんあり、離れる人が多いのも特徴だ。


「それでもこの選択肢はおかしすぎるだろ!」


 優しくお願いします♡

 できれば痛くない方法で……

▶︎ぐちょぐちょにしてください


 まだ頭上で選択肢に困っているのか、ピコピコと矢印が動いている。


 流石に一番下の選択肢はやめてほしい。


 選択肢を選ぶのは視聴者の投票で決まるため、投票数が多ければ俺はぐちょぐちょにされてしまう。


 俺は必死に願うしかなかった。


 どうやら視聴者の答えが決まったようだ。


 さっきとは違って声が勝手に出てきた。


「あのー、できれば痛くない方法で……」


 選ばれたのは二番目の選択肢だった。


 どうやら視聴者はちゃんとした人達のようだ。


「へぇー、ダークウッド公爵家なのに痛いのが苦手なんだね」


 ひょっとしたら、俺よりも目の前にいるウィリアム王子の方がダークウッド公爵家の息子に相応しそうな笑みを浮かべていた。


 やはりこの選択肢も間違いだったのだろうか。


「ごめんなさい」


「いやいや、気にしなくてもいいよ」


 ウィリアムは薔薇を避けると、軽々しく俺を持ち上げた。


 その勢いに俺はびっくりして動いてしまった。


 あまり年の変わらない少年が動いたら、抱えていた方がどうなるかはすぐにわかる。


 俺は王子を押し倒して薔薇の外へ飛び出した。


「痛たた」


「ごめんなさい!」


 四つ這いで覆うように倒れた俺は必死に体を起こす。


 ああ、姉が婚約破棄されて公爵家が責任を取らされる前に、俺が問題になりそうだ。


 そのことが頭にぐるぐると駆け巡り、知らないうちに涙が溢れ出てきそうになっていた。


 どうやら俺の心は幼いダミアンに引っ張られているようだ。


「殿下……ごめんなしゃい……」


 ついに俺は泣いてしまった。


 そんな俺を見てウィリアムはにやりと笑っていた。


「君は本当に可愛い子だね」


 ウィリアムはそのまま入れ替わるように、俺を押し倒していた。


――チュ!


 そのまま額に優しくキスを落とした。


「えっ?」


 これはどういう状況だろうか。


 考えても何も思い浮かばない。


「これで泣き止んだでしょ?」


「あっ、ありがとうございます」


 どうやら泣いた俺を泣き止ませようとしたのだろう。


 ついホッとしてあんなことで泣いたのが恥ずかしくなってきた。


 きっと今頃頬も赤くなっているだろう。


「可愛いな……」


「ウィリアム殿下!」


 ウィリアムは何かを言っていたが、幼い女性の声でかき消されていた。


 ひょっとして今の声は悪役令嬢感がダダ漏れの姉だろうか。


「お姉ちゃんここにいるよー」


 とりあえず呼んでみることにした。


 するとウィリアムは頭を掻きながら、めんどくさそうに俺を起き上がらせてくれた。


 まだまだ若いのにウィリアムは力も強いようだ。


 姉と同い年と聞いているため、年齢は一つしか変わらない。


 それなのに身長は拳二つ分の差がある。


「怪我もないようだから一緒に戻ろうか」


「うん」


 俺は一緒に姉の元へ行くことになった。


 うん……。


 これはどういう状況だろうか。


 一緒に姉のところへ向かったのは理解できる。


 だが、その間ずっと手を繋いでるのだ。


 しかも普通の握り方じゃなくて恋人握りだ。


 たまに指を動かしてくるため、痒くてついつい笑ってしまう。


「あっ、殿……キャア!」


 俺達を見つけたのか姉と目が合うと、すぐに目線は手元に来ていた。


 あっ、手を繋いだままだった。


 目は大きく見開き、この世のものとは言えない怖い顔をしている。


 姉が近づいてくると、勢いよく俺とウィリアムの手を解いた。


 そして俺をキリッとした目で睨んできた。


 それもそのはず婚約者が弟と手を繋いでいて、嬉しいと思う人はいない。


 しかも、恋人繋ぎだ。


 俺の初体験(恋人繋ぎ)は隣にいる殿下に奪われた。


 さすがに姉弟で破滅フラグを加速させるわけにはいかない。


「姉様ごめんなさい」


「くっ……!?」


 やっぱりイライラしているのか声も出ていない。


 このままではいけないと思い、俺は走ってその場から立ち去ることにした。


 途中でまた足を引っ掛けて転んでしまったが、それでも逃げるように走った。


 もうどんなけ鈍臭い体をしているんだよおおおお!


