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次元の鼓動  作者: ごまざわ
17/22

16章 嘘


2019年7月7日日曜日

7AM

俺の部屋のドアが開いた。

「雅樹!」

そこに立っていたのは、俺の父親、伊藤明夫だった。

「父さん!無事だったの!」

「なんとかな」

「母さんと美玖は?無事なの?」

「ああ、今は会えない場所にいる。でもきっといつかは会えると思う」

「よかった、うっ」

泣きそうになるのをこらえる。

「マサキくん」

女性の声がした。顔を上げるとそこには赤髪で三つ編みの人が立っていた。

「マキマさん!」

「最初に出会ってから1年と1ヶ月。エンジェルハンターの試験、合格だよ、マサキくん」

「というかなんでマキマさんがここに?」

「実はね、今回の天魔択一事件、B国が絡んでいて私たちは調べていたんだ。B国は天使と裏で繋がってるらしいの。そこで人質としてマサキくんの家族に手伝ってもらったわけ」

「じゃあ、全部嘘だったってことですか?」

「拉致した人達がいるのは本当。これがエンジェルハンターの試験の一環ってことも本当。マサキくんがエンジェルハンターになったのも本当だよ」

「父さんはいつからマキマさんと知り合ったの?」

「お前が意識不明で入院してた時に見舞いに来たんだ。そこで雅樹がエンジェルハンターを目指しているって聞いてな、父さんも応援しようって思ったんだ」

「母さんと美玖には会えるんですか?」

「さっきお父さんが言ってたけど今は会えないんだ。理由とか状態も言えない。時間の問題だね」

「そうですか」

「じゃあマサキくん、これからは違う世界に来てもらうよ」

「違う世界?」

「そう、この世界にいる天使が元いた世界。神様と魔王様が争ってる世界だよ」

「この世界には戻ってこれるんですか」

「私とかが使える転移魔法で飛べば帰れるよ。あともう一つ、ドッペルゲンガーを作って意識を共有すれば両方の世界で生きられるけど、どうする?」

「俺は、この世界には未練はない、と言えば嘘になるけど、父さんは?」

「父さんたちのこととか学校のことは心配するな。行って来い」

「うん、わかった。俺はただの普通の高校生だろう、何にも関係ないんじゃないかな。でも、もしかしたら俺にも何かできることがあるんじゃないかと思って…」


黒い扉が現れた。

「マサキくん、行こう」

「はい!」

俺の第二の人生がここから始まる。期待と不安に胸を弾ませながら、雅樹は新しい一歩を踏み出すのであった。



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