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村娘と喪失の棺17


八聖人の塚の確認から戻ってきたナンシーは、報告書づくりに悪戦苦闘していた。

字はかけるが、決められた様式で定められた文章を書くのには慣れていなかったし、内容もまとめづらかった。

要点だけを書いて羅列したところで力尽き、喉の渇きをおぼえた。井戸水を汲みにいくため、気晴らしもかねて外に出る。


井戸の周りにはいつものように先客の女性たちが居て、噂話に夢中だった。


「ねえ、聞いた?シムシュ様……」

「ものすごい美人の踊り娘と娼館に入っていった話でしょ?」

「えーっ!ウソー!」

「なんか、やりとりや様子から顔なじみっぽかったっていう話よ」

「あれだけのお顔で女の影が一切ない方がおかしいわ」

「だよねー」


明日には内容が変わっているようなさざめき。なのに、耳にしただけで水桶を引く腕に力が入らない。ようやく汲み終わっても、いつもより疲労感に苛まれた。胸が痛い。いま外に出たのは間違いだったかもしれない。もう少し、時間をずらしていれば。

噂には尾ひれがつく。でも、何もないところからは生まれない。

黒いしみが広がっていくような気持ちになりながら、ナンシーは部屋を目指す。


「おや、ナンシー。おかえり。水を汲んできてくれていたんだね。ありがとう」


すると、部屋に戻る途中で、調査と報告を追えたらしいシーラに出会った。

ナンシーは駆け寄る。


「シーラさん、お仕事、お疲れ様です。あの、私も、いろいろわかったんです。これから報告はまとめますけど、シーラさんにもいろいろ聞いて欲しくて」


言い終わってから、捲くし立ててしまったことに気づく。シーラさんは、と見上げると彼女の表情は硬い。疲労からだろうか。艶やかな髪も今はところどころがほつれている。


「……お互い、つもる話があるから部屋で話そうか」

「はい。じゃあ、飲むものを用意してきますね」


先にシーラに戻ってもらい、ナンシーは厨房でお湯をわかす。糖蜜とハーブを固めた飴をお湯に溶かしたものをふたり分用意し、カップをもってシーラに続いた。


テーブルに乗せられたカップをシーラが受け取ると、彼女はナンシーにお礼をいって、香り立つ湯気の前ですこし息を吐いた。


「まずは私から話そう」


触れるものすべてを蝕む瘴気を防ぐ術を持つ者は少ない。己の身だけでなく他人まで護れるとなると尚更に数は減る。そのため手広く行うこともできず、まず調査自体が難航した。

それでも瘴気の漂ってくる方向から位置を計算し、成分のサンプルを採り、各々の努力により発生源やその成分を突き止めていった。

さまざまな方法で成分の分析を試みた結果、進軍を阻んでいるものは天然ガスなど自然発生したものではなく、純粋に<呪い>としかいいようがないものだった。

ガスならば前例があるが<呪い>など、伝承がいくつかあるだけで現実の対処の前例がほぼない。

シーラは自分よりも知識のあるノア――ベネトナシュの祖父である彼は村から出ていた為に災厄から逃れていた――に文書で助言を求めた。


「ベネトのおじいさまは、無事だったんですね。良かった」

「ああ。私よりも遥かにものをご存じの方だ。もし亡くなられていたら、今も打つ手なしで右往左往していただろう。あの方に、呪いの原因を知るには、その土地のいわれと歴史をまず知らなければならないと教えられた」


ノアの助言により、調査の方針が決まり、様々なことが分かった。

ソラウの村は昔、人もまともに住めないような泥炭地だったこと。

ゆえにそこに住む人々というのは、時の権力者から疎まれて普通の土地には住むことを許されなかった人々だったこと。彼らは農耕の代わりに泥炭地から採れる鉄をつくる技術によってなんとか生き延びていたこと。

だがそれがまた権力者の耳に入り、軍を率いてきた彼らにより襲われた。鉄をつくる技術を持つ者は連行され、もたないものはソラウの泥炭地を農地へと開拓する奴隷にされ、逆らうものは悉く殺されたという。


「更に村の中心地にある辺りからは希少な鉱物が産出することがわかった。ソラウを襲って我がものとした王権は所領をあきらかにするため、また敵対者や盗人を警戒するために八角形をかたどる塚を作った。その下には、もともとソラウに住んでいた民が、人柱として埋められているのだという」

「どうしてそんな、残酷なことを……?」

「珍しい話じゃない。『自分たちの領地に入るな』ということを示すために、敵対した相手や罪人の切断した首や手足、胴体を晒しておく習慣は、古今東西どこにでもある。衛生的な問題で現在は行われなくなっただけで」