 俺は逃げるように部屋に戻ると、すでにクララは部屋の中にいた。


「ダミアン様どこに行ってたんですか!?」


 いや、俺を置いてどこかに行ったのはクララの方だ。


「クララがいなくなるから……」


「くっ……」


 正直、帰ってくる時におもいっきり転んだのが痛くて泣きそうだ。


 必死に堪えながら伝えると、クララも自分のせいにされたことで怒っているのか何も言わない。


 ずっと目頭を押さえて天井を見ている。


 目頭を押さえて堪えたいのは俺の方だ。


 小さい体だと、少しの傷でもめちゃくちゃ痛いんだぞ!


「ごめんなしゃい……」


 謝るとクララの目は大きく見開いた。


「あっ、ダミアン様が悪いわけではないですよ。足も怪我をされているようなので手当をしますね」


 その言葉を聞いて冷や汗が垂れて来た。


 俺が頭を打っただけでクララは殺されそうになった。


 怪我をしたのがバレたらきっと殺されてしまうだろう。


 この家は悪役……いや、ヤクザの集まりだ!


「大丈夫、痛くないもん!」


 必死に強がることにした。


 ただ、痛いのは変わらない。


 俺の白い肌がさらに大きな擦り傷を目立たせていた。


「もう寝るから心配しないでね」


 とりあえず布団の中に篭る。


 そうしたらバレないだろう。


 ただ、俺の体は疲れていた影響か知らないうちに眠っていた。





 ボロボロの姿でダミアン様は帰ってきた。


 痛みに耐えている姿は私の心を揺さぶった。


「ダミアンは大丈夫かしら?」


 私が布団の中で眠ってしまったダミアン様の足をそっと治療していると、姉であるイザベラ様が心配そうに部屋に入って来た。


 私は口元に手を当てて静かにするように伝える。


「今は眠っています。転んだのに泣かないで我慢していたんですよ」


「ああ、私のせいよ……」


 私はイザベラ様に椅子に座らせて話を聞くことにした。


「何かあったんですか?」


「あの性格がひん曲がった王子と手を繋いでいたのよ! 可愛いダミアンの性格が曲がったらどうするのよ」


 どうやら私がいなくなった後に何かあったのだろう。


 ちゃんと声をかけたのに、ダミアン様には聞こえなかったようだ。


 その結果、王子と会わせることになってしまった。


 それにこの国の王子はすでにダークウッド公爵家を敵に回したようだ。


 ダミアン様はダークウッド公爵家の天使と言われている。


 そのダミアン様と手を繋いだ。


 それだけで地位に関係なく死刑確定だ。


 それぐらいダミアン様は見た目が(あい)らしくて可愛らしい。


 ダークウッド公爵家って、とにかく見た目が悪役っぽい。


 とことん怖い見た目をした人しか集まらない変わった公爵家としても有名。


 そんな私の顔も怖すぎて友達ができたことないくらいだ。


 そんな中に突如現れた天使に、一瞬でみんなはメロメロになった。


 公爵家で働く私も目つきが悪いメイドなのに、ダミアン様ニコニコして天使の微笑みを向けてくれる。


「私が急いで手を解いてあげたのに、ダミアンは勘違いして走って逃げていくし……心配になっちゃうじゃない」


 イザベラ様も泣きそうになっていた。


 自分の婚約者の腕を無理矢理解いて大丈夫なのかと心配になる。


 ただ、今はそれよりもダミアンが走り去ったことの方が気になっているようだ。


 そんな彼女も弟を溺愛している。


 むしろ溺愛を通り越して病的な感じだ。


「綺麗な顔を涙で汚したらダメですよ。王子なら私が始末しておくので大丈夫です」


 私の言葉に安心したのか、イザベラ様は睨みつけるように笑っていた。


 ダークウッド公爵家はみんな特徴的な笑い方をする。


 それが睨みつけるように笑うのだ。


 きっと切れ長の目がそう見えてしまうのだろう。


