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次元の鼓動  作者: ごまざわ
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試練

2章 試練

「ありがとう、マサキくん。これから1年間くらいは試験があるの。それにクリアしたら正式にエンジェルハンターになれるってわけ。仕事はその名の通り、天使を倒すこと」

「天使って、さっき出てきたあの白い化け物ですか」

「そう、でもあれはプラス1次元の存在。神様たちがプラス、魔王様たちがマイナスで1次元から100次元まで序列があるの。レベルみたいなものと考えればいい。なんの能力もない一番弱い存在だね」

「クラスと属性っていうのがあって、私はウィッチクラスの光属性。神様たちはほとんどニュートラルクラス。魔王様はネメシスクラスの闇属性ってことだけまずは覚えとけばいいかな。能力とか技もこれによって変わるから覚えるほど戦闘が有利になるよ。水晶玉で自分のクラスと属性が測れるからやってみようか」

マキマは手のひらサイズの水晶をなにもない空間から取り出した。異界から持ってきたのだろうか。

「水晶玉に手をかざしてみて」

言われた通りに手をかざす。ぼんやりと紋様が浮き出てくる。それは紫色の手裏剣のようなマークだった。

「ネメシスクラスの闇属性、魔王様と同じだね。やっぱり私の目に狂いはなかったみたいだ」

よく見るとマークの下にプラス1Aと書かれている。学校のクラスか?

「数字とアルファベットは何ですか?」

「数字が次元、アルファベットはイニシャルって言って、能力の序列だね。さっきの天使と同じくらいだからまだまだだね」

「さて、ここまでで何か質問はあるかな?」

「はい!」

「はいマサキくん」

「天使を倒すってことですけど、そう簡単に見つかるもんなんですかね?」

「天使は基本的に夕方から夜に現れる。目撃情報とか気配、匂いで探す他ないかな」

「目撃情報って、記憶を消されるんじゃないんですか?」

「あれも冗談だよ、ニュースで天使が出たってよくあるでしょ?記憶は消されない」

「じゃあ俺を試してたってことですか!」

「マサキくんが可愛くてつい。許して?」

「許す!超許す」

「じゃあ他に質問は?」

「特にないです」

「そっか、ならマサキくんに仕事を頼みたいんだけど、引き受けてくれる?」

「どんな内容かにもよります」

「バーチャルYouTuber、稲垣米って子が天使と繋がってるって噂なん」

「やります」

稲垣米といえば今年2月か3月にデビューしたネットでは少し有名なバーチャルYouTuberだ。今では登録者数5万人ほどで、萌声や叫び声に癒やされるとの噂で俺も5月くらいから見始めた。探偵みたいな仕事は俺に合っていると自負している。

「他にもぽあろ、ホッケーっていうYouTuberも怪しいらしいから同時進行で調べてみて」

「わかりました」

「そうだ、天使と戦うには武器が必要でしょ?どんな武器がいい?」

「普通に剣でいいと思います」

「じゃあこの神切丸って刀はどう?神様も天使も魂ごと切れるみたいだ」

「それにします。でもそんな強そうな武器、もらっちゃっていいんですか?うまく使えるかどうかも分からないし。学校で剣道はやったことありますけど実戦となると」

「エンジェルハンターも人手不足でね。猫の手も借りたいのさ。弱い天使から少しずつ慣れていけばいいよ。あと報酬も出るからね」

「どのくらい出ますか?」

「次元にもよるけどさっきのは一体千円くらいかな。10次元で一体一万円、20次元で一体5万円、30次元で一体10万円、こんな感じかな」

「了解です!」

「じゃあ私は帰るね」

マキマが手を空中にかざすと、黒い扉が現れた。

「マキマさん!」

振り返るマキマ。

「なに?」

「マキマさんの好きなタイプはなんですか」

「うーん」

左人差し指を唇につける。

「マサキくんみたいな人」

「なるほど。へ?」

「じゃ、頑張ってね」

「っはい!!!」

この日はそれで終わった。明日から昼は学校に行き、夜は天使を倒す日々が始まる。稲垣米のことも調べなければ。というかこの刀、銃刀法違反にならないか?こんな素晴らしい刀を俺は使いこなせるのか?1次元でイニシャルAの俺が?期待と不安に押しつぶされそうになりながら伊藤雅樹は眠りについた。



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