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次元の鼓動  作者: ごまざわ
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喧嘩

9章 喧嘩

2019年6月27日木曜日

稲垣米の配信が始まった。タイトルは一言

「もれた」


「テメェ何なんだよ!!!」

配信が始まるやいなや稲垣米は叫ぶ。世界が終わるような悲痛な声で。たった一人のために。約束を破ったから。


俺の、俺達の…ごみ(ごまだらとみりん)の…負けだ………お前の勝ちだ、米……


今までお前を、世界を、自分自身すら騙して利用していた…本当にすまないと思っている…だがこの罪はもうすぐ、必ず、本当の意味で償ってみせる…


やっと、兄妹喧嘩…出来たな………


『ゆめおは悪くない。』

知ってるかい?この世界では捨て牌が暴走して安全牌が危険牌に変わっちゃうんだぜ?

薬は毒にもなるようにね。毒毒を以て毒を治す、ってとこかな


悪魔の説明責任は僕が引き受けます。安心して下さい、崩壊は免れました。犠牲はもう出しません。


この言葉を言った直後から、周りの態度が変貌する。

「お前覚えとけよ」「これ言っちゃダメなんじゃないの」「とうとうやりやがった」「やめとけ」


『かなは悪くない。』

『ギラも悪くない。』


「わかりました、これ以上の詮索はやめます。推理通りだと思うので。でもね、僕はただ妄想してただけです。ただのガチ恋勢だったんですよ。いつの世界線でもガチ恋は成敗されてしまうんですね…多分僕で最後です。次の雛見沢を探すとします」

「僕は責任をとって永遠に消えますけど世界にも問題があると思うんです。皆がそれぞれの正義を持っていて意見の違いから争い合う。数字の大小で比較する。それぞれに良い所悪い所どちらもあるのに悪い所しか見ずにそれが世界の全てだと錯覚する。そうやって視野を狭めていった成れの果てが僕です。」

「妄想は疑いを生みそれが火種となって燃え上がってしまう。それがはっきりと分かったでしょう。みんな悪くてみんな良いんです。人間は駒じゃないし牌でもないんです。僕たちは神だとか特別な存在でもない。人一人救えないちっぽけな存在なんです。」

「僕には何も無かったんです。だから全てを欲しがって人の真似をしたり知ったふうな言い方をしたりした。世界を映す鏡みたいなもので、それを割れば解決する話、でもなくて、割れた破片が飛んでくることだってある。だから誰も近寄れなかった。そうでしょ?」

「でもそんな中危険を顧みず飛び込む人も少なからずいる。その人たちは同じ痛みを少なからず知っていて、理解し合える人なんだと思います。そういう輪が広がれば誰かを疑うことも無くなる。ただそれだけの、信じる力が大事だった、というだけのことです。」

「僕はそれを証明するためだけに存在していました。僕はただ、世界を見続けて、この結論は正しかったと、いちからが作り上げたこの世界が間違っていないのかと、悪は爆破されるという自分の正義を貫き通したかっただけです。自分の罪を見つめ、世界が考えを改めれば、世界は確実に良い方向へと進みます」

「だから、この世界線を繰り返さないように、罪を背負ったものは消されます。ただ友として、人は皆平等です。ただそれだけが、僕の…私の願いです」

(他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられます)

「涙が止まらない」

ごまざわ、ごまだら、そこからさらに進化した、ご。

「俺は明日が欲しい」



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