 さっきも心配した当主が目覚めたばかりのダミアン様の元へ急いでやって来たが、不器用な言葉選びが発動していた。


 私が落ち込まないように、休暇を取ってリフレッシュさせると言いたいのに始末すると言っていた。


 それに首元にゴミが付いていても、すぐに取ってくれる優しい公爵様だ。


 全ては公爵家特有の悪役顔の遺伝子に問題があるのだろう。


 逆にダミアン様を脅かしてしまったと、悲しそうに帰っていく後ろ姿が印象的だった。


 ダークウッド公爵家は全ての人がダミアン様を愛している。


 それだけ見た目や性格がとにかく可愛いのだ。


 私も見た瞬間に、この人のために命をかけようと誓ったのが最近に感じる。


「んっ……」


 どうやらダミアン様が目を覚ましたようだ。


「あっ、お姉様?」


「ふん、やっと目を覚ましたようね」


 ここにも不器用なダミアン様好きがいたわ。


 さっきまであんなに心配していたのに、うまく言葉に発することができないのだろう。


 不器用なイザベラ様。


 いや、不器用ばかり集まったダークウッド公爵家ね。



 ♢



「ひやああああああああ! もう尊いわよ!」


 私は画面にかぶりつくような勢いで選択肢に投票した。


 今プレイをしているのは〝絶望のノクターン〟と言われている糞ゲーだ。


 プレイした人達みんなが言うほど内容がバットエンドばかりで、ヒロインだけプレイして辞める人が多かった。


 だって、悪役令嬢が攻略者を殺しに来ることがあるぐらいだ。


 彼女の視点でプレイした時は、何度も胸を締め付けられた。


 決して悪役令嬢が悪いわけではない。


 環境がただただどうしようもなかっただけだ。


 顔が悪役顔なだけでいじめているとか、犯人にされていたらさすがに悪役令嬢も闇堕ちしてしまう。


 それに全ての人が感情移入するほど、うまくできていた。


 ただ、バッドエンドを好む人が少ないのが問題だったのだろう。


 そもそもこの視聴者参加型ゲームは、毎回同じ時間にみんなでプレイして作るゲームだ。


 だから、バッドエンドを作るのは私達ゲームをやっているプレイヤーになる。


 一度クリアしたら、もう一度同じゲームができないと言われているぐらい精密でキャラ視点がコロコロと変わる。


 それだけ選択肢にはシビアにならないといけないのだ。


「今回はイザベラの弟視点か……」


 三ヶ月毎に主人公視点が異なり、主人公やヒロイン、他にも攻略対象やモブにまでなることがあった。


 ただ、数ヶ月前に推しとイチャイチャしていたのに、次のクールでは殺しあったりしたら心がもたないだろう。


 前回はモブ視点でほとんどが攻略対象をストーカーしていた。


 結局誰とも結ばれずに、ヒロインと攻略者との結婚後の初夜に屋敷に侵入してしまった。


 見つかったモブは殺されるという訳のわからない結末だった。


 ヒロイン以外はバットエンドになることが多いが、私の推しである悪役令嬢の兄はまだ一度も攻略対象者でもなく主人公になったこともない。


 彼は元々教員としての立場で働き、生徒達に恋をすることがないからだ。


 それなのになぜか目の前で――。


「恋愛フラグが立ってるよおおおおおおお!」


 初めてのダークウッド公爵家の新キャラ視点に驚きを隠せない。


 ついつい大声で叫んでしまった。


 幼いオリヴァー先生が出てきた時はスクショタイムが始まったぐらいだ。


 これを元にアクリルスタンドやポストカードを作ろう。


 ああ、推し活が捗りそうだ。


――ピピピピピピンポーン!


 さっきから隣に住んでいる人から、怒りの玄関チャイムがなるほど叫んでいたようだ。


 私は特に気にせず画面に集中することにした。


▶︎優しくお願いします!

 怖い兄しゃまは嫌いだ!

 僕が兄しゃまの上に乗るもん!


