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転生した剣聖は現代社会を生きる  作者: ネロ偽者
スタンピード
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3 ハンター協会

この物語はフィクションです。

誤字脱字があるかもしれませんがご了承ください。


俺は兄と爺さんと朝食を取った後、ハンター資格を得るためにハンター協会へ向かう。



ダンジョンは最初のうちは国のもと、運営されていたが今はハンター協会という国にも中立な組織の管理のもと運営されている。



ハンター協会は国や個人、会社から依頼されたダンジョン産のアイテムを依頼を受けたプレイヤーから正規的値段で買い取り、依頼者へ仲介料金を取って成り立っているのが主だ。



「ここがハンター協会」



プレイヤーなら誰でも登録することが可能。

ただし15歳以上。もちろん、犯罪者は登録不可。


俺も16歳の高校生になったとき、ダンジョンへ潜りプレイヤーになったがハンター登録は行わなかった。


 

プレイヤーになったのはお金を稼ぐためではなくモンスターを殺すために、ダンジョンを消すために潜るためだから。


 

ダンジョンは最奥にあるダンジョンコアを破壊するとダンジョンが消滅するが、破壊せず放置をするとダンジョンにもよるがモンスターが外に漏れ出るケースがあるとされている。それをスタンビードと呼ぶ。



だが、30階層以上あるダンジョンはダンジョンコアに到達するのも難しいとされていたので、定期的にスタンビードをおこさせ、モンスターを間引きしているのが現状になっている。



その時期は決まっているため、プレイヤーのイベントと化している。



「人がたくさんいて鬱陶しいな」



今日の服装はTシャツパーカ。俺はパーカーを深くかぶり顔を隠す。



自動ドアを通ると、何人かが顔をあげて俺を見てくる。その中には鑑定をしてくるやつもいたので、マナー違反という言葉を知らないのかと思った。

 


そいつは俺よりレベルが低いため、俺のステータスを見ることは不可能に近いため無視して窓口へいく。



「今日はどういったご用件ですか?」

「ハンター登録」

「ハンター登録には書類審査とプレイヤー検査がありますがよろしいですか」


「書類は送ってある。後はプレイヤー検査」

「分かりました。この番号でお呼びしますので、あちらのお席でおまちください」



はぁ。人と話すのは疲れる。そう思いながら席に座っていると、見知らぬひょろがりの男がいちゃもんをつけてきた。



「お前、プレイヤーでもないのにハンター登録したいなんて見えはってんな」


いやらしい笑みを浮かべて俺を嘲笑う。そのさまがまるでリオンと重なり思わず、殺気が出た。




ドンっと拳を地面に叩きつけて、なんとかやりたい衝動を俺は抑えつける。

ひょろがりの男は俺の殺気を真正面から受けたため、地べたに腰が抜けたように座り込んだ。



俺が拳で殴ると地面にクレターができたため、それに巻き込まれないよう男は後ろに無様に這いず…



うん?こいつさっき

 

「何事ですか!?ここでの私闘は禁止されていますよ!!」

ギルド職員が慌てたようにこちらに駆けつけてきた。



はぁ。めんどくさい。



「こいつが…いきなり殴りかかってきたんだ!」

そう言って俺に指を指し、ひょろがりの男はわめき出した。


 

指をさされたのがむかついたので、俺も指をさしながら反論する。



「鑑定した。マナー違反」


そう、このひょろがりの男は先ほど玄関前で鑑定してきたやつだ。鑑定結果が出ないから一般人と思ったんだろう。



「な、なに言ってんだそんなことするわけないだろう!?」



「なんでプレイヤーじゃないと判断した?」

「それは…」

そう言うと、男は言葉をつまらせた。なんとか言葉を探しているようだが見つからない様子だ。



「それは鑑定していたからだよなぁ。鑑定は自分より格下ならスキルすら見えることもあるが格上でレベルが離れすぎていると見ることはできない」


 

二階の階段から大柄の頬に傷がある、赤髪の男が下りてくる。


「井山次郎。お前には初心者の情報を無断で犯罪者に垂れ流している疑いがある。検事部への捜査に自発的に協力してもらおうか」


赤髪の男がそう言うと、ギルド職員がひょろがりの男の腕をつかみ、連れていく。ひょろがりの男は抵抗しようとしていたがギルド職員のほうが強いらしく抵抗できていなかった。



ひょろがりの男は最初からマークされていたんだろう。スムーズに移送されていった。で、この場に残ったのは先ほどの様子を見ていたギャラリーと赤髪の男だ。



しーんとしている。



それも視線が俺に向けられてうっとうしい。

はぁ。今日のところは帰るか。そう思い、自動ドアに向かう。



自動ドアが閉められる直前まで背中に集まる熱い視線を無視して俺はハンター協会をあとにするのであった。


それにしても外の太陽の光眩っ。



~~~~~~~~~~~~~~



「ていうことが今日あった」

「ふむ。この馬鹿垂れがーー!!」

爺さんはこの話をすると、俺に一時間説教した。


それを止めたのは兄だ。



「まぁ、爺や怒る気持ちはわかるが、元々アイリに鑑定したやつが悪いんだろ」

そう、兄が爺さんをなだめると爺さんは落ち着きをとり戻す。



「まぁ、そうじゃの。詳しくは話を聞くとそやつ、犯罪者とつながりを持っておったし今回は不問とする。じゃが、もし一般人にその力を使おうとするならこれぐらいの説教じゃすまさんぞ」



そこから爺さんが小難しい話をするので、話半分耳に入れながら今日の夕飯は何だろうと考える。



_____________________________________



「横山アイリス18歳。プレイヤーになったのは16歳となっており、ハンター協会の登録を決めた動機書には家に入れるためのお金が必要だったとされていますが、野崎に調べさせたところ横山アイリスの家庭はそれほどお金に困っていないそうです。」



「そうか、ご苦労だった。下がっていいぞ」

「失礼します」


俺はギルド職員が部屋の外に出て行ったのを確認し、溜息をする。


「あれは俺と同類。いやそれ以上の化け物かもしれない」

違う部屋にいたのにもかかわらず、あの殺気を感じたとき、思わず戦闘態勢をとってしまった。



「横山アイリス」



こいつと言い合っていた男は初心者の情報を犯罪者に流し、金を得ていた小物で、もう少し泳がせるはずだったがハンター協会として、横山アイリスを囲うことが利になると俺が判断したため、男を早めに捕縛した。



それが、凶と出るか吉とでるか。

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