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次元の鼓動  作者: ごまざわ
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出会い

1章 出会い

2018年6月7日木曜日

伊藤雅樹は普通の高校生活に飽き飽きしていた。あまり目立たず、地味な存在で、退屈な日々を送っていた。ある日、彼は放課後に校庭でひとりで本を読んでいると、突然見慣れない光景が広がっていることに気づく。白く光っている扉のようなものが出現した。その扉から何かが出てくる。目の前に白い化け物が現れたのである。体長は2メートルほどで肩幅が広く、手に当たる部分は刃物のように鋭く、死神の鎌のようだ。扉はすぐに消えた。

「なんだこれ、生きてる、のか?」

驚愕しながらも、不思議な興味を覚えた雅樹は、近づいていく。


突然化け物は腕を振り下ろした。雅樹は咄嗟に後ろにかわした。足を滑らせ尻もちをつく。化け物は一歩、二歩と近づいてくる。雅樹は思った。

「俺の人生、これで終わりかよ。クソ、つまらない人生だったな」

雅樹が諦めたその時、化け物の後ろに黒い扉が出現した。そこから2メートルほどの円盤のような物体が飛んできて化け物の体を真っ二つに切り裂いた。化け物は光の粒となって消えていく。雅樹が驚いていると扉から何者かが出てきた。

「君、大丈夫?怪我はない?」

そこに立っていたのはスーツ姿の女性だった。白いシャツと黒い長ズボンを着ていて、黒いネクタイをつけている。赤い髪を三つ編みにしている。瞳は吸い込まれそうな黄色で円を何重にも重ねたような不思議な紋様だ。年は30代、いや20代か?今まで見てきた女性の中で一番美しいかもしれない。高校二年生の雅樹の人生経験が少ないだけかもしれないが。

「はい、大丈夫です。あなたは一体何者ですか?」

「私はマキマ。仕事でエンジェルハンターとゴッドイーターをしてるんだ」

「え、エンジェル?」

「そっか、知らないよね。この世界の外の話をしなきゃいけないね」


マキマと名乗る女性は異界から来たと言う。そこには神々と天使、それと対立する魔王と悪魔が存在するらしい。雅樹は、戦いが神々と魔王たちの間で繰り広げられている理由を知る。彼らは神秘的な異世界から来た存在で、人間界と異界の均衡が崩れかけているのだ。

「神、魔王?そんなの信じられませんよ」

「でも私が扉から出てきたのを見たでしょ?これは本当だよ」

「私は魔王様に仕えてて、私たちの敵である天使や神様を倒そうとしてるんだ」

「でも魔王って悪い存在なんじゃ」

「君、名前なんだっけ」

「伊藤雅樹です」

「マサキくん、マサキくんの世界ではおとぎ話やゲームなんかで魔王が敵になることがほとんどだと思うけど、本当は違うの」

「神様たちはこの世界から人間を全て消し去ろうとしてるの。それに対して魔王様たちは人間を支配しようとしてる。選ぶならどっちがいい?」

「そんな、みんな消えてしまうのも嫌ですし支配されるのもダメだと思います。人間は自由に生きるべきです」

「そうかな?魔王様に従うことで、人間も含めた全ての存在がより安定した生活を送れると思う。魔王様と人間が手を組んで両者の強みを活かしながら、新たな文化や技術を生み出して世界全体が発展する可能性があるんじゃないかな。というかこれは支配と言うより共存だね」

「さて、実は扉を見た人間は生かしてはいけないって決まりがあってね、今回も例外じゃない」

「え、助けてくれたんじゃないんですか?」

「仕事だからね。まあ生かしてはいけないってのは冗談だよ」

「君の選択肢は2つ。今日の記憶を消去してこれからもいつも通りの生活を送るか、エンジェルハンターとして私と共に来るか」


雅樹は悩みながらも、なぜか自分がこの戦いに巻き込まれたような運命を感じる。

「俺は、人間が滅びるのを黙って見ておけない。俺も連れて行ってください、マキマさん」

そして、彼は異界と人間界を繋ぐ鍵となる存在であることを知る。


退屈な学校生活から一転、神々と魔王たちの戦いに巻き込まれた雅樹は、人間界と異界を守るために立ち上がることを決意する。彼の日常は一変し、新たな冒険と困難が待ち受けることになるのだった。


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