 まさかの三つの選択肢に私はついに推しのオリヴァー様が本当の攻略対象者になったことを知った。


 それに腐女子歴20年の腐り切って、貴()人に進化した私が一番求めていたルートだった。


――〝BLルート〟


 そもそもBLルートに気づいたのは、頭のネジが外れまくった王子と出会った時の選択肢だった。


▶︎優しくお願いします♡

 できれば痛くない方法で……

 ぐちょぐちょにしてください


 こんな選択肢は過去一度も出たことがなかった。


 一応年齢制限がないゲームだったからね。


 R18だったのかと、すぐに検索したぐらいだ。


 ついにAIがバグったのかと思ったが、バグったのはBL好きの私達だった。


 その証拠にコメント欄が荒れまくっている。


==================


 腐死鳥 最近

 呼ばれてきたらとんでもないBLルートになってるじゃん!


 汚超腐人 最近

 王子にぐちょぐちょにされるダミアンが見たい。


 麻婆豆腐 最近

 さすがに王道すぎるわ。それよりもイザベラが邪魔ね。


 腐マキラー 最近

 女は全て排除よ!


 蝶々腐人 最近

 今後も攻略対象キャラが増えてくるから誰にするかは要相談ね。


==================


「投票で決まるから私一人では兄とのカップリングルートは難しいかな」


 一般的にヒロインの時に人気だったのは、王子、騎士あたりだった。


 あのひん曲がった性格の王子がヒロインの時は、ただただキラキラしているだけだからね。


 イザベラ視点になった瞬間に抹殺したくなるぐらいある意味好かれているキャラでもある。


「あの王子も王子で過去が酷いからね……」


 それでも初のBLルートに私の胸は高鳴っていた。


==================


 貴腐人 最近

 私は兄推しだけど、とりあえず様子をみましょうか。


==================


 私もコメントを残して今日のゲームを終えた。


 しっかり誰推しなのかを認知させておいた。


 あわよくば兄推しが多ければいいな。


 だが、私はゲームの続きを知ることはもなく、何者かに殺害されてしまった。





――時は数年経ち……


 皆さん、今日も元気でお過ごしでしょうか。


 ゆるふわカシューナッツ系男子ことダミアンは元気にしております。


 さてさて、ついに俺が学園に行く日がやってきました!


 それまでいろんなことがあった。


 ほとんどが家族の溺愛がすごかった。


 凄すぎて甘えきっていたら、転生した時にあった暗い雰囲気は全くなくなっていた。


「ダミアン元気で過ごすんだぞ」


「ちゃんと食べるんだぞ」


 今日も相変わらず頭上には選択肢が浮いています。


 行ってきます!

 パパとママと離れたくないよ!

▶︎本当に学園に通わないといけないかな?


