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転生した剣聖は現代社会を生きる  作者: ネロ偽者
序盤
1/47

1 転生

この小説はフィクションです。

誤字脱字があるかもしれませんがご了承ください。


はぁはぁ。


俺は初心者の森を負傷した体とビアを庇いながら走り続ける。


毒が体に回り、頭がぼんやりする。だからか分からないが走馬灯のように今までのことが浮かび上がってくる。


俺は家族も知らない孤児だった。孤児だったから生きるために何でもやった。殺しも裏切りも。


 

それから金を稼ぐために冒険者となって剣一本で、めきめきと腕をあげて強くなった。そんなときだろうか、親友だと思える奴とあとで恋人となる人とパーティーを組んだのは。



そうして俺たちは確実に格上のモンスターを倒していくうちに、貴族にも認められるような冒険者になった。



だがある日、魔王が復活してしまいこの国は危機に陥った。

魔物が凶暴化し村や街を襲いかかり多くのものが死んでしまった。


そんな中、希望の光とされている勇者の王子とともに俺は6年の年月をかけて魔王を倒すことになったのだ。



その道は険しかったし、何度諦めようと思ったかわからないが、俺のそばには親友と呼べる奴がいたから耐えられた。



初めてだった。打算もなく誰かのために戦うのは。



なのにどうして、どうして…。


魔王や隣国からの脅威にさらされた国を救ってやったのに返されたのは裏切り。




こんなくそったれな国、救うんじゃなかった。


 

国を挙げて、俺にでっち上げの罪をなすりつけやがった。

そんなことを考えてると、俺の目の前には崖がそり立ち、前に進むことが困難となってしまう。




そして、すぐに俺たちは追ってきた国の兵士たちに取り囲まれた。



…あいつは


兵士の中から前に出てくるやつがいた。そいつは、イヤというほど見覚えがあった。



「よぉ。もう逃げ道はないぜ、落ちた英雄さんよ」

「リオン…てめぇ!!よく、俺にそのつら見せられたな!」



リオン。俺の親友にして魔王を一緒に討伐したメンバーだ。そして俺に毒をもった酒を飲ませた張本人だ。



「こわっ。そんな睨むなよ」

「お前が俺にした仕打ちを考えろ」


「俺が何やったんだ?ただ、お前に毒入りの酒飲ませただけだろう」


そう言って、馬鹿にしたように笑う。


「てめぇぇえ!!!」



俺は我慢できずリオンに向かって剣を抜く。すると次の瞬間、俺は後ろから腹を短剣で貫かれていた。



「ビア…?」


後ろを振り返ると俺を短剣で刺す恋人の姿があった。

どうしてだ?知っているはずだ俺が無実のことを。俺がでっち上げられた罪で苦しんでいることを。



動揺しているとリオンの方から殺気がしたので、ビアをかばいながら前に倒れこむが俺は背中を切られ、瀕死になる。



いや、毒を盛られた時から瀕死であったが、よくその状態で動けた方だったと思う。



「ぁ、どうして…」



ビアは途中で言葉を切る。どうして私をかばったのと言いたいんだろう。


俺は毒や血が垂れ流し過ぎて、もう、動くことが困難だったが最後にこれだけ言いたかった。



「愛してた…ビ…ア」


そう言って俺の意識は暗転し、命のともしびは消えた。



 

____________________________


西暦〇年〇月○○日


どこかの病院で一人の女性が看護婦に囲まれていた。


「うぅ」

「もう少しですよ。もう少しで頭が出ますのでそこを乗り越えれば峠ですよ」


痛い。看護婦の励ましの言葉が聞き取れないくらい意識が痛みに囚われている。



…どれぐらいの時間が経ったのだろう。1時間?2時間?そう思うほどに時間の流れは遅い。



「おぎゃあー おぎゃあー。」

あぁ。目が覚めるような赤んぼの甲高い鳴き声が聞こえる。



「横山さん頑張りましたね。可愛い女の子が生まれましたよ」


そう言い、看護婦は赤子を私に見えるよう近づける。


 

私は痛みに朦朧とする中、手を伸ばした。

「あぁ。生まれてきてくれてありがとう、アイリス…」









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