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転生した剣聖は現代社会を生きる  作者: ネロ偽者
スタンピード
2/47

2 ダンジョン誕生

この物語はフィクションです。

誤字脱字があるかもしれませんがご了承ください。


「…リ、アイリ起きろ」

「う~ん。あと、5分」


「お前の分の飯食っちまうぞ」

「起きる…」

のそのそと俺はベットから出る。



「ふわぁ~」

 

ジャアー。

顔を洗うために水道をひねり水を出す。



バシャ、バシャ、バシャ。

冬に差し掛かり、水はとても冷たく感じられた。

 


俺は水で洗顔を落としたら用意しておいたタオルで自分の顔を拭く。タオルで顔を拭いている際、ふとタオルの隙間から洗面所の鏡が見えたため、タオルを置き、鏡の前に立ち自分の姿を見る。



洗面所の鏡には黒髪ボブで碧眼の神秘的な女の子が映っていた。



鏡の向こうの女の子はじっと、俺を見つめる。



「この姿にもなれたな」

そう言い俺は鏡に触れ、鏡の向こう側の女の子に触れた。


「今日がアイリスの生まれた日」

俺が転生、生まれ変わって18年経つ。


前世のことは今思い出しても腹立たしくあるが、前世は前世と割り切っているつもりだ。


だが割り切れないこともある。俺は生まれてこの方、極度の人間不信になってしまった。


 

最初は家族と呼ばれる人たちにすら心は開いてなかったが、かわいい見た目をしている俺は何かと目立ちやすく、誘拐事件もあった。



その時は幼く、何もできずに監禁されかけたが警察と家族が必死になって俺を見つけてくれて、家族が泣いて抱きしめてくれた時、不覚にも安心して俺は泣いてしまった。



あんなに冷たくあたっていた俺を家族は見捨てないでいてくれたことに不覚にも心を許すきっかけになったのだ。




ちなみに俺を監禁した奴は、俺の容姿が黒髪碧眼で、ゲームに出てくるキャラに似ていたから誘拐したと言っていて、そのことに母が見たこともないおそろしい顔で怒鳴っていたのは迫力があった。




あ、俺が碧眼なのは父がアメリカ人だから血筋的なものである。



「ふふ。そんなこともあったな」

俺が思い出し笑いをすると、それだけで場が花やいだ。




「…相変わらず、美人だな。言い寄ってくる男たちがいるのも頷ける」


でも、それに嫌気がさして小、中学校はほとんど保健室通い、高校は通信制の学校に一か月に2回くらいしか学校に通ってないなのだが。



そして家にこもった生活を許してくれた母や父は、もういない。



母と父と弟は3年前に亡くなった。

ダンジョンという存在がこの世に誕生したせいで。



3年前、全世界で大規模な地震が起きた。津波や建物倒壊は免れず、家の倒壊で亡くなった人もいた。私と兄は学校に行っていたため、回避出来たが家にいた3歳の弟や母は倒壊に巻き込まれて亡くなってしまった。



でもその災害も序の口だった。地震とともにゲートと呼ばれる時空の穴が開き始めたのである。



災害に対応していた政府や国はその穴を放置する対応をとったために各地のゲートの穴からモンスターという個体が出てきて、人に危害を加え始めた。



モンスタは現代の兵器、銃や火炎放射器なんかでは大したダメージをあたえることは不可能だった。




そんな絶望的な中、戦闘車両を運転していた人がゴブリンをひき殺した際に天の声を聞いた。「レベルアップをしました。これより、プレイヤーの資格を進呈します」と、いうバカげた声とステータス表が意識的に見らるようなった言う。



これを報告した戦闘員は、何をバカげたことをぬかしてんだと最初は取り合ってもらえなかったが、レベルアップした力、戦闘力を見せるとすぐさま各国に報告され、プレイヤーが増えるきっかけになった。



ここから国をあげて大規模にモンスターを狩る行為が浸透して、モンスターは現代社会では見る影がなくなった。だがゲートは何の前触れもなく現れるため、人々が心から平穏を取り戻すのは難しい。




そこでゲートの研究をプレイヤーの力を借りて実験行い、謎の力を発見した。




発見した人は謎の力をエーテルと名付けた。エーテルが活性化するとゲートが現れると論文が発表されたがエーテルを沈静化するのは不可能とされている。だが、エーテルが活性化を検知する装置が作られ、事前に知ることができるようなった。




3年たった今でも、復興作業が行われているが、傷跡は残ったまま人々に笑顔を取り戻していったのだ。



俺と兄は雨の中、葬儀にあたたった。父は行方不明になっているが助かっている見込みはないとされ、死亡扱いされている。母と弟の死体は確認されて、火葬により埋葬した。



俺達は家族がいなくなった代わりに、莫大な遺産を引き継いだ。



喜びは浮かばない。ただ悲しかった。こんな金、要らないから家族を返してくれと、身を焦がすような憎悪にも包まれた。



そんな俺達を引き取ったのは母方の爺さんだった。誘拐されてから剣術の指南をしてくれている人だ。爺さんは道場を持っており、師範の資格もとってる。




爺さんの剣術の技術がすごい。前世の俺も、相手を効率的に殺す技術も持っていたがそれは、男の腕力など使った荒業もあったため、今の状態じゃ使えないこともある。




爺さんは俺の構えはいびつだと言っていった。ただ、殺すための構えかと思えば、誰かを庇う剣だともいう。それは遠からず、あたっていた。



元恋人のビア、オリビアは回復魔法の使い手のため、極めて非力だった。だから俺がよくカバーに入っていたから構えがいびつになったんだろう。




爺さんは俺の構えを手直していった。もともと、我流だったため、この際に直すのもいいと思った。



直すにあたって、得物を新規一転した。前世では長剣を使っていたが、今世では刀を使うことになった。まぁ、刀と言っても木刀だけどな。



癖などを直すのは大変だったがアイリスの体が一度見た刀の振り方などをお手本をなぞるようにするっと動けるから、だんだん前世の俺の剣を上書きするように最適解を導き出せるようになった。



それを見た爺さんは最初の癖については何も言わずに、お手本にようにアイリスの体に合う剣術や体術を教えてくれた。




自衛に始めた剣術はダンジョンに大切な人を奪われた復讐のために振るうことを俺は数年後、決意する。



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