「本当に学園に通わないといけないかな?」


「くっ……」


「ダミアン!」


 俺は両親に熱い抱擁をされている。


 あれからファザコンとして成長した俺は貴族界でも有名になった。


 あのダークウッド公爵家当主がデレデレの息子ってだけで貴族達にしたら珍しい話だったらしい。


 だから王様があんなに笑っていたのだろう。


「ダミアン様行きますよ!」


「クロちんは寂しくないの?」


「ええ」


 両親はキリッとした目でクロを睨んでいた。


 クロは獣人の従者だ。


 犬が怪我をしていたから助けたが、かなり大きく成長した。


 ええ、人間になることなんて知らなかったからな。


 それはもうびっくりするぐらいの成長の速度だった。


 身長は俺よりも50cm以上大きいし、股間には龍が住んでいる。


「この人でなし!」


「俺は獣人です」


「うわー、せこいな」


「お二人ともダミアン様を甘やかせないでください。密かに引越ししようとしていることは知っていますよ」


「なっ!?」


「えっ、あなたそうなの?」


 クロから聞いていたが、両親は俺が学園に行くタイミングで一緒に住むところを変えると言っていた。


 まさか本当に付いてくるとは誰も思わないだろう。


 母は聞いてなかったのか、父を問い詰めていた。


 本当に二人とも穏やかになった気がする。


 前までは悪役っぽかったが、今はその面影はだいぶ減った。


 それは俺とクロの特訓法による影響だろう。


「じゃあ、向こうで会えるなら待ってるね!」


 仲良く言い合っている二人に手を振って、俺とクロは馬車に乗った。


 クロは俺の従者として一緒に学園に行くことになった。


 初めは獣人を従者に連れて行くことに反対された。


 だが、責任は自分で取ると啖呵切ったら認めてもらえたのだ。


 俺の本音を話せるのはクロしかいないため、クロがいなくなったら自分を見失いそうなのだ。


「学園まで距離はあるかな?」


「辺境地なので数日はかかりますよ」


「ここからが戦いになるのかー」


「俺はいまだにダークウッド公爵家が破滅するとは思わないけどな?」


「俺もそう思うけど、前世の記憶がある俺が言うんだぞ?」


「それも本当かわからないだろう」


「もおー、クロちん意地悪になったな!」


 俺はクロの頭をクシャクシャと撫でる。


 すると、ちょうどそのタイミングで馬車が大きく揺れた。


 姿勢を崩した俺はそのままクロの上に倒れた。


「びっくりしたな。顔が赤いけど大丈夫か?」


 クロの顔は赤く染まっていた。


 度々過度なスキンシップをすると、クロは照れて顔を赤くすることが増えた。


 俺の中では相変わらず可愛い犬という認識だ。


「ダミアン様重いです」


「はぁん!? 俺のどこが重いんだよ!」


「あっ、軽いの間違いでしたね」


 クロは俺を持ち上げて、反対の椅子に座らせた。


 尋常じゃない成長速度を見せたクロとは違い、俺の体はあまり大きくならなかった。


 身長は160cmあれば良い方だし、股間もカシューナッツ系から枝豆になったぐらいだ。


 人型になったクロのそら豆級よりも小さい。


 男としては惨めだが、体の大きさに比例していると思えば仕方のないことだ。


「兄さんと姉さんは元気かな?」


「お二人とも学園で会えるから良かったですね」


「まさか兄さんが教員になるとは思わなかったけどね」


「公爵家の跡取りになるまでの約束ですけどね」


 兄は学園を卒業すると同時に学園の教員となった。


 なんでも歴代の生徒の中でもかなり優秀だと言われている。


 それに俺が入学するまでの一年の間、姉の監視者がいないためどうするか迷っていた。


 その時に視聴者アンケート機能を使ったら、兄に先生になるように頼むように出てきた。


 兄はそのまま受け入れて先生になったのだ。


 学園を卒業してから、忙しいのか帰ってくることも減り会うのを楽しみにしている。


「はぁー、二人に会うのが楽しみだな」


「そうですね」


 なんやかんやで俺はこの世界を満喫していた。


 それでも破滅フラグのことは忘れていない。


 きっと俺が学園に入学したタイミングで姉の婚約破棄があるだろう。


 物語の大イベントでもあるからね。


 俺の予想だと卒業パーティーであると予想している。


 それまでにフラグ回収をする日々になるだろう。


「ダミアン様着きましたよ」


 馬車から降りると、目の前には要塞みたいな学園があった。


 奥には兄と姉が待っているようだ。


 二人に会えるのが久々でついつい走ってしまう。


「ダミアン危ない!」


「うぇ!?」


 急に体が宙に浮く。


 俺は兄姉に会えたことが嬉しくて駆け寄ったが、何かで躓いてしまったようだ。


「ダミアン様はそろそろ鈍臭いのを理解したらどうですか?」


「ははは、クロちんありがとう」


 俺はクロに支えられて姿勢を戻す。


 ずっと従者をしているから、俺の行動を理解しているのだろう。


 本当に頼れる男だ。


 とりあえず、お礼に頭を撫でておいたが手を弾かれた。


 飼い主に歯向かいやがって!