ナンシーは身震いする。自分も、あきらかに権力者から見ればとるにたらない存在だ。時代が違えば、人柱として、埋められかねない。


「……呪いの原因は、そうやって一方的に殺された人たちの怨念?」

「眠っていたそれが血と死体の穢れによって呼び覚まされたと。普通はあり得ないが、今は扉が開き、物理法則や質量など、この世の理の裏表が捻じれているからね。思念など、普通は虚数質量で表されていそうなものでも実数として顕現する」

「あんなに、綺麗な塚なのに……」

「ノア殿のいうには、それも珍しい話じゃないそうだ。異民族の大量の死体の上に、更に違う民族の異教の神をモチーフにしたものを立てて封印するのは、定石なのだそうだよ。うるさい存在同士を戦わせ、権力者によって仕組まれた血なまぐさいその人形劇を装飾し綺麗な見世物として描き、相手の主張と存在は物言わぬ石に変えるという。愚かなモノどもが勝手に同士討ちをしたと後世に騙り、自らの狡猾な所業の実態を悟られぬよう矛先を変えるために」


そこまで話し終えると、シーラはその花びらのような唇をカップにつけた。

そして、ナンシーをじっと見る。


「……ということを私たちが調べて、調査結果をお偉方に説明しているうちにキミの方はまったく、とんでもないことになっていたみたいだね。噂で色々ときいたよ」


ナンシーは気まずさを感じる。シムシュと接しないように、とシーラに言われていて、自分もそうすると言っていたのに。


「……すいません」

「いや、キミを責めているわけじゃないよ。私にも責任がある。キミが扉を閉められるただ一人とは誰も知らないのだから、私が一番気を付けているべきだった。そして全部シムシュが悪い」


突然の全責任シムシュ説。


「なぜ」

「キミを連れ出して二人きりになろうとする時点で万死に値する」


シーラは冗談を言っている様子ではなかった。


「何もありませんでしたよ。私を殺そうと思えば、いくらでもそうできる機会はあったのに」

「そう思う理由をくわしくきかせてもらおうか」


ナンシーは塚での出来事を話した。

一緒に調査を行ったシムシュは、口ぶりはそっけないけどとても親切で、自分で作った食事をナンシーに分けてくれたし、魔物に襲われたときは庇ってくれたこと。

シーラはそれらをさほど興味無さそうに聞いていたが、蝙蝠の形をした影が現れた話にさしかかると、やけにその辺りを詳しく聞きたがった。


「……おそらく、その王冠を戴いた影は瘴気の原因となっている人々が崇めていた神なのだろう。、信仰の見返りに彼らをどうにか救おうとしていたが、長い年月で魔物同然となり、狂った方法しか取れなかった。その結果、埋められた人々は解放されず、その人たちの怨念だけが瘴気の形で世に出ることになった」


最後に、ナンシーはどうしても話したかったことを付け加える。


「……あのひとは、ベネトナシュかもしれない」

「ほう」


まさか、と一笑に付されるだけだと思っていたのに。


「否定しないんですね」

「まあ今のキミの話で、少なくとも高地の神官戦士ではないことは確定したからね」


今の話のどこに、そんな部分が。ナンシーは目を見開く。


「え……?」


シーラの美しい瞳が、怜悧に光る。


「あの宗派にとって殺しは儀礼なんだ。<屠り(ほふり)>と<祝り(はふり)>は同じだから。ゆえに、貴人と神官職は厨房にも絶対に立たない。それどころか近寄らない。彼らの神聖な行為は日常くり返される卑しい行為とは絶対的に違うと示すために、必ず禁じられてるんだ」


「じゃあ、別人……」

「本物はどこにいったのかな。ブルクハルト殿に報告して、調べてもらわないと。それに、本物の神官戦士殿が生きているにしろ死んでいるにしろ、今その立場を乗っ取っている彼には何かしらの対処をしないとね」


