表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/31

第22話 エメラルドに一生仕えたいアーバン

(アーバン視点)


 エメラルド奥様からご希望のメニューをお伺いし、料理法を教えていただくのが最高に楽しい。奥様が考えたメニューが並ぶ昼食は、皆で食べる習慣になっている1番楽しい時間帯だ。最近の奥様と旦那様は仲良く夜会に出席されることも多いので、奥様のメニューはこの時間にしか食べられない。今では使用人の全てが同じメニューを食べる昼食は、エリアス侯爵家では当たり前になってきていた。




「今日は酢豚よ。まずは、豚肉、玉葱、ピーマン・・・・・・」


 材料を教えていただいて記録するが、結局はエメラルド奥様が隣にいて指図してくれるし、なんなら一緒に料理をすることも珍しくない。




 酢豚は油で揚げた肉を野菜と炒めて、甘酸っぱいケチャップ風味のソースを絡める料理だ。ケチャップで炒めるのはこの世界でもあるけれど、そこに酢や砂糖、オイスターソース、ジンジャーをいれるのは珍しい。コーンと卵のスープとサラダも添えることにした。




 あぁ、なんて楽しいのだろう!! 奥様は表情が豊かで、最高に美味しそうに召し上がってくださる。私が料理を作りメイド達がテーブルをセッティングし終わると、奥様の元気な声が廊下に響く。




「みんな、お昼よぉ~~! 早く、いらっしゃい。来ないと全部食べちゃうわよ」




 ぷっ、あっははは! 確かにエメラルド奥様なら全部食べそうだよ。上品で綺麗で、大富豪のお嬢様だったのに、なんだかすごく面白いんだよなぁ。





 いつのまにか、私のご主人様はオーガスタム様からエメラルド様に変わっていく。乳兄弟を裏切るのは後ろめたいが、エメラルド様の暖かい人柄と不思議な料理法を思いつく才能にすっかり魅了されてしまっている。この方に一生私は仕えていきたい。そう思ったんだ。

数多くの小説の中から拙作をお読みいただきありがとうございます。

少しでもおもしろかったよ、と思っていただけたら、是非ブクマや☆彡 ★彡☆彡 ★彡☆彡 ☆彡 で応援いただけると、執筆の励みになります。

※誤字報告をいただき、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