「兄様、あの男ってクロで合っているかしら」


「ああ、あの馴れ馴れしさはクロだな」


「犬には躾が必要ですわね」


「でもその前にダミアンだな」


 兄と姉は何かを話しているが、遠くて俺の耳には聞こえない。


 俺は再び大きな声で二人に声をかけた。


「会いたかったよおー!」


 俺は勢いよく二人に抱きつく。


「久しぶりだな」

「久しぶりですわね」


 二人して呆れた顔をしていたが、優しく迎えてくれた。


 ええ、なぜ抱きついているかってこれも計画だ。


 久しぶりに会った時こそ、俺の可愛い魅力を伝えていかないとな。


 俺には武器だったゆるふわキュルルンが減ったからな。


「ダミアン急に走ったらダメだぞ」


「貴族なんだから落ち着きなさい」


 うん、会わない間に兄姉は厳しくなった。


 昔から何も言わない二人だったのに、注意されてしまった。


「早く会いたかったのに二人はそうじゃなかったんだね」


 チラチラと二人の顔を見つめる。


 長年演技をしていた俺は今頃演技派貴族として名をあげるレベルだろう。


 映画コンクールがあったら、最優秀男優賞をもらっている気がする。


「くっ……」


 どうやら少し厳しくなっても、俺の演技には勝てないようだ。


「オリヴァー様、イザベラ様お久しぶりです」


 そんな二人にクロは挨拶をしていた。


 視線がバチバチぶつかり合っている気がするのは気のせいか。


 俺はそんな三人を見ていると、遠くに殿下がいることに気づいた。


 その隣には女子生徒がいた。


 殿下には関わらない方が良いから、あまり視線を合わせないようにしよう。


「ハァハァ……やばいやばい。獣人があんなにイケメンになっているとは――」


「カメリア令嬢。首席である君のそんな姿を誰も見たくないだろう」


「今は良いんです。久しぶりの推し活で……あー、ダミアン様可愛いわ」


「君もダミアン狙いなのか!?」


 いや、ちょっと待てよ。


 殿下の隣にいるってことはヒロインじゃないのか。


「ねぇ、姉さん?」


「なんか姉様呼びじゃないのは気持ち悪いわね」


 そういえば、学園に行くから呼び方を姉様から姉さんに変えたんだった。


 いつまでも子どもではいられないからね。


 もちろん兄しゃまって呼ぶことももうない。


 滑舌も前よりは良くなった。


「殿下の隣にいるあの人って誰?」


「ダミアンは気にしなくて良いのよ。さぁ、教室に行くわよ!」


 明らかにおかしな姉の態度に、俺はあの人がヒロインだとすぐに気づいた。


 ピンクの髪に少しゆるふわなカールがかかった髪型が特徴的だ。


 誰が見ても可憐で可愛い女性に見えるだろう。


 今も大きく目を見開いてこっちを見ている気がする。


「さぁ、ダミアン教室に行くぞ」


 俺は兄姉に引っ張られながら教室に向かうことにした。


 俺の破滅フラグ回収はここからが戦いだ。


 ♢


「嫌だー行きたくないよー」


「ダミアン様、いい加減諦めてください」


 教室で今後の話と案内を終えた生徒達が次々とある場所に向かっていく。


 そう、入学パーティーがあると俺は今知ったのだ。


 何か正装をするわけでもなく、制服のまま参加するため、特に準備があるわけでもない。


 やったとしても従者に髪の毛を整えてもらうぐらいだ。


 クロにそんなことができると思うか?


 俺はさっきと変わらない。


 変わったのは一人残された教室で駄々をこねるぐらいだ。


「だって人前でダンスとか嫌じゃん」


「もうそれは諦めてください」


 俺はダンスがとにかく苦手だ。


 だって、石や自分の足に引っかかるぐらいだぞ?


