表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
次元の鼓動  作者: ごまざわ
8/22

7章 夢

夢を見た。一人で砂浜に立ち尽くしている夢。月明かりだけが海を照らしている。波の音だけが響く。

「そうか、アンタが"守護"ろうとしたのは───────」

うに夜叉は2019年3月でVTuberを引退している。VTuberを起用する会社の面接を担当していたらしく、新しく入ったVTuberが不祥事を起こしたようで、それに負い目を感じたのかもしれない。


それにしても綺麗な海だ。母なる海に還ろうか。俺は一歩ずつ踏み出していく。冷たさは感じない。

「お、ち」

声が聞こえた。

「に、ん」

うるさいな。

「おに、ゃ」

邪魔しないでくれ。

「お、にち」

何なんだこの声は。

「おに、ちゃん」

「お兄、ちゃん!」

お兄ちゃん?

そうか、俺はお兄ちゃんだ。忘れていた。

「俺は、美玖の、お兄ちゃんだ!」

その時、海が開いて道ができた。

俺は走る。現実に戻るために。

白い扉が見える。そこに飛び込んだ。視界が真っ白になる。真っ白な闇が全てを塗り替えても、俺は。


2019年6月3日月曜日

「ここは、どこだ?」

気づくと病院の病室に寝ていた。側にはツーサイドアップの少女とショートボブの中年の女性がいた。

「お兄ちゃん!」

少女が手を握った。

何秒かおいて俺は言った。

「お前、誰だ?」


2019年6月5日水曜日

俺は伊藤雅樹というらしい。四人家族で4月末から一ヶ月以上も意識不明だったようだ。後遺症で記憶を一時的に失っているとのこと。天使がニコニコ超会議に現れたのは大きなニュースになっていた。家族と接するうちに記憶が戻るのを待とうとのことで、すぐに退院になった。エンジェルハンターになる予定だということと稲垣米のマネージャーになったことは確かに覚えているが、家族の記憶だけがすっぽり抜け落ちている。学校もしばらくは行けそうにない。それでも天使討伐と米のリサーチはやめたくない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