対処。そうなったら、彼はどうなるのだろう。軍紀は厳しいと聞いている。非常時なら猶更。更迭や監禁ならまだしも、最悪、処刑されるのでは。


「で、でも……待ってください」


咄嗟に、ナンシーは叫んでいた。


「何故?何を?」

「だって、そうしたら、あの人は」

「身を案じている?どうして?」

「ベネトかもしれないって、シーラさんも、否定しなかったじゃないですか」


しばしお互いを見つめ合う。


「そうだね。でも、だとしたら何故、彼は名乗り出ない?キミが奴と手を取り合って扉を閉めれば、それで世界は救われる」


視線をそらしたのは、ナンシーだった。


「……そうできなくされているのかも。顔が、変わっていたし、記憶が、奪われているのかも。人間にはそんなことできないけど、神さまは、それができるんですよね?」


ナンシーが、あり得ないと否定してきたこと。でも、神を知るシーラが、その可能性があるというのなら。

おそろおそる、もういちど、シーラを見上げる。彼女は、鷹揚に肯いた。


「できる。呪いで縛ることも」

「じゃあ、やっぱり」


ナンシーは、顔を輝かせる。シーラは、瞳を伏せた。


「うん。……でも、どうでもいいことだからね」

「えっ……」

「ごめんね。キミにとっては大切なことだとは理解してるよ」


心からの、済まなそうな謝罪。けれど、続く言葉は容赦がなかった。


「でも、そんなふうにキミにとって大切な者の顔と記憶を奪って蜘蛛女神は送りこんできた。この意味を考えるとね。邪悪な意図しかみえないじゃないか」


その意図は、ナンシーには見えない。


「私に信用させて、それから……?私ひとりが何を言っても、影響なんて」

「ほら。またキミは自分の価値を忘れてる。悪い癖だ」


シーラはため息をついた。


「ベネトナシュかもしれないと思っただけで、確定でもないのにすでに奴を摘発して突き出す気が失せてるじゃないか。」


「それは……」


反論の言葉を探したが、言い返すことができない。


「あの女神の残酷さをキミは知らない。私も底までは知らないが、本物のベネトナシュだと確信させたうえで目の前で自殺でも命じるか、キミを殺させるか、その程度ならやりかねないと思う」


――想像を超えて、遥かに邪悪だ――

いつか、どこかできいたような風の声。確かにその残酷さはナンシーの理解の範疇を超えている。


「そこまで……?どうして……?」

「扉を閉められたら困るから、それくらいのことはする」


それくらいのこと。もうそれがナンシーにはわからない。

少女の背から黒い翼のように伸びた悍ましい八本の脚。闇の中であるはずのない六つの赤い目が憎悪の炎のように輝いていた。思い出すだけでぞくりとする。


「結局ね、シムシュが何であろうとキミにとって害になる可能性しか感じられないのは同じなんだ。だから評価は変わらないし、近づかない方がいいとしか言えないし、二人きりになるなんて論外だ。あの女神と繋がってる可能性がゼロでない時点でね」


ただ、あの姿を思い出すと、同時に涙もこみあげそうになる。それは恐怖による吐き気がもたらす、生理的な反射のようにも、言い知れない哀しみのようにも感じられた。

あの神のことを、ナンシーは知らない。


「私は、シーラさんから伺うまでその存在すら知りませんでした。シーラさんは、どうして詳しいんですか。ナリシュヴァラという神さまから、教えてもらったんですか?」


シーラは「神話にある」と語っていたが、あの後ナンシーができる範囲で文献を調べてみても、少数民族の石碑に彫られている、ある部族の織物の意匠になっている、等記述がのがわずかにみられるというだけで、詳しいことは殆どみつけることはできなかった。

それはシーラの「我が神」ナリシュヴァラについても同様だった。

王立図書館員のシーラとただの村娘のナンシーでは検索能力に違いがあるとしても、蜘蛛女神やナリシュヴァラが神話にも伝えられる有名な存在なら、ナンシー程度にも見つけられるはずなのに。


「……さて……」


さらり、とひと房垂れた髪をゆらし首をかしげたシーラは、すこし迷っているようだった。


「一度、私は女神の使徒に殺されているからかな。そのときに、我が神に救われた。だから私は女神とその走狗が大嫌いだし、我が神を愛している」


殺された。それがどういう意味かなんて、訊けなかった。

そう言ったシーラの声色は恐ろしく、瞳はこの世ではないところを見つめていた。


「だから、ベネトナシュが嫌い……?女神に関係してしまったから?」


彼女は静かにうなずく。だがその静けさは怒りを抱いているような。


「そうだよ。出会ったときから奴は絡めとられるだろうと思っていた。似たようなものを何十体とみてきたからね」

「絡めとられる……シーラさんは、ああなるって、最初から、わかってた?」


否定して欲しかった。


「そうだよ」


けれど、返ってきたのはつめたくて綺麗な、肯定の声。


「なんで、どうして!」


その冷たさと綺麗さは、ナンシーにとってベネトが大切でも、彼女にとってベネトナシュが本当にどうでもいい存在なのだということをありありと示していた。

その事実が、火箸のようにナンシーに刺さる。

自分の身体から、こんな声がでるのかと驚くくらいの絶叫だった。


「最初から、全部知ってたのなら!」


シーラは優雅に片手をあげて、掴みかからんばかりに取り乱しているナンシーを、そっと制する。


「蜘蛛女神の使徒はね、望んでなるんだ。素質があるものが選ばれる。ここではない別の場所の言い伝えだと、素質の無い者には悪臭放ち醜くおぞましい八本脚の腐肉の塊にしか見えないが、素質ある者には芳しい香りを漂わせたこのうえもなく素晴らしい美女にみえるともいわれている」