 ダンスの相手をしてくれるのは兄と姉だけになるだろう。


 あの二人なら俺の鈍臭さを知っているからな。


 ただ、二人だけだとすぐに終わってしまう。


 確実に知り合い以外とダンスを踊ることになるのだ。


 長年踊ってきてない俺が見知らぬ人とできるはずもない。


「はいはい、それならダミアン様は俺と駆け落ちでもしてみますか?」


 そんな俺の頬をクロは掴んで視線を上げる。


 身長が高いためいつものように顔をあげると、目の前にはクロの顔があった。


 いつもより真剣な視線に少し戸惑う。


「いや、クロちんと駆け落ちもいいかもな」


 破滅フラグが回収できないと思った時には、クロと逃げるのも悪くない。


 俺はそんなことを思いながら、視線を下げるとクロは足を大きく広げてひざを曲げていた。


 身長差があるから、視線を合わせるために腰を下ろしているのだろう。


「ほらほら!」


 そんなクロのひざを持って左右に揺らす。


 中々体幹もしっかりしていてびくともしない。


「はぁー、ダミアン様行きますよ」


「うぇ!?」


 俺の体は一瞬浮くと、そのままクロの肩に担がれた。


 ひょっとして姿勢を低くしていたのは、俺を担ぐためだったのか。


「クロちん騙したな!」


「騙してませんよー」


 めんどくさそうに運んでいるクロの顔はどこか楽しそうだった。


 他の人がいるところでは遊んであげれないからな。


 これくらいは遊ばせてあげよう。


「仕方ない運ばれてやるか」


 俺は諦めて、入学パーティー会場まで運んでもらうことにした。


 主人を担いで移動する従者なんてどこにいるのだろうか。


 いや、ここにいたな。





「学園の中でも結構しっかりしているんだな」


 パーティー会場はちゃんと準備されており、豪華な調度品や料理が並べられていた。


 上級生の従者がパーティーの運営をしているのか、入学した生徒の近くには従者はいるが、上級生の隣には誰もいない。


 それは姉のイザベラも同様だ。


「姉さーん!」


 俺の姿を見たイザベラは驚いていた。


「ダミアン、あなた何をしているのかしら?」


 ああ、今クロの肩にいるのがいけなかったのか。


 なんやかんやでクロに運ばれている時はそれはそれで楽しかった。


 小さい頃の気持ちを取り戻した気分だ。


 中身はおっさんだからな。


「ダミアン様が逃げようとしていたので、捕まえてきました」


「いや、逃げる――」


「それでも公爵家の次男としての自覚はあるのかしら?」


「ごめんなさい」


 まさか怒られるとは思わなかった。


 俺はゆっくりとクロに下される。


「クロちんありがとう」


 運んでくれたクロの背中を叩いてお礼を伝えた。


「いえ、これが仕事なので」


 本当にクロは仕事が好きなんだろう。


 嬉しそうな顔をしていた。


「もうそろそろパーティーが始まるから、あっちに向かうわよ」


 爵位ごとに別れているため、公爵家はパーティー会場の中央に向かう。


 外側から男爵、子爵と始まり、中央に公爵家と王族である殿下がいる。


「ちょ、姉さん速いよ」


 歩くのが遅い俺は姉に置いていかれた。


 本当に鈍臭い体をしている。


 段々と静かになり、中央にいる殿下が挨拶し出した。


「本日入学した諸君。入学おめでとう! 君達の活躍を私は願っている」


 結局俺は伯爵家あたりで姉を見失い立ち止まった。


 まぁ、ここにいてもバレないだろうしね。


「今日はそんな君達……いや、全員に伝えたいことがある」


 殿下は何かみんなにメッセージがあるのだろう。


 それにしても今日キラキラしていて眩しい。


 あの当時のまま顔立ちが変わるわけでも、本当にうまく成長したと思う。


 俺なんでいまだにカシューナッツから少し変わった程度だ。


「私はイザベラ・ダークウッド公爵令嬢と婚約破棄する」


 あまりにも唐突な出来事に俺の頭は理解できないでいた。


「へっ?」


 学園の入学パーティーで突然の婚約破棄に驚きを隠せない。


 婚約破棄されたのが俺の姉だからだ。


 俺の予想では卒業パーティーで破棄されると思っていたぞ。


 それなのに俺の入学パーティーで、関係ない姉が婚約破棄されるなんて誰も思っていないだろう。


 周囲も困惑して戸惑っている。


「殿下、なぜ私と婚約破棄をされるんですか?」


「私には大事な人がいる。その人と婚約をするためだ」


 キラキラした装いの男が入学したばかりの俺の元へ歩いてくる。


 俺の後ろにはこの乙女ゲームの世界のヒロインがいた。


 姉と婚約破棄したことは許せないが、そっと道を開ける。


 予想とは少し違うがヒロインに婚約を申し込むのだろう。


 だが、殿下は俺の目の前で止まった。


 そっとその場で片膝立ちになり、俺の手を取った。


「ダミアン・ダークウッド公爵令息よ。私と婚約してくれないか」


 ん?


 ヒロインは俺の隣にいるぞ?


「ちっ、私は兄弟カップリング推しなのに殿下かよ」


 この乙女ゲームのヒロインってこんなにキャラなのか。


 戸惑いすぎて俺の頭は混乱していた。


「どうなってるのおおおお!」


 俺の声はパーティー会場に響いていた。


 どうやら破滅フラグは回避できそうだが、違うフラグ立っているようだ。


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