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第20話 良からぬことを企むメルラ

※メルラ視点





 私はメルラ、でも本当の名前はカビロだ。スラム街で生まれ、両親は貧しい日銭を稼ぐだけの仕事に就いていた。  こんな汚い街は、私には絶対的に似合わない。それに、とても大事なことを忘れている気がするのに、思い出そうとすると頭痛がしてくる。




 私にはもっと大きな可能性があるはずだし、このままこの街でゴミのように生きて、人生を終えたくはなかった。だからこそ、ある手を使ってこのエリアス侯爵家に来たのに、全く思い通りにならない。




 なぜなのよ?




 でも、たった今その理由がわかった! エメラルド奥様がいるからうまくいかないのよ! 




『エメラルド様の前ではどんな女も平凡すぎます』と言ったアーバン様の表情は、女主人を慕う子犬のようだった。


 


 絶対お尻に尻尾が生えているわ。エメラルド奥様がいるせいで、旦那様もアーバン様も私を好きになってくれない。だったら、このエメラルド奥様をなんとかすれば良いのではないかしら? 私はちょっとした悪戯を仕掛けようと思いついた。




 エメラルド奥様は教会のバザーの手伝いに毎週通っているらしい。同じスラム出身の仲間に誘拐させたらどうかしら? 




 我ながら良い考えよね? あっはははは。笑ったところでまた頭痛がした。







 私が私ではないみたいな感覚がたまにする。この世界で物心がついてから、なぜか違和感を覚えることが多い。大事な人を探さなければならない、そういう漠然とした思いがなぜかあった。けれどそれが誰なのか、なんのために探すのかもわからず、成長するにつれて自分が可愛い女の子であることに気づき、きっと私をこの底辺の生活から救ってくれる王子様を探しているのだと悟った。




 だから、このエリアス侯爵家で探したいと思う。それを邪魔する者は排除しなければね。



数多くの小説の中から拙作をお読みいただきありがとうございます。

少しでもおもしろかったよ、と思っていただけたら、是非ブクマや☆彡 ★彡☆彡 ★彡☆彡 ☆彡 で応援いただけると、執筆の励みになります。

※誤字報告をいただき、ありがとうございます。

よろしくお願いします(*^_^*)

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