――シムシュ様、踊り娘と娼館に行ってたんだって――

思い浮かぶ噂話。

頭を振って、振り払う。

最後に、ほんとうに彼を見たのは、恐ろしい神に弄ばれズタズタになった姿だ。


「ベネトは望んでああなったってこと?あり得ない」


こみあげる涙で押しつぶされていたため、発せられた声はさきほどより酷いものだった。


「ねえ、ナンシー、キミはベネトナシュの何を知っているの」


知らない一面がたくさんある。だから、シーラに嫉妬もした。

彼女はナンシーの知らないベネトナシュを知ってるから。


「私の知るあれは傲慢で身勝手な男だったよ。それが本質でキミにはそれを見せなかっただけとしか思えないほどに」


即座にナンシーは否定する。


「そんな人じゃない」


憐れむようなシーラの視線。

涙を流して叫んで否定しても、事実は変わらない、というような。


「でもね、そういう、昏い一面がある者しか蜘蛛女神にはそもそも関われないんだよ」


興奮のあまり涙を流し、振り乱したナンシーの髪を、シーラは優しく耳にかける。

半狂乱の人間を前にしているのに、その口調も、しぐさも、穏やかだった。


「……私は神ではないし、全知全能でもない。だからこそ、奴が何者で何を考えているか、何をしようとしているか、なんて正確にはわからないよ。キミと同じだ」


わかってる。シーラならベネトナシュがああなる前に止められたはず、なんて言いがかりだ。そうであったら、と思ってしまうナンシーの身勝手な願い。


「……ごめん、なさい……シーラ、さん……」


うん、とうなずいて、シーラはナンシーの髪にかけていた細い指先を放す。


「限りある選択肢の中で自分ができる最善だと思うことを、その時々に選んで行うしかないんだ。そして、今はキミの身に起こる危険をすべて排除するのが、最善であり私の役目だと思っている」


そうして、まずは落ち着いて、とカップの中身をナンシーにすすめた。


「明日、ブルクハルト殿に報告するよ。成り代わられているのだとしたら本物が不憫だし、何らかの誤解があって万が一にでも本人だとしたらそれを証明してもらわないといけない」


立ち上がるシーラを、ナンシーはとめられない。


「あと、これだけは覚えていて。キミはシムシュをベネトナシュだという。でも、それはベネトナシュの記憶を植え付けられて顔も変えられたどこの誰とも知れない男の可能性だってあるということを」


ごちそうさま、と言って、シーラは部屋を出ていった。

これから報告をするのだろう。


いつも、シーラは正しい。何でも知っていて。

その言葉に従うべきだと思う。

頭ではわかっている。

ナンシーは立ち上がった。



向かったのは、シムシュのもとだった。

もう、あまり時間が無い。

シーラの報告が終われば彼は拘束される。




彼は、村の中央に建てられた時計塔、その影の伸びた先端に居た。

時計塔の影が気になっているようだ、と熱心にシムシュを見張っている女性から聞いた通りだった。


「ねえ。ここから、逃げて」


挨拶なんてしてる暇もないと思った。だから、走ってきた勢いのまま、必要な事だけを彼の顔をみるなり、言った。流石にシムシュは面食らったようだった。


「何を、」

「あなたが本物の神官さまじゃないって、シーラさんはもうわかってる」


シムシュの顔から表情が消える。瞬きのひとつすらなかった。


「なら婚約者に俺を引き渡すのが筋だろう。何故それを俺に教えるんだ」


返ってきたのは、抑揚のない声だけ。


「死んでほしくないからだと思う。あとシーラさんは男装しているからわからないかもしれないけど女性で、恩人で、婚約者じゃないです」


今度は、驚いた、ようにみえた。それも演技なのか。ナンシーにはわからない。

ただ、彼がベネトナシュなら、もう死んでほしくない。

自分を覚えていなくても、構わない。


「何故死んでほしくない?」

「わからない」

「ふざけてるのか?」


今度は、明確にいらだちを含んだ表情と声。その様子に混じるもどかしさが、あるはずのないものを思い出させる。

ナンシーの姿が映る、輝く紅玉髄の瞳。ベネトナシュのそれとは似ても似つかないのに。

シーラの言葉ならベネトナシュを装うように洗脳された別の誰かの可能性すらあるという。

その瞳を、真っ直ぐ見返す。


「冗談でこんなこと言わない」


シムシュは、瞳を閉じた。

そして、息を吐く。


「本当に俺を助ける気があるなら、途中まででいい。ついてきてくれ」

「なぜ?」


今度はナンシーが聞き返す。


「ひとりで村を出たんじゃすぐに怪しまれて距離と時間が稼げない。そっちは俺を途中まで追いかけたが見失ったことにすればいい」


ナンシーにも確かめたいことがあり、それが自分にしかできないことだとわかっていた。


「……わかった」


だがら、身をひるがえして村の出口に向かうその背を追っていた。

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